Webメディア編集長を外注する場合に使う4つの型

コンサル編集長範囲
  • 2020.04.27

TABIPPO.NETを4年間運営している間に「うちのWebメディアも手伝ってくれないか」とお声がけいただくことが増えてきました。ありがたいことに、いくつかのWebメディアの編集長やコンサルタントとして入らせていただいています。

ただ、社内のWebメディア(オウンドメディア)の位置付けによっては、Webマーケティング全般の改善をした方が効果が上がるのでは?と感じたり、反対にこれだけ練られているなら編集長よりもライターや編集をたくさん入れた方が結果が出そうとアドバイスすることがあります。

特に社外の人間に編集長を依頼する際は、小さな認識の食い違いが大きな齟齬となりやすいので、Webメディア編集長を外注する場合に使う4つの型というテーマで整理しました。それでは本題です。

 

編集長の仕事範囲(特に外注する際に気をつけるべき)

コンサル編集長範囲

外部の人間に編集長を依頼する場合は業務の範囲を明確にしておかないと食い違いが起こりやすいです。人によって「編集長に期待すること」は差異が大きいです。今回は、社長または経営陣などの会社全体に責任を追う立場から外部編集長を依頼する場合を想定して、4つの分類を作成しました。

縦軸がWebマーケティングにおけるカバー範囲が広いか狭いか、横軸が編集長を務めるWebメディアの戦略側なのか運営側なのかを表しています。続いて具体的な仕事のイメージを解説します。

 

①CMO型の編集長

CMO型は、Webメディアの編集長を任せたいという要望でありながら、本来はWebメディアを超えた全社のWebマーケティングを期待されているケースです。例えば、リスティングやリマーケティング、SNS、メールマガジン、時にはサイト改善までをカバーします。

CMO型の場合は、WebメディアはあくまでもWebマーケティングの一部と依頼側が捉えているため、本質的なメディア運用ができる一方で、広範囲の知識と実績が必要になります。

 

②グロース担当型の編集長

グロース担当型は、Webメディアの戦略や運用方針がある程度固まっていて、すでに数年ほど運用されている場合です。Webメディアの大枠ができあがっているので、どんどん記事の制作やライターへの発注などを進めたいが、メディアの成長スピードに対して現場を動かす人の手が足りない、または先任の編集長が辞めて欠員が出ているなどが考えられます。

一方で、Webメディア以外のWebマーケティングに関しては、それほどブラッシュアップが進んでいないので、メディアを動かしつつ、マーケティングの改善も少しずつ進めて欲しいという期待値が隠れています。

グロース担当型の場合は、現場を動かせるほどの時間が確保できることと、CMO型ほどではなくとも広い知識と経験が必要となります。

 

③編集長型(専任型)の編集長

編集長型(専任型)は一般的にイメージされるWebメディア編集長の代行を期待されていて、メディアの責任者として課せられたKPIを達成するために戦略を作り、日々の運用に必要なシステムを立ち上げる役割です。広告やSNS、メールマガジンなどは別のマーケティング担当がおり、ライターの獲得や記事の納品、編集については業務の範囲外です。Webメディア運営の上流部分を任されます。

専任型の場合は他のWebメディアで編集長をしていた経験が必要となりますが、規模の小さいWebメディアの場合であれば、元ブロガーでも結果を出すことができそうです。

 

④運用代行型の編集長

最後に、運用代行型の編集長はとにかくWebメディアの現場を動かすことを求められています。おそらく、ライターが足りていないか、編集担当が足りていないかのどちらかでしょう。運用代行型として外注を受ける場合は、Webメディア全体の戦略や方針にはあまり関われない可能性があるので、編集長というオファーに惑わされずに、自分の強みを活かせるか?については検討するべきです。

メディアの状況によっては編集長経験者よりも、編集経験者や元ライターの人の方がうまく動かせる可能性があるので、発注側は外注先のスキルや経験を見極める必要があります。編集長経験者となる人数は少ないですが、編集やライター経験者なら人材の幅が広がるので。

 

今回の記事は以上です。なお、今回紹介した4つの区分の中にはハッキリと分類されませんが、非常に大切な編集長にしかできない仕事は別記事にまとめました。
» Webメディアの編集長しかできない5つの仕事