ワガママに生きることを許してくれた旅

  • 2018.05.14

ドキドキした。たくさん笑った。飛び込んできた世界を心に焼き付けた。大学生活は人生の夏休みなんてウソだった。夏休みより、ずっとずっと楽しかった。

 

砂漠の月

砂漠の月が美しいってこと。マチュピチュの空は手が届きそう。ニューヨークの冬は凍えそう。上京して何となく過ごしていた僕に、世界は本気を見せてくれたらしい。生きてきた21年間の経験が通用したことなんて、ほとんどなかった。

 

エジプト

エジプトはアラビア語だらけで数字さえも読めなくって。バスにも乗れない僕をみんなが助けてくれた。ボリビアの屋台でワン・ツー・スリーも通じなくって、もつ煮込みが買えないこともあった。中高大と10年間も英語を勉強したのに、役に立たなかったことも楽しかった。

 

世界を気の向くまま

世界を気の向くままに旅したいと夢見たのは、自分の名前の由来を聞いた時。「ルイ」という名前は、海外でも呼びやすい名前にしようという父親の想いが込められていた。

漢字は当て字だから、画数は決して良くないけどちょっとしか気にしてない。それよりも、由来を紹介する時が誇らしかった。いつか自分は世界に飛び出すんだと確信していた。

 

イースター島

名前といえば、イースター島で出会ったブラジル人のイアンは顔も名前もはっきり覚えている。年齢は僕の2つ下、当時19歳。Webエンジニアの仕事をしていて、旅をしながら時々仕事もしているそうだ。

イースター島を一緒にぐるっと回った。昼は名物のツナサンドを食べて、夜はモアイ像に降り注ぐ流れ星を眺めた。モアイ像の前でジャンプしている写真を撮り直しさせられた。普通、このくらいで「ありがとう!十分だよ」って言うところを何度も通り過ぎて、笑ってしまった。

 

やりたいことを何一つ諦めず、納得のいくまで続けるイアンは旅仲間の中では浮いていたけれど、僕は大好きだった。尊敬していた。なぜなら、

イアンは言葉が話せない。

事故らしい。アーとか、ウーとか簡単な音しか出せないから、会話は筆談。こちらの話は唇の動きで読み取ってくれる。英語が話せないなんて目じゃない。同じ国の人とすら話すことができないのだ。でも、僕にはイアンの声が聞こえた。「話せないことがやりたいことを諦める理由にはならない。」

日本では「人に迷惑をかけないようにしなさい」と教えるけれど、インドでは「人に迷惑をかけて生きていくのだから、人からの迷惑も受け入れてあげなさい」と教えるらしい。

イアンもインドも同じことを教えてくれた(イアンは何も言ってないのだけれど)。どうやら、やりたいことを貫き、ワガママに生きても、思ったより世界は寛容らしい。

 

ニューヨーク

日本を出発してぴったり365日間旅をした。旅の間に、憧れのニューヨークで留学をして、たっぷりとキャンパスライフを満喫した。勉強も必死に食い下がって卒業に必要な単位も取得した。くじけそうになったことは15回くらいあったけれど、走り抜いた。なぜなら、僕の「人生でやりたい100のリスト」に書いてあったから。

1. 世界一周する
2. ニューヨークで留学する
3. 同期と一緒に大学を卒業する(留年しない)

 

100のリスト

何度リストを書き直しても、この3つは変わらなかった。元気一杯で、希望に溢れたリストの中の僕が言う。キミがやりたいことは、これだ。逃げるな。

なんだかホラーみたいになったけど、本当はもっとポジティブで、祝福のようなものだと思ってる。父親が僕に「ルイ」と名付けたように、未来を照らしてくれる。

 

365日旅をした

「世界一周を終えて、次はどうするの?もう行くところないんじゃない?」と聞かれるけど、むしろ、世界一周のおかげで随分と増えた。もう一度行きたい場所もある。人生でやりたいことも増えた。1つ達成すると、2つ増えるから、僕の人生は無限に終わらない気もしてくる。

 

ローカル

余談だけど、僕は記憶力がとても悪い方で、クラスメートの名前や担任の先生、何年何組だったかほぼ覚えていない。記憶障害なんじゃないかと悩んだこともあったぐらい。そんな僕なのに、旅先の食事や訪れた場所、出会った人々は何年経っても色褪せない。昨日の夕食も覚えていないのに、あの国の屋台飯は覚えてるよなって、なんだかおかしかった。

 

遠くへ行こう

世界を旅していると、同じ曲が別の大陸で流れてたりする。かと思えば、言語も文化も目の色もバラバラだったりするから面白い。繋がっているような、そうでもないような、ふわふわで曖昧なもの。だからこそ、決めることが大切。何を大切にして生きてゆくのか。僕は今回の人生ではワガママに生きることにした。

生き方を決めただけ。どこに向かうかは分からない。でも、明日はもっと遠くに行こう。

スキルと仕事を組み合わせて「何者か」になるスラッシュワーカーズ

slash-workers

自由に自分らしく働くためには「スペシャリストになるしかない」と思っていませんか?それは間違いです。会社の寿命が短く、人間の寿命が長くなる中、1つの仕事だけで人生を支えることは難しくなりました。

これからは好奇心旺盛で飽きっぽく、器用貧乏でゼネラリストが必要とされる時代です。複数の職種を同時並行するスラッシュワーカーが増えています。

仕事の数が多いことはコロナ禍のような危機に強く、嫌になったら辞められる自由が手に入ります。これからの働き方を先取りしてみませんか?