株式会社TABIPPOを創業して4年目になりました。起業や独立の相談を受ける機会も増えてきたので、最初の壁である3年間を乗り越えた記念として、起業してわかった14のことをご紹介します。
事業を立ち上げるより、事業を続ける方がはるかに難しい
面白いこと、斬新なことも思いつくようになりました。そこにビジネスモデルを当てはめて、事業計画を立てることができるようになりました。あとは自分の時間なり事業に突っ込めば、事業を立ち上げることはできます。
でも、難しいのはそこからです。事業を継続し、拡大するには立ち上げの何十倍ものコストがかかります。コストがあっても、様々な要因で尻つぼみになり、いつの間にか有名無実になっていることもあります。
考えるのは簡単。立ち上げるのもできる。でも、継続して大きくするって難しい。だからこそ、続けた先には未来が開かれるのでしょう。
バックオフィスと制度が整ってるってすごい
経費申請にはじまり、連絡網も採用担当も何もありませんでした。企業に勤めていた時は、様々なフローや条件が整っていることが当たり前でしたが、仕事を通して色々なことをする僕たちの要望をきっちりカバーしているってなんて凄いのでしょう。
企業活動を通して積み上げた事例はそれだけで資産です。TABIPPOでは、何か新しい仕組みが必要な度に立ち上げています。
全員の意見を調整すべき空気感がある
ベンチャー企業の定義はまだ無いようですが、仮に中小企業の定義で考えると、サービス業の場合は資本金額:5千万円以下 常時従業員数:50人以下を指すようです。(参考:経営ハッカー)
「経営陣と距離が近い」「風通しが良い」ことを社風としているベンチャーは多いはずで、そうなると「できる限りみんなの納得感を得た上で物事を決定」していかないと、「せっかくベンチャーに入ったのに権限がない…」となりがちです。
まず、どの大きさの決定だったらみんなの納得感が必要か、視座や前提となる知識の違いがある上でどう説明するかは悩ましい。
専門化が進むと口出ししにくくなる
立ち上げた頃はメンバーの技術も経験も大きく変わらないため、自分の担当外の仕事にもガンガン口出しをできていましたが、4年目になると「3年間、営業を続けたメンバー」と「3年間、営業から離れた僕」が話すときに、何となく気になったことを言いづらくなっていく。
これは信頼なのか、遠慮なのか。
思ったより伝わらないけど、思ったより気にされている
社内を不安にさせないように、気を遣って議事録や決定事項を共有しているつもりでも、実は全然伝わっていない。そうなると、「誰も僕の仕事なんて見てないんだ」とやさぐれますが、実は思ったよりも多くの人に、想像よりも深く関心を持たれています。
求められることは常に変わっていく
立ち上げ期の1~2年目と拡大期の3~4年目では、メンバーに求められていることが変わっていきます。現場の仕事をがむしゃらにやっていた頃から、より大きな改革、大きな改善が求められるようになりました。
人数が少なくても人間関係には悩む
仕事の悩みの大半は人間関係と言います。自分の会社ですから、全員の採用に関わっていますし、みんな好きです。だから、人間関係に悩むことなんてないと思っていましたが、そんなことはなかった。人間が3人以上いたら人間関係は発生しますね。
でも、捉え方次第だと気づく
人間同士の悩みは尽きないものですが、<実践>自分の小さな「箱」から脱出する方法を読んで何よりも「自分を裏切らない選択を続けること」が大切だと気づきました。
実際に起こったこと(事象)と自分が捉えたそれ(事実)は別もの。何よりも自分の心と行動をバラバラにしないように素直に。
メンバーに任せて全然平気、自分の力って大したことない
自分が10人いるのが最強のチームなんて思っている時期も実はありました。でも、フィリピンへ3ヶ月間留学してみると、自分が仕事の量を減らしてもチームの力はほとんど変わりませんでした。むしろ、増えたこともあります。
不安でも人にどんどん任せて大丈夫。
短期的な視点だと、飛躍はできない
別記事でもまとめましたが、目標を短期的なものに設定すると2,3年経っても大きな飛躍はできません。戦略にもよりますが、当月、翌月のことで消耗するのではなく、中長期的に会社の価値を向上させる方法を模索すべきでした。
参考:TABIPPOがビジョンを実現するために、どうしたらいいだろうか?
工夫なく1つのチームとしてまとまるのは6人まで
お互いの考えていることや性格がわかり、何もせずともチームとしてまとまれるのは実感として6人まででした。7人目以降からちぐはくしてました。
行動指針や制度、ルール、など組織を支える基盤となるものを作らないと崩壊します。3年目あたりは組織作りの山場でした。
システムの問題をメンタルでは解決できない
いくつかシステム的な課題があったのを、担当者が気合いと努力で何とかしようとしていたのですが、何ともならなかったです。
例えば、僕の場合(Webメディア担当)は記事の誤字脱字チェックをライターと編集の意識で解決しようとしていましたが、全く無理でした。きっとチェックツールやプラグインを導入すべきです。
世間=世界ではない
旅業界という小さな世界にいると、周りの人はみんな自分や自社のことを知っています。周りの人って、「自分の知っている周りの人」を指すことが多いので当然です。
一方で世界の人も日本の人も、渋谷区に限定したって、TABIPPOのことを知ってる人なんてほぼ0でしょう。
でも、期待してくれてる人がたくさんいる
世界から見たら僕らのことを知っている人はほぼ0ですが、期待してくれてる人がたくさんいる。期待を超えられるように、誰よりも楽しんで企業を続けよう。
今回の記事は以上です。成功の要因は色々ですが、失敗の理由は同じような場合が多いです。せっかく発信するなら、成功だけではなく失敗談も臆さずに公開していこうと思います。
スキルと仕事を組み合わせて「何者か」になるスラッシュワーカーズ
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