タイへの移住を考えている方にとって、費用は大きな関心事です。どのくらいの資金が必要なのか、生活費はいくらくらいかかるのかなど、具体的な数字を知りたいと思われているでしょう。
この記事では、タイ移住にかかる費用を初期費用から生活費まで詳しく解説します。エリアごとの家賃相場や、食費、交通費などの具体的な金額も紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
タイ移住は、日本と比べて物価が安いことから人気があります。しかし、エリアによって生活費が大きく異なるため、事前に正確な情報を把握することが重要です。
監修者: 木村拓也
新卒でフリーランスになり、ノマド生活を5年以上経験。海外を拠点に活動しながら、Webマーケターとして50社以上の支援実績がある。海外での職種体験ワークショップ「ノマドニア」に参加後、インドネシアのバリ島で起業。現在もバリ島を拠点に、ノマド生活を続けている。
タイ移住の初期費用
タイ移住を始めるにあたり、まずは初期費用について見ていきましょう。初期費用は、渡航前の準備から現地での生活立ち上げまでにかかる費用のことを指します。
具体的な項目と金額を詳しく解説していきます。
航空券代
タイへの渡航に必要な航空券代は、季節や予約時期によって大きく変動します。一般的に、東京-バンコク間の片道エコノミークラスの航空券は、2万円から8万円程度です。
オフシーズンや格安航空会社(LCC)を利用すれば、より安く抑えられる可能性があります。なお、往復航空券を購入する場合は、4万円から15万円程度を見込んでおくとよいでしょう。
ビジネスクラスやファーストクラスを利用する場合は、さらに高額になります。
ビザ取得費用
タイに長期滞在するためには、適切なビザを取得する必要があります。ビザの種類によって費用が異なりますが、一般的な観光ビザ(シングルエントリー)の場合、申請料は2,000円程度です。
長期滞在を目的とする場合は、ノンイミグラントビザを取得することをおすすめします。このビザの申請料は、シングルエントリーで5,000円、マルチプルエントリーで10,000円程度です。
また、ビザ取得に必要な書類の準備や、代行サービスを利用する場合は、追加の費用がかかる場合があります。
引越し費用
日本からタイへの引越し費用は、荷物の量や輸送方法によって大きく変わります。航空便を利用する場合、20kgの荷物で3万円から5万円程度です。
船便を利用すれば比較的安く抑えられますが、到着まで1〜2ヶ月かかることがあります。大型の家具や電化製品を持ち込む場合は、コンテナを利用することになるので注意してください。
20フィートコンテナの場合、30万円から50万円程度の費用がかかります。ただし、タイでは家具付きの物件が多いため、必要最小限の荷物だけを持ち込むのも一つの選択肢です。
住居の初期費用
タイでアパートやコンドミニアムを借りる際の初期費用は、日本と比べるとかなり安く済みます。一般的に、敷金として1〜2ヶ月分の家賃が必要です。礼金の概念はほとんどありません。
また、多くの物件で1年契約が一般的ですが、3ヶ月や6ヶ月の短期契約も可能な場合があります。ただし、短期契約の場合は家賃が若干高くなる傾向がありますので注意が必要です。
家具付きの物件を選べば、追加で家具を購入する必要がないため、初期費用を抑えることができます。エアコンや冷蔵庫、洗濯機などの基本的な家電が揃っている物件も多いので、チェックしておくとよいでしょう。
生活用品の購入費用
タイに到着後、すぐに必要となる生活用品の購入費用も考慮しておくことが必要です。ベッドリネン、タオル、食器類、調理器具などの基本的な生活用品は、5,000バーツから10,000バーツ(約2万円から4万円)程度で揃えることができます。
タイの大型ショッピングモールやホームセンターでは、比較的安価で質の良い生活用品を購入できます。また、セカンドハンドショップを利用すれば、さらに費用を抑えることも可能です。
タイの生活費
初期費用の次は、タイでの日々の生活にかかる費用について詳しく見ていきましょう。生活費は、住む場所や生活スタイルによって大きく変わりますが、ここでは一般的な目安を紹介します。
家賃
タイの家賃は、地域や物件のグレードによって大きく異なります。バンコクの中心部では、1ベッドルームのコンドミニアムで月15,000バーツから30,000バーツ(約6万円から12万円)程度です。
一方、チェンマイやパタヤなどの地方都市では、同程度の物件でも月7,000バーツから15,000バーツ(約3万円から6万円)程度で借りられることも珍しくありません。高級物件や広めの物件を希望する場合は、バンコクの中心部で月50,000バーツ(約20万円)以上の家賃を想定する必要があります。
反対に、郊外や地方都市で質素な生活を送る場合は、月5,000バーツ(約2万円)程度の家賃で済むこともあります。
食費
タイの食費は、日本と比べるとかなり安いです。屋台やローカルの食堂(タイ語で「ラーンアハーン」)を利用すれば、1食50バーツから100バーツ(約200円から400円)程度で済むでしょう。
一方、日本食レストランや高級レストランを利用する場合は、1食500バーツから1,000バーツ(約2,000円から4,000円)以上かかることもあります。自炊をする場合は、地元のマーケットで新鮮な野菜や肉、魚を安く購入できます。
月の食費の目安としては、1人あたり10,000バーツから20,000バーツ(約4万円から8万円)程度です。ただし、外食の頻度や利用する店によって大きく変動します。
光熱費
タイの光熱費は、エアコンの使用頻度によって大きく変わります。一般的な1人暮らしの場合、電気代は月1,500バーツから3,000バーツ(約6,000円から12,000円)程度です。
エアコンを頻繁に使用する場合は、さらに高額になる可能性があります。水道代は比較的安く、月200バーツから500バーツ(約800円から2,000円)程度です。
ガス代は、多くの家庭でプロパンガスを使用しており、月300バーツから600バーツ(約1,200円から2,400円)程度です。インターネット代は、高速回線で月600バーツから1,000バーツ(約2,400円から4,000円)程度です。
携帯電話の通信費は、データ通信量によって異なりますが、月300バーツから1,000バーツ(約1,200円から4,000円)程度で済みます。
交通費
タイの公共交通機関は比較的安価です。バンコクの場合、BTS(高架鉄道)やMRT(地下鉄)の1回の乗車料金は15バーツから60バーツ(約60円から240円)程度です。
バスはさらに安く、エアコンなしの一般バスなら1回7バーツから20バーツ(約30円から80円)程度となります。タクシーの初乗り料金は35バーツ(約140円)で、その後は1キロメートルあたり5バーツ(約20円)程度加算されます。
また、配車アプリのGrabを利用すれば、さらに便利に移動できるでしょう。月の交通費の目安としては、公共交通機関を主に利用する場合、2,000バーツから5,000バーツ(約8,000円から20,000円)程度です。
ただし、タクシーやGrabを頻繁に利用する場合は、さらに高額になる可能性があります。
娯楽費
タイでの娯楽費は、個人の趣味や生活スタイルによって大きく異なります。映画館での映画鑑賞は1回200バーツから300バーツ(約800円から1,200円)程度です。
ジムの月会費は、施設によって異なりますが、1,000バーツから3,000バーツ(約4,000円から12,000円)程度です。マッサージは、タイの代表的な娯楽の一つとなります。
タイ古式マッサージは1時間200バーツから500バーツ(約800円から2,000円)程度で、リーズナブルに楽しめるでしょう。観光地や高級スパではもっと高額になります。
バーやクラブでの飲み代は、場所によって大きく異なります。ローカルの小さなバーなら1杯50バーツから100バーツ(約200円から400円)程度ですが、高級バーやクラブでは1杯300バーツから500バーツ(約1,200円から2,000円)以上することもありますので注意です。
月の娯楽費の目安としては、5,000バーツから20,000バーツ(約2万円から8万円)程度です。ただし、個人の嗜好や生活スタイルによって大きく変動します。
タイ移住の総費用
ここまで、タイ移住にかかる初期費用と生活費について詳しく見てきました。ここでは、これらの費用を総合的に考え、タイ移住にかかる総費用の目安をお伝えします。
初期費用の合計
タイ移住の初期費用を合計すると、以下のようになります。
- 航空券代:4万円〜15万円
- ビザ取得費用:2,000円〜10,000円
- 引越し費用:3万円〜50万円(荷物の量による)
- 住居の初期費用:家賃1〜2ヶ月分(6万円〜24万円程度)
- 生活用品の購入費用:2万円〜4万円
これらを合計すると、最低でも約20万円、平均的には50万円〜100万円程度の初期費用が必要になるでしょう。ただし、大型の家具や電化製品を持ち込む場合や、高級物件を選択する場合は、さらに高額になる可能性があります。
月々の生活費の合計
次に、月々の生活費を合計してみましょう。以下は、バンコクで一般的な生活をする場合の目安です。
- 家賃:15,000バーツ〜30,000バーツ(6万円〜12万円)
- 食費:10,000バーツ〜20,000バーツ(4万円〜8万円)
- 光熱費:2,600バーツ〜5,100バーツ(約1万円〜2万円)
- 交通費:2,000バーツ〜5,000バーツ(8,000円〜2万円)
- 娯楽費:5,000バーツ〜20,000バーツ(2万円〜8万円)
これらを合計すると、月々の生活費は約34,600バーツ〜80,100バーツ(約14万円〜32万円)程度になります。ただし、これはあくまで目安であり、個人の生活スタイルや居住地域によって大きく変動する可能性があります。
年間の総費用
初期費用と月々の生活費を踏まえ、タイ移住の年間総費用を算出してみましょう。
- 初期費用:50万円〜100万円
- 月々の生活費:14万円〜32万円
年間の総費用は、初期費用+(月々の生活費×12ヶ月)で計算できます。つまり、218万円〜484万円程度です。
ただし、2年目以降は初期費用がかからないため、年間168万円〜384万円程度に落ち着くと考えられます。特に、家賃や食費の安さが大きな要因でしょう。
ただし、生活水準や居住地域によっては、さらに費用を抑えることも、逆に高くなることもあります。
タイ移住の費用を抑えるコツ
タイ移住の費用をさらに抑えたい方のために、いくつかのコツをご紹介します。これらのポイントを参考に、より経済的なタイ生活を実現しましょう。
住居選びのポイント
住居費は生活費の中で大きな割合を占めるため、ここを抑えることで大きな節約になります。以下のポイントを押さえておきましょう。
- 中心部から少し離れた地域を選ぶ
- 新築物件よりも築年数のある物件を選ぶ
- 長期契約で交渉する
- 家具付き物件を選ぶ(家具購入費用の節約)
- 日本人向けではなく、現地向けの物件を探す
特に、バンコクの中心部から少し離れた地域を選ぶだけで、家賃が半額以下になることも珍しくありません。公共交通機関の発達したバンコクでは、少し郊外に住んでも十分に便利な生活が送れます。
食費を抑えるコツ
タイの食費は日本と比べて安いですが、さらに抑える方法があります。
- 屋台やローカルの食堂を利用する
- 自炊を心がける
- 地元のマーケットで食材を購入する
- 水道水ではなく、ウォーターサーバーや浄水器を利用する
- アルコールは控えめにする(タイのアルコール税は高め)
特に、屋台やローカルの食堂を利用することで、1食50バーツ(約200円)以下で済ませることも可能です。また、自炊をする際は、地元のマーケットで新鮮で安価な食材を購入することをおすすめします。
交通費を抑えるコツ
タイの公共交通機関は比較的安価ですが、さらに費用を抑えるコツがあります。
- 公共交通機関を積極的に利用する
- バイクタクシーやソンテウ(乗り合いタクシー)を活用する
- 長期滞在者向けのBTSやMRTの定期券を購入する
- 自転車を活用する(一部の地域のみ推奨)
- 徒歩圏内に住居を構える
特に、バンコクではBTSやMRTの定期券を利用することで、大幅に交通費を抑えることができるでしょう。また、短距離移動にはバイクタクシーを利用するのも経済的です。
娯楽費を抑えるコツ
タイでの娯楽を楽しみつつ、費用を抑えるコツをご紹介します。
- ローカルの小さなバーを利用する
- ハッピーアワーを活用する
- 無料のイベントやアクティビティを探す
- 公園でのエクササイズを楽しむ
- 図書館や無料の美術館を利用する
タイの大都市では、無料のイベントやアクティビティが多く開催されています。これらを積極的に活用することで、娯楽費を大幅に抑えることができるでしょう。
また、公園でのヨガやエアロビクスなど、健康的で経済的な娯楽も人気です。
まとめ:タイ移住の費用を賢く管理しよう
タイ移住にかかる費用について、初期費用から月々の生活費、そして費用を抑えるコツまで詳しく見てきました。最後に、重要なポイントをまとめておきましょう。
- 初期費用は50万円〜100万円程度を見込む
- 月々の生活費は14万円〜32万円程度(バンコクの場合)
- 年間の総費用は、1年目が218万円〜484万円程度、2年目以降は168万円〜384万円程度
- 住居選び、食費、交通費、娯楽費それぞれに節約のコツがある
- 個人の生活スタイルによって費用は大きく変動する
タイ移住の費用は、日本での生活と比べるとかなり抑えられる可能性があります。しかし、それでも十分な準備と計画が必要です。
また、予期せぬ出費に備えて、ある程度の貯金を持っておくことをおすすめします。特に、医療費や緊急時の帰国費用などは、念のため準備しておくとよいでしょう。
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