人との繋がりを大事にしてきた。人脈こそ財産になる。

今回はノマドニア卒業生のきのコさんに、ノマドニア参加前はどんな生活をしていたのか、そして参加してからの心境の変化、今現在までのお話を伺いました。

 

インタビューを受ける人

  • きのコさん(40歳)
  • 職業:場づくり屋/文筆家/正社員広報
  • ノマドニア参加期:ジョージア25期(2024年6月〜)
  • 16Personalities:指揮官(ENTJ)
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ノマドニア編集部
こちらの記事はノマドニア編集部よりお届けします!

本業以外で長年多くの活動をしてきた結果

ーー自己紹介お願いします。

きのコと申します。年齢は40歳、出身は福岡県です。ノマドニアには2024年6月開催のジョージア25期に参加しました。

ノマドニア卒業後はシェアハウスの運営があるので終わったその日に帰国しました。職業はSMマッチングサイト会社の広報を正社員でしていまして、他にはイベントの企画運営やシェアハウスの運営といった場づくりと、文筆家の3本柱で仕事をしています。

 

現在は主に東京・大阪・福岡の3拠点で生活をしています。

 

ーーノマドニア参加前は何をされていましたか?

3年ほどフリーランスとして、イベント企画などの場づくりや物書きの仕事、あとはマーケティングの仕事もしていました。その前は富士ゼロックスという会社で法人営業6年、マーケティング系の部門で7年半働いていました。

会社員時代から長年LGBTに関する発信や活動をしていて、自主的に交流会やイベントなどのオフ会をよく開催していたんです。その活動に関して当時cakesというプラットフォームから「連載をうちでしませんか」というオファーをいただいたことがきっかけで、物書きとしてデビューしました。

 

物書きとして活動していくうちにイベント登壇のお仕事も増えていき、会社員で勤めてはいたけれどパラレルキャリアでシェアハウスの運営も含めたくさんのことをするようになっていたんです。いつか専業の物書きになってみたいと思いながらも6〜7年経過していましたが、コロナ禍でフルリモートになった時に「この働き方なら場所に縛られることなく仕事ができる」ということに気づき、そんな暮らしがしたいと考え退職しました。

 

ーーコロナ禍がきっかけで働き方を変えたいと思いましたか?

もともとパラレルキャリアになってから、国内をたくさん旅するような生活に変わっていて、自分は定住とか決まった会社に出社することが好きじゃないと気がついていました。シェアハウスを運営するようになって気持ちがさらに高まっていき、コロナ禍の時にリモートワークという働き方が成立するんだと感じたことがきっかけで、思い切って退職しました。

 

人との繋がりが欲しくて始めた場つくり

ーーシェアハウスや場づくりはどういったきっかけで始めましたか?

自分がLGBTだということに中学生くらいの時に気がついて、28歳までは人と同じような生き方をしようと頑張っていた時期がありました。いわゆる結婚して家庭に入るといったことをすればマジョリティになれるだろうと思ったんです。※多数派を意味する

なので27歳の時に1度結婚をしましたが1年で離婚して、やっぱりマジョリティと同じように生活をしていくのは無理だと感じましたね。

 

普通の家族を作ることができないと思った時に、一般的な家族ではなくても人と繋がって暮らしていけるように自分でネットワークを作らないと、これは孤独死してしまうと感じて。自分と同じようなマイノリティ性を持っている人たちと繋がらないといけないという危機感があり、人生をどうにか生きていくためにイベントの企画や場づくりを始めました。

そのような、いろんな意味で生きづらい人たちが集まるLGBTを中心としたコミュニティに入るようになり、ご縁が重なりシェアハウスを始めることになりました。

 

ーーシェアハウスは住むことが好きというよりも、場づくりをしたかったことがきっかけですか?

どっちが先ということでもないですが、私の実家が歯医者をしていたので、育った環境が大きく関わっていると思います。田舎の病院の待合室っておじちゃんおばちゃんの溜まり場になりがちだったんですよね。

そういった場所に小さな頃から放り込まれて育ったので、待合室で知らない人たちにあやされて、知らない人たちのコミュニティの中で育つのは自分にとって自然なことでした。たくさんの人たちに囲まれて育ってきたので、離婚後の広い家を寂しく感じて住み開きを始めたんです。

 

ーー住み開きってなんですか?

簡単に言うと住んでいる自宅をコミュニティスペース的に開放するような感じです。シェアハウスというより、自分の家にいろんな人が来て泊まっていったり居候になったりと、自分の家を居場所としてコミュニティに対して開放するということをしていました。

「入ってきやすく出ていきやすい場所」を提供したい思いでずっと場づくりをしていましたね。そういった住み開きを続けていて、企画したオフ会で出会った人が泊まりに来たりしているうちに「シェアハウスやろうよ」 と言われたことが始まりでした。

 

子供の頃からたくさんの情報に触れられた環境

ーー物書きはどういった経緯で始めましたか?

私がポリアモリー(複数愛)というライフスタイルで暮らしていて、端的に言うと複数のパートナーがいて浮気や不倫という形ではなくオープンでみんな合意のあるパートナーシップを築くという形なんです。その当事者としての発信を連載してほしいとオファーをもらい、物書きを始めました。

会社員6年目くらいでデビューをして退職するまで6年半連載し、2018年には書籍化もさせていただいたので、声をかけてもらってラッキーでしたね。

 

ーーイベント企画運営ではどういったことをしていますか?

ポリアモリーについてのイベントで、ポリーラウンジという、おそらく日本で1番大きくて1番長く続いているポリアモリーの交流会があるんです。最初は参加者でしたが、そのうち自分が幹事会に入って主催をする側に回りました。

未だに幹事会のメンバーとして定期的に月1〜2回主催をしています。本を出版したことでポリーラウンジ自体も参加者が増えたし、他にもポリアモリー関係のイベントやLGBT関係のイベント、あとは自分が主催するだけじゃなく「登壇してください」といったお話も増えてきて、講演会やセミナーといろんなイベントに出させていただいています。

 

ーーきのコさんご自身がLGBTだということに、どういったきっかけで気づきましたか?

最初は小学5年生くらいの時に男の子も好きだけど女の子も好きだし、好きな人が何人かいるなという感覚に気づいて、そういったことに関する本を読んだりしていました。当時はまだLGBTなんて言葉もなかった頃だけど、割と早くから母がそういった本を買い与えてくれていたので、自分の性に疑問をもつ人が世の中にはいるんだといった性教育や性に関することを教えてもらっていました。

うちの母はものすごい読書家で、特にジャンルにこだわらず学校の図書室よりもはるかにたくさんの本が実家にはありました。私もそのおかげでとても本が好きになりましたし、たくさんある中の1冊として割と読みやすい性に関する本がありました。

 

ーーそういった生き方もあると言うことを、早い段階で分かったというのは良かった?

たくさんの本が家にあって自由に読める環境だったので、小学生の時に本を読んだことで、そういった世界があってそんな人たちがいるということを認識できていました。セクシュアルマイノリティと言われる人がいて、そういう団体もありどんな活動をしているのかを小学5年生くらいに本で知ることができたのは本当に良かったなと思っています。

 

あと、私の年代にしては相当早くからインターネット環境が家にあったので、いろんな情報にアクセスしやすい家庭で育ったんですよね。知的なリテラシーを高めるということが早くからできたので、自分がそうかもしれないと思った時もすごく孤独感を感じていたわけではなくて「本で読んでいたアレか」と受け入れることができ、同年代のLGBT当事者たちよりは人と繋がれていて多少生きやすくなっている部分はあるかもしれないです。

 

ノマドニアの講師になりたくて

ーーノマドニアは何で知りましたか?

会社を退職してフリーランスのライターでやっていこうと考えて、当時ChatGPTが出始めてAIが盛り上がっていた頃だったので、ChatGPTの勉強会やライターの交流会に参加するようにしていました。たくさんのライターや編集者が集まってAIやChatGPTについてプレゼンをする勉強会へ行った時、ノマドニア共同創業者のKOHさんがプレゼンターの1人だったんです。

海外ノマドとしてChatGPTを使用して旅をしていますというプレゼンをしていて、その時はまだ自分が海外ノマドになるイメージはなかったので「すごいな」と思って見ていただけでした。でも定住せずにノマドで旅しながら暮らすということ自体にはすごく憧れたので、ひとまずKOHさんのX(旧Twitter)をフォローした時にノマドニアを知りました。

 

ーーノマドニアというサービスを知って参加したいと思った理由は?

ライターとしてキャリアスクールの講師をしていたこともあり、実はノマドニアの受講生よりも先に講師に応募していたんです。講師をしていたキャリアスクール「ワークキャリア」はノマドニアに似たところもあり、オンラインでできる仕事を学ぶことができるのですが、1ヶ月の国内合宿で金額ノルマを設定して稼ぐぞ!みたいなスクールでした。

講師をしていた時に、他のスクールでも講師をしたら自分の価値を高められるしキャリアを積めると考えた時に、ノマドニアがいいのではないかと思ったのが参加しようと思ったきっかけです。基本的に講師を希望するスクールは受講してから講師になる、と自分の中で決めているので、将来ノマドニアの講師になるなら受講していた方が受講生の気持ちに立った教え方ができると考えました。

 

そんな時にKOHさんがX(旧Twitter)で「そろそろ自分は講師を引退するかも」とほのめかす投稿をしていて、KOHさんが講師でジョージアにいる間に絶対に直接教わりたいと思い、それもあって今行かないとという焦りもありましたね。しかもノマドニアでジョージアという国に行かないと一生ジョージアには行かないかもしれない、このタイミングで今行かなきゃと思い、申し込みをしました。

 

ーー講師に先に応募していたんですね!!

まだ講師デビューはしていませんが、KOHさんが講師募集しますという投稿をしていたので、ノマドニアの講師になりたいと思ったのがいちばんの理由でした。あとは、たくさんキャリアスクールやワークショップがある中で、今いちばん盛り上がっているのはノマドニアだよねという話をキャリアスクールの講師仲間がしていたので、ノマドニアに行ってみようという気持ちになりました。

 

それにフリーランスのいちばんの財産って人脈だと思っていて。人脈は広げたり増やしたり質を良くしたりする努力をずっとしていかないといけないと思っているから、そのため1年に1回くらいはいろんなスクールや講座を受けるようにしています。

ノマドニアのもっているネットワークに繋がった方が、仕事も取れそうだし人生が面白くなると感じていて、長期的にはそういう思惑もあって参加しました。

 

できないと思い込んでいただけで目から鱗の連続

ーー実際10職種を体験していかがでしたか?

参加する前までは、10職種をたった1ヶ月で、しかもひとつの職種が2日間という短さで何が分かるんだろう…と少し不安でした。ライティングやデザイン、マーケティングはある程度知識があったので、どれくらい新しい学びがあるか心配だったんですよね。

 

でも実際は目から鱗の連続で、1日目のコミュニティマネジャーの講座からとても衝撃を受けたんです。自分が場づくりをしている人間だったのでコミュニティを作ってきたし、ずっと関わってきた分野ではありましたが、コミュニティをマネジメントすること自体が職業として成立して対価が発生する、という発想が全くありませんでした。

自分にとってLGBTのコミュニティを作ることは、生きることに直結する自分自身の生き方だったので、仕事としてコミュニティマネジメントをする人たちがいるということに結構びっくりしましたね。

 

ーーきのコさんご自身がずっと関わってきたことが、仕事になるということに驚かれたんですね。

コーチングも衝撃を受けた仕事の1つでした。私はいわゆる公認心理士とか臨床心理士という資格をもっているカウンセラーさんからのカウンセリングを受けた経験があるんです。

でも資格も認定も何ももっていない人がコーチングするとか、なんとなく怪しいというイメージがありました。勉強してコーチングをするのはどんな感じなのかと思って実際に講座を受けたら、本当にしっかりした内容で驚きました。

 

私は過去に相談されたりカウンセラー的な対応を求められることが多かったけど、求められても「資格を持っていないから生半可には受けることはできない」とむしろ断って避けてきたんです。でも講座で学んだやり方や勉強の仕方なら、私もコーチングをしてもいいのかもしれないと思えたし、自分が「これは仕事にできない」と思い込んでいただけだったと気づき、視野が広がりました。

しっかりとステップさえ踏めば、仕事としてちゃんと対価をいただいてもいいし責任が取れるんだということをたくさん勉強できましたね。自分が仕事にすることにとても心理的なハードルがありましたが、ノマドニアで学んだことで、ちゃんとしたステップがあると気づけてよかったと思います。

 

実際ノマドニアに参加した時点で国内ではノマド生活ができていたので、ノマド自体のことはある程度目星はついていたし、Webライティングとグラフィックデザインと簡単なSNSマーケは仕事としていたので、それ以外の職種に対してすごく視野が広がりました。

 

人と交流することで得られた挑戦したい気持ち

ーー参加中の思い出はありますか?

今回、日本人が経営しているホステルに1ヶ月滞在していましたが、ノマドニア関係なく海外ノマドをしている人たちや、FIREしてのんびり世界一周旅行している人に出会ったりして、こんな旅人たちが世界にはいるのかとすごく面白かったし、自分もこうなりたいとかこう生きたいと色々イメージが湧いてきましたね。

 

学生の時に1年間アメリカに留学していましたが、あとは海外には行けても2週間くらいだったので、1ヶ月という長さで海外に滞在したのは10数年ぶりでした。自分で宿や航空券を全部手配していわゆるバックパッカー的な旅をしたのも初めてだったので、みんなこうやって旅をしているんだと勉強になりました。

会社員時代は帰りまで予定が全部決まっているような旅しかしたことがなかったから、帰りを決めずに旅に出るってすごいなと感じましたね。シェアハウスの運営をしていることでどこか日本に縛られている感じがしていて、月単位で帰国日も決めない旅は想像もつきませんでしたが、ノマドニアに参加して、帰国日を決めずに旅をしている人たちに実際会って話を聞けたので、勉強になって良かったです。

 

ーー海外でホステルに宿泊したことで違った角度から見えたこともあったんですね!

今まで海外だと普通のホテルしか泊まったことがなかったし、他の旅人とあまり交流はなかったんです。でもホステルみたいな安宿に泊まると、みんなで暮らしてる感がすごく強まるので交流も増えて、ホステルとかゲストハウスの旅のほうが人と交流するには面白いと思いましたね。

日本では場づくりをしてきましたが、身内だけのコミュニティを作るというのではなく、旅人は一緒にいる期間も短いので、たくさんの人と交流して楽しく一緒に過ごすという旅人的な関わり方が分かって楽しかったです。宿のご主人とも「また来るね」みたいな交流もできたし、宿であった日本の旅人たちといまだにLINEグループで繋がっているので「また会おう」とか「帰国したらあれ食べに行こう」とかそういう繋がりができたのは良かったなと思います。

 

人と交流したり人と繋がるということの自由度がさらにもう1段上がった気がしました。

 

ーー参加後に変化したことはありますか? 

今まではシェアハウスにリソースを割きすぎて、帰りが決まっている旅しかできないと決めつけていたんですよね。シェアハウスはとても好きだし今後もやめる気はないですが、今回初めて帰国の便を取らずにチェンマイへ行くことにしたんです。

ホテルも最初の1週間しか押さえていなくて、それでもなんとかなるし、なんとかできるという考え方に変わったことが大きいですね。今後も半年単位で海外に出てみようと思えるようになったので、海外を周遊する働き方や暮らし方をするにはどうしたらいいか…と考えられるようになりました。

 

できるわけがないと思っていたことが、やるためにはどうすればいいかという意識に変わったので、そこはすごく自分の中で思い込んでいたと気付きがありました。

 

ーーやってみようと挑戦する気持ちに変化したんですね!

今は東京と大阪と福岡で3つシェアハウスを運営していますが、帰国してから大阪のシェアハウスの契約を人に譲って自分はサポート側になるという手続きを始めました。長期で海外へ行けないのは大阪のシェアハウスに手がかかりすぎているからと分かって、運営形態を変えて海外にいても手が回るようにしようと振り切れたのも、ノマドニアに参加したからこそですね。

多分ノマドニアに参加していなかったら、変わらず大阪のシェアハウスに時間を割いていたと思います。自分がどこにリソースをかけるべきか選択ができるようになり、自由度がまた1段上がったと思っています。

 

リモート正社員をしつつ運営しているシェアハウス

ーー今現在はどういった仕事をしていますか?

ノマドニア参加前の5月からLunaという会社で、イベントの企画運営の仕事を業務委託でしていました。その会社からノマドニア参加中に広報として正社員のお話をいただいたんです。

ジョージアに滞在中フリーランスの方たちと話す中で改めて気づいた正社員の良さもあり、今まで業務委託で仕事をしてきて「正社員でリモートの自由があるのはいいな」と思っていたので、帰国後にリモート正社員として働き始めました。

 

あの時オファーを受けていなかったら、業務委託を続けていたかもしれないし迷っていたかもしれないので、本当にタイミングが良かったなと思っています。しばらく働いてみて業務委託の方がいいと思えば調整がきくとお話をいただいているので、ずっと正社員ということでもないとは思います。

今は月の半分は東京の渋谷オフィスに出勤し、半分はオンラインで福岡や大阪にいたりと、割と自由に動けて仕事ができていますね。

 

ーーシェアハウスのお話を伺ってもいいですか?

シェアハウスを8年以上各地でやってきて、現在は東京と大阪と福岡で運営しています。最初は自分が居住しない大家さんタイプのシェアハウスを文京区の茗荷谷で始めました。

マイノリティ属性のある人たちと「みんなで集まって暮らしたらもう少し生きやすくなるよね」という話をしていた時に、そのうちの1人から「茗荷谷に安い戸建を見つけたので、僕が住んで管理人やりますから、きのコさんはスポンサーになってください」と言われたんです。私が契約をして、彼が住みながら住人を集めたり取りまとめをしてくれて、1軒目のシェアハウスが始まりました。

 

以来シェアハウスをしているとか住んでいるといった話をすると「シェアハウスをやってみたい」「物件を持っているんだけどどうやったらシェアハウスにできますか」とお話をいただくことが増えて。「シェアハウスをやりたいので一緒にやってくれませんか」とそういった声を拾っていくうちに大阪などに増えていき、アドバイザリーみたいに運営サポートや立ち上げ支援をしていろんなシェアハウスに関わってきました。

 

東京では茗荷谷のシェアハウスは閉じましたが、改めて「きのコさんが契約者になって一緒に運営してくれませんか」と声がかかり、今中野区のシェアハウスも運営しています。あと大阪の堺市で知り合いのNPOが運営していたシェアハウスを引き継いだのが1軒と、私の実家を「きのコさんの実家をシェアハウスにさせてくれませんか」と声がかかり、福岡でも1軒運営しています。

 

ーーきのコさんの実家をですか!?

そうなんです(笑)。まさに実家なんですが、私も妹も家を出ているので、母が1人で8LDKくらいの大きな一軒家にいて「こんなに広い家持て余しちゃうし引っ越そうかな」と言っていて。不動産相続もしたくないし売却してもいいんじゃないかと話していたんです。

その話を大学の後輩にしたら「その実家でシェアハウスやれませんか」という話になり、母はワンルームマンションに引っ越して、実家をリノベーションしてシェアハウスにしました。その代わり私はちゃんと相続して、いつか私が死ぬ前に帰る終の住処でありながら、今はシェアハウスで、私の旅が終わったら帰れる場所になっています。

 

ーー持て余すよりかはシェアハウスとして運営できているのはいいですね!

手放そうかという話は出ていたけれど、実家がなくなるのは寂しいし福岡はすごく好きなのでシェアハウスにすれば帰る理由にもなる。いつか「もう旅はしない」という時が来たら帰れる場所ができたのは良かったです。

基本メイン拠点は東京ですが、各シェアハウスに困っていることがないか月に1度は様子を見に行ってます。このペースだとやっぱり海外に半年とかは出られないので、そこを2025年は法人化するなりして、私が全部やらなくても大丈夫なように整えていきたいなと考えています。

 

ノマドにならなくとも参加すれば価値がある

ーー今後の展望はありますか?

人生全体の話としてはたぶんもう2度と結婚はしないし、一般的な家庭というものは作らないんだけど、大事な人達と一緒に暮らしたいのはあります。そのためにシェアハウスに自分も住むし、人のためにも作ってイベントもやって、という場づくりは一生やっていきたいですね。

 

やっぱりシェアハウスとかゲストハウスをしている人って、「昔は世界を旅していました」みたいな人が多いので多分私もそういう1人になっていく気がしていて、旅をしながら場づくりをして拠点を増やしていけたらと考えています。今、全国的に空き家も増えていて家を持て余している方も多いようなので、理想的にはしっかり法人化して47都道府県すべてに自分の関わるシェアハウスを作りたいというのが長期的な夢ですね。

あと来年くらいに達成したいのは、半年とかの長期で日本を離れて海外ノマドをやっても大丈夫なように、自分のできる仕事を整えることです。

 

ーーノマドニアに参加した感想を教えてください。

人生を豊かにする人脈が絶対手に入ると信じて参加したけれど、 予想よりもはるかに豊かになっていると感じています。想像した以上にノマドニアの人達と密に繋がれていて、先日も同期の子の写真展に行ったりと、濃く繋がり続けていられることが嬉しいですね。

ノマドニアに参加したという繋がりだけで、参加国も期も違う人がシェアハウスにたくさん来てくれたり、そういったネットワークが豊かなコミュニティに繋がれたという意味でも本当に参加して良かったですし、自分のこれからの財産になったと思っています。

 

ーーノマドニアはどんな方に勧めたいですか?

ノマドニアだからといって、今すぐノマドとかフリーランスになろうという限定的な目標を持った人だけに向けたものではないと思っています。ノマドになる気はないけど…という人でも参加してみたら価値があると感じたので。

私が得た1番の財産はやっぱり人脈や人との繋がりなので、それはどんな働き方でもどこに住んでいても必ず価値があると思います。たくさんの人と繋がりたい、自分と違う価値観の人と出会いたい、話がしたいと思う人にはみんなに参加してほしいですね。

友達が世界中にいて「あそこに行けば誰かがいる」という繋がりがあるのは本当にすごいなと思います。

 

ーーありがとうございました!今後の活躍も応援しています!

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