旅人の職業まとめ。64ヶ国で出会ったプロフェッショナルたち

旅人の職業まとめ。51ヶ国120都市で出会った人々
  • 2020.04.28

社会人になっても旅を続けたい人:行ったことのない場所に訪れて、新しい人々、文化、情景に触れるのが大好きです。社会人になっても、趣味である旅行は続けたい。ただ、人生を旅に捧げるのではなくて旅と仕事を両立するのが理想ですが、どんな方法がありますか?

という質問に対して、64ヶ国で出会った旅人たちの職業を紹介する形で回答します。

 

記事の内容

・旅人の職業
・旅を続けられる仕事の特徴
・旅に理解がある会社の見つけ方

今回の記事では、まず旅人たちがどんな仕事と旅をしていたのかを紹介します。次に旅人の職業から分かる旅を続けられる仕事の特徴を解説します。最後に、旅に理解がある会社を見つける方法をお伝えするという流れです。

僕自身は7年前から若者に旅を広める仕事をしていて、4年前に株式会社TABIPPOという形で法人化しました。学生、社会人に限らず、年間1000人以上の旅行好きに出会って話をしているので、これまでの経験で気づいたことを踏まえて解説を進めます。

 

旅人の職業

旅人の職業

カメラマン

「カメラマンは稼げる仕事じゃないけど、大好きなカメラと旅が続けられるのは最高だよ」と、言ってました。「本当に撮りたいのは風景写真だけど、それだけじゃ厳しいからスタジオで宣伝用写真を撮ったりもするんだ」という話もありました。

 

ビデオグラファー

友人のビデオグラファーは「世界で何が起こっているのかをダイレクトに伝えられるのは映像だと思う」と言って、デモや紛争を撮るために世界中を旅しています。「それらの映像は報道機関が買い取ってくれても、数万円程度にしかならないから、日本にいる間はコマーシャルやミュージックビデオの仕事もする」とこぼしていたあたりは、カメラマンと同じ発想ですね。

 

バイヤー

日本のセレクトショップで売られている雑貨や衣服は海外、特に東南アジアから輸入されたものが数多くあります。「ベトナムのホーチミンでバッグを買ったら、新宿の有名なセレクトショップに同じバッグが並んでいた。価格は3倍になっていた」という実話が示すように、海外で安く買う→日本で高く売るという方法を支えるためには、現地を訪れるバイヤーが必要です。

 

看護師

海外旅行先で医師とは会ったことがありませんが、看護師の方とはよく会います。特に女性は、看護師と薬剤師、ライターがTOP3です。看護師の方に聞いたところだと、退職しても帰国後に仕事が見つかりやすいこと、バイトの看護師でも稼げる(時給が高い)こと、地方や離島でも仕事があることの3つが良い点だそうです。

 

薬剤師

薬剤師の方も看護師と同様に、仕事の見つけやすさ、時給の高さ、日本中どこでも仕事があることがメリットです。ただし、看護師と薬剤師は日本国内で有効な国家資格なので、海外でそのまま働けるわけではありません。なお、美容師の場合は実はニューヨーク州では日本の美容免許が有効だったりします。

 

弁護士

世界193ヶ国全てを訪れた友人の職業が弁護士でした。日本で半年ほど弁護士事務所で働き、残りの半年は海外を旅するというライフスタイルを20年近く続けてきたという話でした。

 

Webライター

2014年頃から多く出会うことになったのが、Webライターです。理由はこの頃からWebメディアが増え、たくさんのWebライターが必要になったため。同時に、クラウドワークスなどのWebサービスがライターとメディアを繋ぐプラットフォームとして機能したからです。Webライターはインターネットを使って記事や写真を納品しているケースが多く、出社や在席の義務がありません。

旅行先での経験を文章にして納品するトラベルライターと呼ばれるライターもいれば、旅行は執筆の内容と関係なくあくまで趣味にしている場合もあります。なお、旅行系のWebライターを募集しているメディアについては、こちらの記事にまとめました。

旅行ライターを募集している8つのWebメディア

 

ブロガー

Google Adsenseやアフィリエイトを提供するプラットフォーム、Amazonアソシエイトなどのインターネットを使って個人がお金を稼ぐ方法が多様化したことを受けて、自分のブログで稼ぐプロブロガーと呼ばれる職業が生まれました。

 

Webエンジニア

インターネットに関するビジネスの市場規模が大きくなるにつれて、Webサイトやサービス、アプリを開発するエンジニアが不足するようになりました。企業で働くWebエンジニアが独立してフリーランスとなるケースが増えてきました(年収もフリーの方が高いそう)。

また、TECH CAMPなどのエンジニア学習オンラインサービスもここ2-3年で一気に増えて、素人からでもWebエンジニアを目指せるようになりました。僕は長期休暇が取れたので、フィリピンのエンジニア留学で学びました。

 

Webデザイナー

Webサイトのデザインやバナーなどを作るWebデザイナーの需要も高まっています。女性の場合はエンジニアとデザイナーでデザイナーを選びがちなのですが、1点覚えておいて欲しいことがあります。

これまでロゴやチラシ、ポスターなどをデザインしていた人がWebデザイナーに移行しているので、Webエンジニアと比べると仕事の単価が低く、競争があることです。また、Webデザインを勉強するサービスはあまり充実していません。

 

不動産オーナー

不動産と書くとビルやマンションのオーナーを想像しますが、シェアハウスやAirbnbのオーナーをしている旅人を何人か知っています。シェアハウスの運営をする管理人を雇っていて、自分は契約の更新や集客などを担当するという役割分担をできれば、オーナー本人はどこにいても平気です。

 

教師・保育士

夏休み中に旅行をしている小学校・中学校の先生と中東やヨーロッパで出会ったことがあります。部活の顧問をしていない公立の学校の先生でしたが、休みがあっても給料は少ないと言っていました。保育士で旅を続けている友人も同じ課題を持っていました。

 

大学生

大学生は夏休み、春休み合わせて4ヶ月近く休みがあるため、バイトでお金を貯めて、バックパッカーとして物価が安い東南アジアや南アジア(インド)をゆっくり旅するスタイルの人が多いです。

 

サラリーマン

日系企業で働くサラリーマンの場合、欧米のように1ヶ月以上のバカンスは取れませんが、会社によっては7日〜10日ほどの休みを取って、気になっている国に少しずつ訪れることはできます。そもそも日本は世界的に祝日が多い国でして、有給休暇の制度もあるためまとまった休みを取ることは可能なはず。

では、なぜサラリーマンが連続した休暇を取れないと悩むかというと、所属している企業に「旅行の経験を評価する文化」が根付いてないためです。では、旅の文化が根付いている企業はどうやって探すのかを解説します。

 

旅行の経験を評価する文化が根付いている会社を探す方法

旅行の経験を評価する文化が根付いている会社を探す方法

創業者や共同創業者が長い旅を経験している

創業メンバーや経営陣が自分の旅行経験をポジティブに評価している場合、社内のメンバーにも同様に旅行を経験して欲しい→そのために長期休暇を取れる文化や制度を作ろうと考えます。

経営陣が旅人かどうか、の探し方としては、例えば世界一周を経験しているかどうかをインタビューやプロフィールで調べる方法がります。なお、僕が知っている世界一周を経験した起業家はこちらの記事にまとめました。

フォローしておくべき世界一周した11人の起業家 | 2019年版

 

旅行に関する事業・サービスを提供している(ただし、規模が大きくない)

旅行好きの人が旅行代理店に入社する理由は ①大好きな旅行に携わりたい、②旅行を提供しているのだから、プライベートでも旅行ができるはず」のどちらかだと思います。ただし、HISやJTBなどの大手旅行代理店だと、①は実現しますが、②は苦労することが多いです。

なぜならば、大企業となるほど業務の分担やシステム化が進んでおり、歯車のようにガシガシと労働することが求められるからです。さらに企業が成熟すると、世界的な大企業であるAmazonやGoogleのように(と言っても、正社員だけですが)社員のプライベート充実を進めるのですが、日本国内の上場企業だとまだそこまで発展していないことがあります。

旅行に関する事業やサービスを提供している→だから、社員も旅行に行けるというロジックは、中小やベンチャーの規模の方が実現する可能性がある、ということは覚えておいてください。

 

旅人採用と提携している、旅人採用から採用実績がある

最後に、TABIPPOとアプリ社が共同で運営する「旅人採用」と提携している会社は世界中を旅した経験を仕事に活かせる人材を採用する意向が高いです。不動産、人材系など、旅行・観光業界以外の業界で旅人を採用したい企業を見つけることができます。

なお、リクナビやマイナビのような求人を掲載するサイトではなく、旅行経験のあるカウンセラーとキャリアを相談しながら興味のある企業を探す形式なので、まず登録する必要があります。ちょっと面倒な気もしますが、LINEでやり取りするタイプなので、いきなり面談とかにはなりません。

 

今回の記事は以上です。

・海外で出会った旅人の職業を14種
・旅行の経験を評価する文化が根付いている会社を探す方法

大きく分けてこの2つを紹介しました。なお、職業や業界を新たに選ぶのではなく、今の仕事を続ける中で旅と仕事を両立する方法を別の記事でまとめました。

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