ノマドワーカーの増加に伴い、リモートワークをしながら海外に長期滞在できる「ノマドビザ」の注目度が高まっています。ノマドビザの種類や取得方法について、関心のある方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ノマドビザの取得方法や、2024年最新のノマドビザを発行しているすべての国、ノマドビザを利用する際の注意点について解説します。海外でノマドしたいという方の参考になれば幸いです。
ノマドビザとは
そもそもビザのことがよくわからないと思っている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。ビザとは、渡航先の国に事前に申請し、審査を経て発行される「入国許可証」です。
日本では、査証とも呼ばれています。渡航希望者の身元を事前に審査することで、自国の安全を確保する目的です。
ノマドビザの概要
ノマドビザとは、リモートワークを行うノマドワーカーが、特定の国で一定期間滞在しながら働くために取得するビザのことです。ノマドビザの最大の特徴は滞在期間の長さで、国によりますが、6ヶ月から最大5年間滞在して働くことができる点になります。
ただし、ワーキングホリデーとは異なり、収入は原則として滞在国以外から得ることが求められるため、ノマドビザでは現地の企業に雇用されて働くことはできないので注意が必要です。
ノマドビザの取得条件
ノマドビザの取得条件は、発行している国によって異なりますが、一般的に以下の項目が含まれています。
- 有効なパスポートがある
- 滞在国外からの安定した収入がある
- 滞在国以外の企業とリモートワークで仕事している
- 有効な健康保険の加入している
- 滞在国での住所証明がある
- 無犯罪の証明がある
ノマドビザを取得するのにパスポートの有効期限が◯ヶ月以上必要といった条件が設けられていることがあるので注意が必要です。また、リモートワークの証明として、雇用契約書や自営業者の場合は事業証明などの書類が求められます。
ノマドビザの取得方法も国によって異なりますが、一般的に以下の流れです。
- 必要な書類を集める
- ビザ申請や必要書類をオンライン提出or大使館に提出
- ビザ申請の審査を待つ
- 追加書類が必要な場合は、追加で提出する
- ビザが承認され、入国
ビザの条件や発行にかかる所要時間、有効期間は国によって大きく異なるため、申請前に各国の規定を確認することが必要になります。
ノマドビザを取得するメリット
ノマドビザの一番のメリットは、法的に長期滞在が可能になり、好きな国で自由に働ける点です。また、物価が安い国に滞在することで、生活コストを削減できるでしょう。
さらに、現地で銀行口座を開設できる国もあるため、金融取引もスムーズに行えます。
ノマドビザを取得するデメリット
ノマドビザを取得するデメリットとしては、二重課税のリスクがあり、税金を滞在国と母国の両方で支払う可能性があることです。
また、滞在国の医療サービスの質が劣るケースがあり、健康面に関して不安を抱えたり、困ったりするケースが発生するかもしれません。
【2024年最新版】ノマドビザの発行国一覧
2024年5月現在、世界50カ国がノマドビザを発行されています。
アジア
- 日本
- 韓国
- 台湾
- タイ
- インドネシア(バリ)
- マレーシア
※準備中:スリランカ、ゴア(インド)、フィリピン
中東
- アラブ首長国連邦(ドバイ、アブダビ)
ヨーロッパ
- アイスランド
- イタリア
- アルバニア
- エストニア
- キプロス
- ギリシャ
- クロアチア
- ノルウェー(スバルバード諸島)
- スペイン
- チェコ
- ドイツ
- ハンガリー
- ポルトガル
- マルタ
- ルーマニア
- ラトビア
※準備中:アンドラ、北マケドニア、セルビア、モンテネグロ
※廃止:ジョージア
アフリカ
- カーボベルデ
- セーシェル
- ナミビア
- モーリシャス
※準備中:南アフリカ
カリブ海
- アルバ
- アンギラ
- アンティグア・バーブーダ
- キュラソー
- グレナダ
- ドミニカ
- バハマ
- バミューダ
- バルバドス
- モントセラト
- セントルシア
- ケイマン諸島
中南米
- アルゼンチン
- ウルグアイ
- エクアドル
- エルサルバドル
- コスタリカ
- コロンビア
- パナマ
- ブラジル
- ベリーズ
- メキシコ
- ベリーズ
ノマドビザで長期滞在できるおすすめの国5選
以下では、ノマドビザで長期滞在できるおすすめの国を5つご紹介します。
韓国
韓国は、ソウルや釜山など活気ある都市と美しい自然が魅力の国です。特にK-POPや韓国料理、伝統文化が楽しめる点が人気です。
物価は日本と比較してやや低めで、生活コストを抑えながら快適に過ごせます。英語を話す若者も多く、コミュニケーションに困ることは少ないでしょう。
ビザの正式名称 | ワーケーションビザ (Workcation Visa) |
申請手数料 | 申請場所により異なる |
申請方法 | 大韓民国大使館・総領事館を通じて申請 |
現地滞在可能期間 | 1年間有効。1年間の延長が可能 |
必要書類 |
|
タイ
インドネシアのバリ島は、美しいビーチや豊かな文化、美味しい料理で知られ、多くのノマドワーカーを魅了しています。物価が安く、生活費を抑えながら快適に過ごせる点も魅力です。
バリ島はコワーキングスペースやカフェも充実しており、リラックスしながら効率的に仕事ができます。
ビザの正式名称 | E33Gビザ(リモートワーカーキタス) |
申請手数料 | 約13万円〜15万円 |
申請方法 | 各ビザ取得代行エージェント |
現地滞在可能期間 | 最長1年間 |
必要書類 |
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メキシコ
メキシコは、美しいビーチや豊かな文化、多彩な料理でノマドワーカーに人気の国です。特にメキシコシティやプラヤ・デル・カルメンなどの都市は、活気に満ちたライフスタイルとリーズナブルな物価が魅力です。
ビザの正式名称 | 一時居住者用査証(Temporary Resident Visa) |
申請手数料 | 無料※日本人の場合 |
申請方法 | 下記の情報をagendajpn@sre.gob.mx宛にメールにて送信し、面接を行う
|
現地滞在可能期間 | 最長4年間(一時居住者用査証の有効期限は180日。メキシコ入国後30日以内に居住する地域のInstituto Nacional de Migraciónにて在留カードを取得すると4年以下の滞在可能) |
必要書類 |
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マレーシア
マレーシアは、魅力的な都市部と豊かな自然が共存する国で、特にクアラルンプールやペナン島が人気のエリアになります。英語が広く通じるため、コミュニケーションが容易で、生活の利便性が高いのもポイントです。
また、物価が低く、快適な生活を維持しながら経済的に余裕を持つことができます。
ビザの正式名称 | De Rantau(デ・ランタウ) |
申請手数料 | RM90/3カ月 RM360/1年 |
申請方法 | MDEC(マレーシアデジタルエコノミー公社)にて提出 |
現地滞在可能期間 | 3~12ヵ月(最長24ヵ月まで延長可能) |
必要書類 | フリーランスとリモートワーカによって異なるため、こちらをご覧ください。 |
引用元:マレーシア政府観光局
ノマドビザを選ぶポイント
以下では、ノマドビザを選ぶポイントを3つ解説します。
ビザの条件
滞在可能期間と経済証明に注意することをおすすめします。国によっては、健康保険の加入が必要な場合があるでしょう。
ノマドビザを取得する目的を明確にして、自分の生活スタイルや仕事の状況に合った国を選ぶことが、快適なノマドライフを送るための鍵となります。
住みやすさ
ノマドビザを使用して長期滞在をするため、通常の旅行とは異なり、住みやすさが重要になります。安定したネット環境が整っているか、生活コストが自分の予算に合うかを考えるようにしましょう。
言語は現地でのコミュニケーションに直結するため、ある程度理解できるかが重要です。
観光が充実しているか
ノマドワーカーは仕事の合間に観光や文化体験を楽しめるため、魅力的な観光地やアクティビティがあるかどうかは大きな要素です。観光施設やアクティビティが豊富で、安全で快適に滞在できる環境が整っているかを確認しましょう。
ノマドビザを利用する際の注意点
以下では、ノマドビザを利用する際の注意点を3つご紹介します。
ノマドビザの期限
ノマドビザには有効期限が設定されており、その期間内に滞在することが求めらるでしょう。期限切れの場合、滞在が違法となり、罰則が課される可能性があります。
したがって、滞在期間やビザの更新手続きについて正確に把握し、期限が近づいたら早めに対処することが重要です。
税金の管理
現地での税金申告や納税が必要かどうかを把握し、自国と滞在国の間に二重課税防止協定があるかを確認しましょう。必要であれば、適切な手続きを行い、税務義務を遵守する必要があります。
税務上のトラブルを避けるためにも、事前に十分な情報収集と準備が必要です。
社会保障制度の適用
滞在先の国の社会保障制度が自国と異なる場合、健康保険や年金などの制度についても異なる可能性があります。滞在国での医療や年金に関する権利や義務を理解し、必要に応じて私的な保険や補足的な年金制度を検討しましょう。
ノマドビザを利用して、理想のノマド生活を手に入れよう
本記事では、ノマドビザの取得方法や、2024年最新のノマドビザを発行しているすべての国、利用する際の注意点について解説しました。ノマドビザを取得するためには、十分な情報収集と計画が重要です。
ノマドビザを利用して、好きな国に好きなだけ滞在する理想のノマド生活を実現させましょう。
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