政府が主導する「働き方改革」の流れで、在宅勤務やリモートワークの推進が進んでいます。僕自身も海外中心のリモートワークを4年経験していまして、メリットはかなり大きいです。
リモートワークを導入する個人へのメリット
- 好きな場所で働ける(主に満員電車や渋滞が避けられることへの言及)
- 仕事の生産性を上昇させる余地が多い
- 在宅勤務や移動時間の短縮など働き方に幅が出る
- 服装自由
- 自分のペースで働きやすくなる
リモートワークを導入する企業へのメリット
- オフィスの備品や水光熱費、交通費などのコスト削減
- メンバーの生産性が向上する可能性がある
- 採用できる人材の幅が広がる(地方在住者や在宅勤務など)
- 従業員満足度が上がる可能性がある
個人と企業に対して、リモートワークについて上記のようなメリットが提示されることも多いですが、デメリットもあります。僕はコンサルタントやライターなどの面ではリモートワークで働く個人ですが、同時に株式会社TABIPPOの創業メンバーとしては企業側です。
これまでの経験を活かして、リモートワークのデメリットを個人と企業の観点で解説します。この記事がリモートワークの導入のギャップを減らせると嬉しいです。
リモートワークを導入する個人のデメリット
かなり孤独
チャットツールやメールでのコミュニケーションを除くと、リモートワーク中は丸一日誰とも話さないことがあります。オフィスが賑やかで話しかけられることを嫌がる人も多いですが、孤独に仕事を進めることも大変です。
また、周囲にメンバーがいないことは、自己管理をより徹底する必要もあります。出社時間や退勤時間に縛られていないリモートワーカーの場合、自由度が高すぎることを辛いと感じる人もいます。
オフィシャルではない情報を捉えにくい
「仕事は喫煙室で決まる」なんて言われたりもします。業務外でのコミュニケーションとノリで重要な情報が交換されて、方向性が決定するのはどの企業でもありえることです。僕の前職である広告代理店では喫煙者が多く、タバコ吸いながらの会話が羨ましかったので缶コーヒー片手に喫煙室に入ってました(非喫煙者なので)。
リモートワークの場合、チャットツールなどが導入されてもオフィスの外でのオフィシャルではない上方を捕まえることは難しくなります。飲み会でのやり取りも同様ですね。
実費の負担が増える
リモートワーカーはオフィスに行かないので、自宅での電気代や水道代、インターネット料金、またはカフェ代などの費用負担が増えます。
評価が成果に偏る
リモートワーカーの評価は、リモートワーク導入以前に比べて過程よりも成果に偏ることです。理由はリモートワーカーが業務をしている様子を評価者が見る機会が減るためです。
「日本企業的だ」と批判されることも多いですが、夜遅くまで仕事をしていることを評価する傾向が強い会社であると、リモートワークが不利に働く可能性はあります。
リモートワークを導入する企業のデメリット
直接的なコミュニケーションの減少
オフィスワークに比べて、リモートワークでは直接的なコミュニケーションは減少します。特にマネージャークラスで部下がいる場合、勤務中の様子を伺うことができないことをデメリットと感じることがあります。
ツール費用やシステム費用の増加
企業にとって、リモートワークの導入はオフィス関連の費用や交通費などを削減できる一方で、リモートワークを成立させるためのツールやシステムの導入費用がかかる可能性があります。
セキュリティが不安定になる
特に大企業や非IT企業がリモートワークの導入を断念する大きな理由がセキュリティです。例えば、会社のPCを持ち出し禁止、かつ会社のPCでしかアクセスできないグループウェアがある場合は実質的にオフィスに縛られているためリモートワークは不可能です。
また、オフィス外でのWiFiの利用はセキュリティリスクがあるため、会社のポケットWiFiのみでアクセスが可能などの制限がされていることも。
会社の求心力が弱まる
オフィスという場所のメリットがなくなると、従業員から会社への依存度が減るため、求心力が弱まる可能性があります。それでなくとも、顔を合わせることが減ると、経営陣からメンバーにメッセージを伝える機会が失くなっていきます。
カリスマ社長に率いられるスタイルや全社一丸となって勢いよく働く!という社風の場合、リモートワークの導入によってメンバーとの距離が離れてしまうことはリスクです。
まとめ
個人目線と企業目線でのデメリットは以上です。新しい働き方の導入にはデメリットやリスクがあるのは当然ですので、様々な検討をした上でメンバーにとっての働きやすさと優秀な人材の採用というメリットが上回るかどうかが決断のポイントです。
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