上司や社長からムチャ振りされて、お金も人もいない状態でWebメディアを運営する孤独な担当者のための記事です。まず、前提としてWebメディアに使えるリソース(お金や人)がどのように戦略に影響するのかを解説します。
筆者の経験
知名度も、予算も、リソースもゼロの状況から、Webメディア「TABIPPO.NET」を立ち上げて570万PVまで伸ばしました。まじで大変でしたが、インターネットは弱者や新参者の武器なので、ありとあらゆる工夫で戦ってきた。
株式会社TABIPPOのオウンドメディアTABIPPO.NETの2018年度の実績は最高574万PVでした。2017年度の実績が360万PV〜450万PVぐらいだったので、約120万PVの成長になります。300万PVぐらいからインタ[…]
Webメディアを飛躍させるポイントについて。考え方やコツではなく、具体的に僕が編集長を務めるTABIPPO.NETで100万PVから400万PVまで伸ばすに当たって、実行したことをご紹介しています。新ツールや仕組みなどで改善していくのが得意[…]
リソースから考える、Webメディアの方針
Webメディアの目的を達成するための方針や戦略作りは予算や人員、周辺環境などに左右されるので、鉄板はありません。しかし、予算の大小と、人員の多寡で4つにわけることができます。
予算 | 人員 | Webメディアの方針 |
◯ | ◯ | 潤沢な予算と人員を使って、質の高いコンテンツを大量に作る王者の戦い |
◯ | × | 外部ライターと連携しながら、コンテンツを作成 |
× | ◯ | 社内メンバーをうまく巻き込みながら、メディアを運営 |
× | × | 頭を使って、うまくやるしかない(記事の続きを読んでください) |
それぞれの詳細を続いて解説します。
予算が多く、人員も多いWebメディアの場合
方針決定について心配する必要なし。おそらく、Webメディアの経験者が方針・戦略担当としてメンバーに入っていますので、その方の知見を元に最短距離を走りきれる戦略を作りましょう。
潤沢な予算と人員を生かして、クオリティを担保しつつも記事をたくさんリリースできる状況なので、王者の戦いをしましょう。
予算が多いが、人員が少ないWebメディアの場合
新規事業的に、Webメディアの経験がほぼない社員が担当に充てられるが、社内的には予算をつけてくれているケースは、外部のライターと連携しながら進めることになります。
予算があるぶん、コンテンツ作りには困りませんが、編集が足りなくなるので、外注で編集できる人を見つけるか、質は高いが量は少ないコンテンツで戦うことになります。
予算は少ないが、人員が多いWebメディアの場合
社内でWebメディアへの協力者が多い場合は、「予算はつけられないけれど、社内リソースを中心にWebメディアを運営してほしい」と言われるかもしれません。
本当に社内リソースが潤沢にあるケースは稀なので(だいたい、他の仕事に追われている)、いかに社内のメンバーに気持ちよく、短時間でコンテンツを作ってもらえるかを考えることになります。
ただし、ある程度のところで社内リソースには限度がきますので、結果が出たら予算を増やしてもらうという相談はしておきましょう。
予算は少なく、人員も少ないWebメディアの場合
ベンチャーから中小企業がWebメディアを開始する場合は、ないない尽くしでしょう。Webメディアの担当者が広報やPRなど他の業務を兼務していることすらあります。ハードモードです。
さあ、どうするかというと、頭で戦うしかありません。
オワコンメディアは実績が出るまで耐えて、工夫する
お金も人もいないワンオペ担当、もっと深刻な環境の場合は広報やPRが片手間でWebメディアを兼務していることすらありますね。文句を言いたい気持ちはよく分かりますが、ひとまずはファーストゴールまでの辛抱です。
実績が出れば、お金か人は引っ張れる
Webメディアを運営している目的によって、ファーストゴールは異なりますがイメージはこんな感じです。
- Webメディア収益型(キナリノ、withnews)なら、売り上げ10万円
- 本業ブースト型(LIG、ferret)なら、最初の問い合わせ
- 採用型(サイボウズ式、メルカン)なら、1人目の採用
Webメディアの目的は下記の記事で詳しく解説しています。
Webメディアを立ち上げる、またはリニューアルする際はWebメディアの目的をバッチリ定めておかないと空中分解します。2019年はオウンドメディアが次々に閉鎖したこともあり(一方で、始まったメディアもある)、2020年以降にWebメディアをス[…]
最初の実績を出すことができれば、それを根拠にして「お金か人がもっとあれば、もっと成果が出る」と主張できます。
「社内と世間で評価のギャップがあるもの」を探して、コンテンツにする
僕がオワコンなWebメディア担当者なら、自社内や業界内では当たり前すぎて、誰も価値を感じないけれど世間的には面白いもの、貴重なものを探してコンテンツにします。
- 自社サービスと競合サービスの比較表
- とてもユニークだけど、知名度の低い社長
- 業界関係者だから知っているノウハウや裏技
など。
ギャップを探すときに、気をつけるべきなのは「独りよがりにならないこと」です。例えば「この商品はめっちゃすごいのに、知られてないからコンテンツにしよう!」とかは、ちょっと危険な匂いがします。
過去資料・紙資料の再利用もあり
社内報や会社の概要資料、商品カタログなどの過去資料や紙資料はWeb化されていないことがあるので、狙い目です。すでにコンテンツとして完成していますから、掲載するだけ。
徹底的にサポートすれば、社員の協力を得られる
お金も人もいない…と嘆くWebメディア担当者は、社内メンバーからの協力は絶対に得られないと諦めてしまっていることがあります。それは、間違いです。社内メンバーが戸惑うことも、心配になることもないぐらいサポートすれば、協力は得られます。
インタビューに出演してください。記事書いてください。などのお願いをしてませんか?これまでWebメディアに関わってきていない人が、いきなり社名を背負って出演したり執筆したりするのは不可能です。
無記名のアンケートにささっと答えてください(5分で回答できます)。30分くらい質問に答えてください(話の内容をいい感じに記事にします)。このように、断る理由を失くすのが肝心です。
お金も人もいない、オワコンなWebメディアの戦い方 | まとめ
本記事では、お金も人もいない、オワコンなWebメディアの戦い方を解説しました。最後まで読んでいただければ分かるように、お金も人もいないメディアの結果は、担当者に依存します。担当者の知恵と努力=Webメディアの結果、です。
任されたからには、結果を出したい、という方はWebマーケティング全般の勉強をしておくと、助けになります。
ホットリンクでマーケターをしているムロヤさん(@rmuroya)が作成したマーケティングスキルマップの網羅性がとても高いので、マーケティングの計画や組織をブラッシュアップするときに役立ちます。 マーケティングスキルマッ[…]