日々革新が続きドッグイヤーと呼ばれるIT・Web業界ですが、息の長い資格もあるのではと思い調べました。スキルアップやキャリアップの参考になれば幸いです。
結論:昇進や勉強のために資格を取得するなら、あり
実際に時間をかけて調べてみたのですが、就職や転職という視点ではIT・Web系の資格を取得するのはコスパが悪いかもしれません。というのも、業界未経験でも上場一部企業に転職できるからです。
そうなると、IT・Web関連の資格を習得する理由は
- 資格に関連する領域を包括的に学ぶ
- 会社の昇進や昇給で使う
という2つですね。
IT・Web関連の資格の種類
IT・Web関連の資格に限らず資格全般に言えることですが、資格は国が定める「国家資格」とオラクルやシスコのようなベンダー(業者)が定める「ベンダー資格」、そして国家資格でもなく、ベンダーの技術や製品に依存しない「ベンダーニュートラル資格」に区分されます。
国家資格の代表例は「基本情報処理技術者」、ベンダー資格の代表例は「オラクルマスター」、ベンダーニュートラル資格の代表例は「ITパスポート」などになります。
国家資格 vs ベンダー資格 vs ベンダーニュートラル資格
国家資格が一般に普及した技術を取り扱う一方で、ベンダー資格は各ベンダーオリジナルの技術を対象としています。そのため、基礎知識や理論を学ぶなら国家資格を選び、現場での即戦力を磨くならベンダー資格を学ぶことになります。
ベンダーニュートラルな資格に関しては、ベンダーに関係なく必要なスキルの習熟を目指して選ぶことになります。
職種ごとに有効な資格
ここからは、IT・Web業界の代表的な職種ごとに、おすすめの資格をご紹介します。IT技術者全般、システム設計者、プロジェクトマネージャー、プログラマ、ネットワークエンジニア、データベースエンジニア、セキュリティエンジニア、Webデザイナー、ITコンサルタント、Webマーケッターの10業種で分類しました。
人気の資格
IT研修大手のグローバルナレッジネットワークが発表した稼げる認定資格 Top15 2017年版(15 Top-Paying Certifications for 2017)によると人気Top3の資格はこちら。
Certified in Risk and Information Systems Control(CRISC)/ セキュリティ
公認情報セキュリティマネージャ(CISM) / セキュリティ
AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイトレベル(ASA) / クラウド
IT技術者全般が対象の資格
基本情報処理技術者
「基本情報技術者試験」は経済産業省が認定する国家資格です。プログラマ、システムエンジニアの登竜門となっており、応用情報処理技術者など上位資格が続く。平成27年度の合格率は25.8%で、正解率60%以上が合格となる。
公式サイト:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
受験料:5,700円(税込)
応用情報技術者試験
「応用情報技術者試験」は「基本情報処理技術者試験」合格者が次に目指す試験として知られており、IT全般に関する幅広い知識を持つゼネラリスト向け。平成27年度の合格率は21.3%で、正解率60%以上が合格となる。
公式サイト:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
受験料:5,700円(税込)
システム設計者が対象の資格
情報セキュリティスペシャリスト
「情報セキュリティスペシャリスト」は情報セキュリティに関する資格としては国内最難関で、実務経験者であっても合格するのは難しいとされている。平成27年度の合格率は15.6%。
公式サイト:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
受験料:5,700円(税込)
ITサービスマネージャ
「ITサービスマネージャ」は業務システムの運用責任者を対象としており、出題範囲はIT技術全般からプロジェクトマネジメント、経営戦略まで幅広い。平成27年度の合格率は13.2%
公式サイト:独立行政法人情報処理推進機構(lPA)
受験料:5,700円(税込)
プロジェクトマネージャーが対象の資格
プロジェクトマネージャ試験
「プロジェクトマネージャ試験」はITシステムの開発責任者を対象とした試験です。社会的な需要が高くIT業界の花形資格と言われています。平成27年度の合格率は13.4%。
公式サイト:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
受験料:5,700円(税込)
Project Management Professional試験
「PMP (プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)試験 」は米国PMI本部が認定を行う国際資格です。受験には一定時間以上の実務経験と35時間の研修を受講していることが求められます。合格率は非公開。
公式サイト:一般社団法人 PMI日本支部
受験料:555ドル
プログラマが対象の資格
C言語プログラミング能力認定試験
「C言語プログラミング能力認定試験」はC言語を使ったコーディング、コンパイル、デバッグの能力を認定します。1級は実技試験(PC使用)、2・3級は筆記試験(マークシート形式)です。正解率60%以上で合格となります。
公式サイト:C言語プログラミング能力認定試験
受験料:3級/5100円(税込)、2級/6200円(税込)、1級/7600円(税込)
Javaプログラミング能力認定試験
「Javaプログラミング能力認定試験」はJavaに関する基本知識とオブジェクト指向に基づくプログラムを作成できる能力を認定します。上記の「C言語プログラミング能力認定試験」と同様に、1級は実技試験(PC使用)、2・3級は筆記試験(マークシート形式)です。正解率60%以上で合格となります。
公式サイト:Java™プログラミング能力認定試験
受験料:3級/5100円(税込)、2級/6200円(税込)、1級/7600円(税込)
PHP技術者認定試験試験
「PHP技術者認定試験試験」はPHPベースのシステムを設計・開発・運用する能力を認定します。正解率70%以上で合格となります。
公式サイト:PHP技術者認定機構
受験料:初級/12,000円(税抜)、準上級・上級/15000円(税抜)
ネットワークエンジニアが対象の資格
ネットワークスペシャリスト
「ネットワークスペシャリスト試験」はネットワークの設計担当者や管理責任者を対象とした資格です。日本国内のネットワーク関連の試験では最難関とされています。平成27年度の合格率は14.6%。
受験資格はありませんが、上述の基本情報技術者試験や応用情報技術者試験から、受験していくことが一般的です。
公式サイト:独立行政法人情報処理推進機構(lPA)
受験料:5,700円(税込)
CCNA/CCNP
「CCNA(Cisco Certified Network Associate)/CCNP(Cisco Certified Network Professional)」は、ネットワーク機器メーカーCisco Systems社が認定するベンダー資格です。
CCNPはCCNAの上位資格となっており、2000年から日本語での受験が可能となりました。
公式サイト:CCNA Routing and Switching
公式サイト:CCNP Routing and Switching
データベースエンジニアが対象の資格
データベーススペシャリスト
「データベーススペシャリスト試験」はデータベースの設計担当者や管理責任者を対象とした資格です。日本国内のデータベース関連の試験では最難関とされており、概念や論理の設計といったシステム開発における上流工程でのスキルが重視されます。平成27年度の合格率は17.6%。
公式サイト:独立行政法人情報処理推進機構(lPA)
受験料:5,700円(税込)
ORACLE MASTER
「ORACLE MASTER(オラクルマスター)」はオラクル社の製品であるOracle Databaseの管理やOracle Databaseを操作するためのSQL文などを試験内容とします。
試験は4つのレベル(Bronze,Silver ,Gold,Platinum)に分かれており、Silver以降は世界共通の Oracle Certification Program による認定が与えられます。
公式サイト:ORACLE MASTER Oracle Database 11g
セキュリティエンジニアが対象の資格
シスコ技術者認定(セキュリティ)
「シスコ技術者認定」はCisco Systems社が認定するベンダー資格です。資格は5つのレベル(エントリー、アソシエイト、プロフェッショナル、エキスパート、アーキテクト)に分かれています。
公式サイト:シスコ技術者認定
公認情報セキュリティマネージャー(CISM)
「公認情報セキュリティマネージャー」は国家資格ではなく、ベンダーフリーの資格試験です。情報セキュリティ・プログラムの管理経験者のみを対象としており、受験資格はありませんが認定されるためには5年以上の実務経験が必要です。
公式サイト:ISACA東京支部/公認情報セキュリティマネージャー
情報セキュリティスペシャリスト
「情報セキュリティスペシャリスト」は情報セキュリティの技術的な専門性を認定する国家資格です。情報セキュリティに関する資格試験の中では国内最難関とされており、平成27年度の合格率は15.6%。
公式サイト:独立行政法人情報処理推進機構(lPA)
受験料:5,700円(税込)
Webデザイナーが対象の資格
HTML5プロフェッショナル認定資格
「HTML5プロフェッショナル認定資格」は国家資格ではなく、ベンダーフリーの資格試験です。HTML5,CSS3,Javascriptなどのマークアップの技術力を対象とし、2つのレベルに分かれている。合格点は非公開。
公式サイト:Web資格なら「HTML5プロフェッショナル認定試験」公式サイト
Webクリエイター能力認定試験
「Webクリエイター能力認定試験」は国家資格ではなく、ベンダーフリーの資格試験です。「HTML5プロフェッショナル認定資格」と同様にHTML,CSS,Javascriptを対象とし、2つのレベルに分かれています。比較的簡単な試験とされており、これからWebデザイナーを目指す人に最適。
公式サイト:Webクリエイター能力認定試験
受験料:スタンダード/5,700円(税込)、エキスパート/7,300円(税込)
ウェブデザイン技能検定
「ウェブデザイン技能検定」は、厚生労働省が認定する、Webデザイン関連唯一の国家資格です。検定は1~3級に分かれており、1,2級を受験するためには実務経験と下位の級に合格していることが求められます。
試験はウェブデザインに関する知識・技能、実務について、筆記試験と実技試験が行われ、70点以上で合格。
公式サイト:ウェブデザイン技能検定
受験料:3級/10,000円、2級/18,500円、1級/32,000円(すべて税別)
Webディレクターが対象の資格
Webディレクター試験
「Webディレクター試験」は国家資格ではなく、ベンダーフリーの資格となります。プロジェクトマネジメントやWebサイトの設計などを出題範囲とし、正解率70%以上で合格。試験の難易度は高くなく、2014年度の合格率は69.4%。
公式サイト:Webディレクター試験の概要
受験料:10,000円(税別)
Webアナリスト検定
「Webアナリスト検定」は国家資格ではなく、ベンダーフリーの資格となります。Google Analyticsを使ったアクセス解析やデータを元にしたプランニングの知識などを対象とした試験です。
試験は講座とセットになっており、講座を受講してから試験を受けます。合格基準は各カテゴリーで40%以上、かつ全体で75%以上正答することです。合格率は80%程度。
公式サイト:Webアナリスト検定 一般社団法人日本Web協会[JWA]
Webマーケッターが対象の資格
ウェブ解析士
「ウェブ解析士」は国家資格ではなく、ベンダーフリーの資格となります。ウェブマーケティング、ウェブ解析に関する知識と実務能力を検定します。初級・上級・マスターの3クラスに分かれており、上級・マスターは試験と講座がセットになっています。
公式サイト:WACAウェブ解析士認定講座
受験料:初級/17,280円、上級/86,400円、マスター/324,000円
まとめ
今回の記事は以上です。もっとプログラミング関連の資格があるのかと思っていましたが、意外とシステム系の資格が多いですね。もし、独学でWebエンジニアを学びたいのであれば、学習サービスを使って100万円を節約する方法をまとめたので、ご覧ください。