ノマドワーカーに向いている職種40選をノマド歴10年・100ヶ国訪問したノマドが解説します

  • 2024.02.29

ノマドワーカーに向いている職種について、あなたはいくつ知ってますか?知らない仕事はどんなに自分に向いていても選ぶことができません。そこでノマド歴10年、約100ヶ国を訪れた筆者が、旅行と仕事を両立しながら生活するノマドワーカーに、向いている職種について徹底的に解説します。

後半でも自分にあったノマドワークの選び方も紹介します。質的にも量的にも、インターネット上で最も詳しい記事になりました。この記事さえ読めば、他の情報を探し歩く必要はありません。

 

目次

ノマドワーカーとは

ノマドワーカーとは

ノマドワーカーの語源と意味

「ノマド」という言葉の辞書上での意味は「遊牧民」「流浪の民」です。これらから派生し、現代では「場所に縛られず、移動しながら生活をする人」を「ノマド」や「ノマドワーカー」と呼んでいます。

ノマドワーカーと聞くと、フリーランスをイメージするかもしれませんが、実際には会社員や自営業者、起業家などさまざまな働き方をしている人おり、「働き方」ではなく、定住せずに場所を移動しながら生活する「ライフスタイル」を指す方が正確です。

 

ノマドワーカーの働き方

ノマドワーカーは旅行者と異なり、1つの町や国に1週間、1ヶ月、1年と長期の滞在が可能です。土地に暮らすかのように過ごすことができるので、仕事と観光をバランスよく両立することができます。

筆者も観光や睡眠には十分時間を取っています。しっかりと観光したい町や、じっくりと暮らしたい国に滞在する場合は、余裕を持ってスケジュールを組めるのがノマドワーカーの大きなメリットです。

 

ノマドワーカーの仕事場

ノマドワーカーをしていると、普段どこでどのように仕事をしているのか聞かれることもあります。筆者の場合は、8割が滞在先のホテルやAirbnbで仕事をしています。プラベートなスペースは静かで集中できる、温度の調整がしやすくて、安定したWiFiを確保できます。

1割がカフェやコワーキングスペース。残りの1割が移動中の空港やバスの中などです。ノマドワーカーとして場所に縛られずに働くためには、電源、PC、インターネットの3つが必須条件です。ノマドワーカーのインターネット事情については、Instagramでも紹介しています。

 

ノマドワーカーの収入事情

ノマドワーカーの職種と同じくらい、場合によっては最も気になる「ノマドワーカーの収入」について、筆者だけの一次データを紹介します。

 

ノマドワーカーっていくら稼いでる?

ノマドワーカーっていくら稼いでる?

厚生労働省の「国民生活基礎調査(’21年)」によると、日本人の平均所得の中央値は440万円でした。一方で海外ノマド56人に聞いた「海外ノマド入門」によると、海外ノマドの年収も日本人全体と中央値は同じくらいです。異なる部分は、年収1,000万円以上の割合が多い点です。なんと夢がある!

なお、回答者の約3割が300万円以下ですが、ノマド歴や社会人歴が浅い駆け出しのノマドワーカーや年齢が低い(20代前半)人がほとんどです。ノマド歴が長ければ長いほど、収入が多くなっていました。

 

ちなみに「ノマドを始めてどれくらいで生活費を稼げるようになるか?」という黒字、赤字の考え方は、収入の総額よりも実は重要です。黒字にさえなれば、ひとまず生活で困ることはありませんから。

生活してる場所の物価や本人の暮らしぶりにも大きく左右されますが、ノマドを開始してから6ヶ月くらい、早い人だと3ヶ月くらいで黒字になるのが平均的です。

Amazon.co.jp: 海外ノマド入門 ここではない場所で生きていく eBook : ルイス前田: 本…

 

ノマド歴10年の年収事情

では、ノマドを10年続けると収入はどれくらい変わるのか。筆者の場合は会社員時代の6倍くらいになりました。金額はだいたい世界一周4回分くらいです

収入に比例して仕事も6倍になったのか、というとそうではありません。観光や睡眠の時間は十分に確保できていますし、時間の使い方も自由になったので、むしろより暮らしやすいと感じています。

 

収入が気になる、仕事も大変で、将来も不安!という状態は、最初の1年ぐらいでした。軌道に乗ってからは、ほとんど収入について考えたこともなく「もし、急にお金がなくなっても、別の国に行けばいいか」と選択肢を持てたことは安心材料でした。

 

ノマドワーカーの末路

それでも「ノマドとしてお金を稼ぐ自信がない……」という方はいらっしゃると思いますが、筆者の周りで生活費を稼げなくてノマドを諦めた、ノマドを辞めたという話を聞いたことがありません。

 

ノマドを辞めて日本に帰国したり、会社員に戻った人はいますが、理由は「オフラインでのコミュニケーションが得意」「仕事をするメンバーと顔を合わせて働きたい」「誰かとチームで仕事をすることが好きだと気付いた」など。「ノマドの働き方と自分の理想が違った」ことが理由です。

やってみたら違ったから、別の方法にする。と実体験を持って決めた彼らの表情はとても明るく、清々しいです。

 

ノマドワーカーに向いている人

ノマドワーカーに向いている人

環境の違いを楽しめる人

ノマドワーカーに向いているのは、「新しい環境を楽しめる人」です。
世界中を旅するノマドワーカーは、母国語である日本語はもちろん英語すら通じない国や地域を訪れることもあります。

また、時差やインターネット状況など、日本とは異なる生活環境に適応しながら仕事をる進めることが求められます。こういった新しい環境を楽しめないと、不便な場所での滞在にストレスを感じ、ノマド生活が苦しくなってしまいます。

 

新しい人との出会いを楽しめる人

ノマドワーカーは新しい人との出会いも非常に多いです。出会いやコミュニケーションを楽しめる人は、ノマドワーカーに向いています。

他のノマドワーカーたちは適度な距離感を保って接してくれる人が多いです。
場所や時間に縛られない生活をしているため、一緒にいる時間が短く、人間関係はあっさりとしています。

人間関係でトラブルになる懸念が少ないのはノマドワーカーのメリットです。

 

大きな持病・健康上の懸念がなく元気な人

ノマドワーカーは場所に縛られない生活をするため、すぐにかかりつけの病院へ行くことが難しいです。そのため、大きな持病がなく健康的で元気な人が向いています。

ちなみに、突発的な怪我や万が一の事故に備えて、クレジットカードに付帯している海外保険やノマド向けの保険に加入しておくことは必須です。生活費を節約しても、保険にはしっかり払っておきましょう。海外の治療費は信じられないほど高くつきます。

 

ノマドワーカーに向いている職種の条件

ノマドワーカーに向いている職種の条件

ノマドワーカーに向いている職種の条件は3つあります。

 

オンラインで完結

1つ目は仕事がオンラインで完結していることです。ノマドライフのためには、仕事の受注から納品までを場所の縛りなく完了する必要があります。コロナ禍もあって世界のデジタル化がかなり進んだため、オンライン完結の仕事はかなり増えました。

しかし、まだ難しいものもあります。例えば、筆者は以前にFMラジオでパーソナリティーを務めていましたが、収録の際には東京にあるスタジオに行く必要がありました。日本に帰国するタイミングに合わせて収録日を調整してもらうことで成立させていました。とても楽しい仕事でしたが、ノマドワーカーには向いていません。

 

スケジュールが柔軟

2つ目は仕事に使う時間やスケジュールが柔軟であることです。

例えば、日本時間で必ず平日の朝9時から夜18時まで連続して取り組むことが求められる仕事だと、観光や移動の時間が確保できません。

例えばカスタマーサポート業のように即レス対応が必要な職種はノマドワーカーにはあまり向いていません。

 

仕事の需要が高い

3つ目の条件は、世間から需要が高い職種であることです。つまり、人気の職種であるほどに、オンライン完結で、スケジュールが柔軟な仕事を見つけやすくなります。

また、人手不足なら労働者側から交渉がしやすくなるため、少ない時間で高い報酬を可能性が上がります。生活するだけで、手間と時間がかかるノマドワーカーにとって時給の高さは重要です。

 

ノマドワーカーに向いている職種

ノマドワーカーに向いている職種

ライター系の職種

ライターの中でも、インターネット上に掲載する文章や記事を執筆する仕事はノマドワーカーに向いています。
ノマドワーカーの第一歩としても人気が高く、SNSでの発信や資料作成、仕事獲得の営業など、さまざまな場面で活かされます。ライターにならなくとも、ライティングは学んで損のない技術です。

 

SEOライター

ライター系の仕事の中でも最初に取り組む人が多いのが、「SEOライター」です。SEO(Search Engine Optimization)とは、検索エンジン最適化のこと。つまり、SEOライターはGoogleなどの検索エンジンで上位に表示される可能性が高い記事を書く仕事です。

「SEOなんて、知らんて!」と思われたかもしれませんが、SEOライティングの仕事はクライアントが作ったSEOに強い記事を書くためのマニュアルが共有されます。マニュアルに沿って執筆を行い、SEOライティングを身に着ければ問題ありません。初心者でも安心して始められる仕事です。

 

トラベルライター

トラベルライターは旅行先で訪れた観光スポットやホテル、グルメなどを文章で紹介する仕事です。

例えば筆者はフィリピンの東に位置するパラオという島国に1週間滞在し、旅行記事を書きました。SEOライターと比べ、文章だけではなく写真の提供も求められるのが、トラベルライターの特徴です。

 

旅行との相性が良く、旅好きなノマドワーカーには人気の職種ですが、移動や観光など執筆以外にもやることが多く、実は時給が伸びづらいです。ただ、楽しい仕事なのは間違いありません。

 

テクニカルライター

テクニカルライターは専門的な技術や知見に基づいて文章を書く仕事です。例えば、FXや仮想通貨の知識についてライティングする「金融ライター」や薬や医療についてライティングする「メディカルライター」などが存在します

仕事を通して各分野の知識を持っている人が、記事を執筆することが特徴で、金融ライターであれば証券マンやファイナンシャルプランナー、メディカルライターであれば看護師や薬剤師などが対象となります。

業界や現場での経験が必要な職種なので、ライター系の職種の中では高単価です。

 

ブロガー

ブロガーとは、ブログに広告を掲載し商品を紹介することで収入を得る仕事です。収入の上限がなく、ブログが有名になれば収入も増えていく可能性があります。
アフィリエイトやアドセンスを活用することで、自分のビジネスを展開する感覚が味わえます。

筆者がはじめて「旅を仕事にした」経験は、大学生ではじめた世界一周ブログです。広告からの収入は100円ぐらいでしたが「ブログ書いてるだけでお金がもらえた!」と感動したことを覚えています。

 

世界一周ブログから何度かリニューアルをして、あなたがいま見ているWebメディアになりました。海外旅行カテゴリーをご覧いただくと、世界一周ブログの名残があります。

スラッシュワーカーズ

履いてるワラジは多い方がいい。1人10職を実現する情報サイトです。…

 

YouTube放送作家

少し変わったライター系の仕事として、YouTube動画の放送作家があります。動画を制作するのではなく、動画の進行に必要な台本を書く仕事で、視聴者を最後まで飽きさせない台本を書ける作家が求められています。

筆者の知り合いで、NSC(吉本興行が運営するお笑い養成所)出身の芸人さんがYouTubeの放送作家を副業としている人がいます。「ネタをつくる人」なので、笑いを入れながら視聴者を楽しませる台本を作ることがやりがいだそうです。

 

作家

作家の収入源は書籍からの印税や雑誌への寄稿などです。「海外ノマド入門」を出版して分かったことですが、執筆自体は世界中で可能ですが、紙の選定や色味、装丁の確認などで「できれば国内にいてほしい」と言われたので、完全なリモートワークではなかったです。

「どうしても帰国できなくて、お任せします!文句言いません!」と完全に出版社に委ねてしまえば何とかはなった気はします。

 

ちなみに印税は本の売上に対して10%が相場なので、1200円の本なら1万部売れて印税が120万円です。安定的な収入を得るためには電子書籍なども組み合わせて収益を確保しつつ、次々と新作を発表できる販売実績や知名度が必要となります。

 

デザイナー系の職種

Webデザイナー

デザイナーといえば王道がWebデザイナーです。一般的にはWebサイトをデザインする仕事を指します。Webサイトには企業サイトやECサイト、LP(ランディングページ)などが含まれ、Webデザイナーごとに得意な分野が異なります。

スキルなしでWebデザイナーを始める場合、LPなどのページ数が少ない(LPは基本的に1ページ構成)サイトから徐々に大きなサイトに進んで、スキルをつけながら仕事を進めていくことが多いです。

 

イラストレーター

イラストレーターは、クライアントの要望に基づいて、雑誌や広告、Webサイトなどの媒体に使用されるイラストを制作する仕事です。作成するイラストの内容や複雑さ、納期に応じて料金が設定されます。

実績がない状態でイラストレーターをはじめる場合、SNSのアイコン1点で5,000円、名刺デザイン作成1点で10,000円ぐらいからスタートしていくのが相場です。

 

サムネイルデザイナー

サムネイルデザイナーはYouTube動画の表紙となるサムネイル画像を作る仕事です。ブログのアイキャッチ画像や、SNSで使用するバナー画像を作る場合もあります。YouTubeチャンネルには継続的に動画をアップロードする必要があるため、サムネイル画像の作成担当はチャンネルがある限り仕事が継続するのが大きいメリットです。

一方で、Webサイトが完成するとプロジェクト終了となるWebデザイナーや、一点物の作品を作るイラストレーターは仕事が継続しにくく、スタート段階の収入が安定しない傾向があります。

 

UI/UXデザイナー

UI/UXデザイナーは、ユーザーにとって使い心地のよいシステムやビジュアルを通じて、顧客の体験(User Interface / User Experience)をデザインする仕事です。

主にWebサイトやスマートフォンアプリのデザイン・システムを設計する仕事で、デザインに加えてマーケティングの知識を持っている人が多いです。例えば、商品があまり売れないECサイトに対して、ボタンの視認性をあげたり、ユーザーの購入心理をデザインする工夫や提案を行うことが仕事です。

 

動画編集者系の職種

YouTube編集者

YouTube編集者は言葉の通りですね、YouTubeの動画を編集する仕事です。サムネイルデザイナーと同じく、中長期に継続する仕事になりやすく、Webデザイナーと比べてデザインするものが小さいため、初心者のノマドワーカーに向いています。

また、動画素材をダウンロードしておけば、編集中はインターネットがなくても仕事ができるのもノマドワーカーに向いている職種です。

 

ショート動画編集者

ショート動画編集者はInstagramリールやYouTube Shorts、TikTokなどに投稿する縦向きのショート動画を作る仕事です。動画の長さが1分前後と短いため、1動画あたりの報酬はYouTube動画より少なくなります。

しかし、動画の長さが短いほど早く完成するため、編集→納品の流れをたくさん経験できるのが強みです。また、普段からショート動画を見ている人にとっては「良い動画」をイメージしやすいため重宝されます。

 

動画教材の編集者

動画編集系の職種の中で狙い目が、動画教材の編集者です。コロナ禍でオンライン学習が普及し、高校、大学や予備校、スキルアップのためのオンラインスクールなどで大量の動画教材が必要になりました。

YouTubeのエンタメ動画ではないので、動画を賑やかにするテロップや効果音などの加工は最小限で、シンプルな編集となります。一方で、動画教材という特性上、1本あたりの動画は60分や90分ほどでかなり長くなります。

必要とされるスキルレベルが高くないため、長時間の動画を黙々と丁寧に編集できる人が求められ、初心者でも取り組みやすい職種です。

 

YouTubeコンサルタント

YouTubeコンサルタントは、YouTubeを使って集客や販促をしたい企業に向けてチャンネルの運用や制作する動画の提案をする仕事です。簡単にいうと、YouTubeチャンネル全体の改善を行うアドバイザーです。

コンサル事業に近いため、実績や肩書を重視されます。例えば、広告会社で動画マーケティングをした経験や、自らがYouTuberとなってチャンネル運用の実績を作ってからYouTutbeコンサルタントになる方法もあります。

 

マーケター系の職種

マーケティングコンサルタント

マーケティングコンサルタントは企業のマーケティングをサポートする仕事です。プロフェッショナルな印象を持たれがちですが、簡単にいうと販促と集客のお手伝いをする仕事です。

スキルなしでも勉強する意思があれば、人手不足のベンチャー企業や中小企業に雇ってもらえることが意外とあります。実績のない状態でスタートする場合は、まず会社ブログを更新したり、商品紹介の資料を整えるような簡単な業務からでも喜んでもらえます。

 

SEOコンサルタント

SEOコンサルタントはSEOの知識を活かし、Webサイトへの集客増加や販売促進を実現する仕事です。依頼を受けた企業のWebサイトが特定のキーワードで、検索エンジンの上位に表示させるようにサイトの改善やコンテンツの追加などのテコ入れをします。

SEOの専門企業で実務を積んだ人の他に、Webメディアや個人ブログを運営している人がキャリアアップとしてSEOコンサルタントになるケースが多いです。

 

LSTEPマーケター

LSTEPというLINE公式アカウントを使ったのマーケティングツールの運用をサポートするLSTEPマーケターからマーケティングの仕事を始める人が増えました。

多くの企業が顧客にダイレクトに情報を発信するツールとしてLINEの導入に取り組んでいるため需要が高い仕事です。また、他のマーケター系の職種と比べて、業務範囲がLSTEPに限られるため、必要なスキルの習得が少なくて済みます。

 

デジタル広告運用者

デジタル広告運用者はGoogleやInstagram、Facebookなどの各種SNS、Webサイト、スマホアプリなどに掲載されるインターネット広告を取り扱うことが仕事です。広告の初期設定、広告に使う文章や画像の作成、運用結果のレポート作成、改善提案などが主な業務です。

 

広告運用者と他のノマドワークが大きく違うのは報酬(運用手数料と呼ばれます)が定額ではなく、定率であることです。業界の相場では、運用手数料は広告運用額の20%に設定されます。

つまり、1ヶ月間に100万円を広告に使えば、そのうちの20%である20万円が運用手数料です。運用額が500万円なら、手数料は100万円。1000万円なら200万円と伸び続けます。

 

マーケティングのデジタル化が進む中でデジタル広告運用者への需要は高いのですが、まだまだ供給が追いついていないので狙い目な仕事です。

 

広報

広報はプレスリリースを作成してメディアに送付したり、イベントの開催、SNS運用を通して、自社の商品やサービスの認知を高めることを目的とした仕事です。マーケティングコンサルタントよりも、実績やスキルが無い状態からスタートする人が多い印象です。

会社によってマーケティング担当と広報担当の役割は異なるのですが、マーケティングに比べて、広報の方が業務範囲がやや明確なため、企業側から依頼しやすいためだと推測しています。

 

代行系の職種

営業代行

ライターやデザイナーなど制作系の仕事をした経験がなく、会社で営業職の経験がある人におすすめしたいのが「営業代行」です。言葉の通り、会社の営業を代わりに行うことで報酬を得ます。時給での支払いもあれば、成果報酬のケースもあります。営業職の経験があれば、すぐにでもできる仕事です。

留学業界や保険業界などの場合は、営業職ではなくカウンセラーやコンシェルジュと呼ばれ、顧客の相談に乗りながら最適な商品を提案しながら申し込みに繋げます。

 

オンライン秘書

オンライン秘書は会社役員やフリーランスなどの秘書業務を代行する仕事です。スケジュールの調整、タスク管理や請求書の送付、入金確認などの各種庶務を請け負います。

エンジニアやデザイナーなどのクリエイター系の仕事を得意とする人たちは、庶務が極端に苦手なことがよくあります。組織で働いた経験のある人にとっては「誰でもできる仕事」でも、苦手な人にとっては「絶対にやりたくない仕事」です。

 

経理や人事などのバックオフィス部門で働いた経験がある人もちろん、営業職の人でもオンライン秘書で求められる仕事は一通りできるはずです。事務仕事をコツコツと進めることに抵抗がない人におすすめです。

 

オンライン経理

オンライン秘書を経理業務を特化した仕事がオンライン経理です。リモートワークで経理業務の代行を行います。ITツールの発展とコロナ禍によって、経理業務のペーパーレス化が進み、多くの企業でオンラインツールを使って経理作業を管理するようになりました。

特に少人数のベンチャー企業や売れっ子のフリーランスは経理の仕事はあるが、専門のスタッフを会社に雇い入れるほどではないケースが多いため、ちょうど良い仕事をしているオンライン経理を探しています。

 

SNS運用代行

SNS運用代行は企業や個人のX(Twitter)やInstagramなど各種SNSの運用を代行、サポートする仕事です。最近は特にInstagramの運用代行の需要が高く、次はTikTokの運用代行が来るんじゃいかと予想しています。

SNS運用代行の魅力は、日常から得た知見や得意なSNSをそのまま仕事に活かせる点です。また、SNS運用代行者はインフルエンサーとは限りません。自分のアカウントのフォロワーが少なくても、企業に信頼される提案ができれば仕事を依頼されます。

 

インフルエンサー系の職種

YouTuber

みなさんご存知YouTuberです。動画のジャンルやチャンネルごとに1再生あたりの収益は異なります。再生数で稼ぐのは年々大変になっていますが、他の仕事と組み合わせることで今でも十分可能性はあります。

例えば、Webデザイナーがデザイン技術について解説するYouTubeチャンネル。動画の再生数が少なくても、動画を見たクライアントから10万円の仕事を依頼されれば、売上10万円です。筆者のYouTubeを見ていただくと、再生数を目指さないスタイルが分かります。

YouTube

「好きな場所で、好きな時間に、好きな仕事を、好きな人達と」を目指す人たちに向けて、海外ノマドを実現する方法や海外旅行のノ…

 

インスタグラマー

著名人や芸能人だけでなく、一般人でも自身のInstagramを仕事にするインスタグラマーがいます。Instagram自体にはYouTubeのように収益を得る機能がないため、インスタグラマーはPRやアンバサダーとしての活動で収入を得ています。

筆者のInstagramの場合はフォロワー1,000人くらいからPRの依頼があり、1フォロワーあたり1円〜3円が相場となっています。YouTuber的な言い方をすると「案件」がインスタグラマーの仕事です。

 

ライバー

ライバーはSHOWROOM(ショールーム)や17LIVEなどのライブ配信アプリで収入を得ている人たちです。ノマドとしてさまざまな国で暮らす中で、ライバーが想像よりずっとたくさんいることに驚きました。

収入は視聴者からお金をもらう投げ銭だけでなく、ランキング上位者への報酬やライブ配信の時間に対する報酬など多様化しているため、ライブアプリを使ったさまざまな戦い方が生まれています。ちなみに、僕が出会ったライバーたちは元気でハツラツとしたお姉さんたちでした。

 

TikTokクリエイター

YouTuber、インスタグラマーに続く、第三のインフルエンサーです。TikTokで商品を紹介したり、TikTokLiveを使って、ライバーのように投げ銭で収入を得ることもできます。YouTube ShortsとTikTokは動画の様式がほぼ同じなので、YouTuberとTikTokクリエイターを兼任をしている人も多いです。

 

TikTokといえば、昔は若い世代向けのダンス・エンタメ動画が軸でしたが、現在TikTokユーザーの平均年齢は36歳。今後はYouTubeがたどった歴史と同じようにビジネスやライフハック動画など幅広い動画の需要が高まると予想されています。

まだまだこれから伸びしろのある分野の為、インフルエンサーを目指すならYouTubeを今から始めるよりも、TikTokに全力投球した方が勝率が高いと考えます。

 

講師・コーチ系の職種

オンライン講師

コロナ禍でオンライン学習が劇的に進み、リモート講師の需要が高まりました。自宅や仕事場にいながら、講師ができるので移動や待機の時間を節約できます。開始時間の15分前くらいからシュッと講義が始まります。

自分でイベントを企画し、講師や集客までをワンオペする場合もあれば、主催者に呼ばれて講師として出演するだけのこともあります。1講座あたり75分~90分くらいで講師への謝礼は1万円~くらいが平均です。

 

オンライントレーナー

オンライントレーナーはマンツーマンやグループでトレーニングの指導をする仕事です。
コロナ禍で需要が高まり、ヨガやストレッチ、筋トレなど様々なカテゴリのトレーナーがいます。

特にマンツーマンのパーソナルトレーニングは付加価値が高く価格設定も高いためオンラインであっても良い値段を払ってもらえます。

 

プロコーチ

個人に対してコーチングをする人をプロコーチといいます。対話やフィードバックを通して、個人の目標達成を支援します。ライフコーチング、キャリアコーチング、リーダーシップコーチングなどさまざまなコーチングがあります。

民間資格やスクールもありますが必須ではないので、誰でもプロコーチとして指導ができます。人と話すのが好きな人や面倒見が良い人に向いています。また、コーチングは3ヶ月や半年など時間をかけて改善をしていくため、継続的な収入に繋がります。

 

占い師

コーチングと裏表になっている職業が占い師です。コーチングよりもさらにディープで人に言いづらい悩みの相談に乗ります。恋愛相談がメジャーです。
心理学的な手法を使うのがコーチングで、統計学を扱うのが占い師です。

占い師の友人から聞いたところ、YouTubeやInstagramで集客をしている人もいますが、ココナラ経由の依頼が最も多いと言っていました。資格は不要で、こちらも人の話を聞くことが好きな人や面倒見の良い人にむいています。

 

コミュニティマネージャー

企業や個人が運営しているコミュニティを盛り上げるのがコミュニティマネージャーです。ほぼすべての対象がオンラインコミュニティで、イベントの企画や実行、参加者のコミュニケーション活性化、運営に必要な事務処理など業務範囲はかなり幅広いです。

また、コミュニティの規模や目的によっても仕事内容が変わるのが面白いポイントです。

 

エンジニア系の職種

WordPressエンジニア

全世界のWebサイトの43%がWordPressというCMS(コンテンツ管理システム)を使って作られています(※1)。ちなみに、いまご覧のサイトもWordPressで作られています。

企業が新しいサイトを作りたい時にまず検討されるのがWordPressで、書籍やYouTubeなどの教材、インターネット上でのトラブルシューティングも豊富にあるため、初心者でも取り組みやすいです。

※1 Usage Statistics and Market Share of WordPress, November 2023

 

Webディレクター

Webサイトのデザインを作るのがWebデザイナー。デザインをサイトに実装するのがWebエンジニア、WebデザイナーとWebエンジニアとチームを作って、プロジェクト全体の進行を管理するのがWebディレクターです。

Webサイトがスケジュール通りに完成するように調整したり、依頼主が希望するWebサイトになっているかを確認する役割を担います。Webディレクターはサイトを制作する専門家ではなくて良いため、会社でプロジェクトマネージメントの経験がある人は得意なことが多いです。

 

Studioエンジニア

Stuidoはコードが不要なノーコードツールの代表です。コードの知識やプログラミングの経験が少なくても、質の高いWebサイトを作ることができます。古い例えだとホームページビルダーのようなものです。

Studioに特化したWebサイト制作者のことをStudioエンジニアと呼びます。筆者が作った複業実現コミュニティ「スラッシュワーカーズ」の公式サイトもStudioで制作しています。

複業実現のスラッシュワーカーズ

器用貧乏で、飽きっぽいを武器にする。スラッシュワーカーズは不安定な時代を、複数の仕事を組み合わせて乗り越える人たちのオン…

 

WordPressエンジニアの仕事では、WordPress自体の機能に加えPHPやCSS、HTMLなどのコードを使ってWebサイトを作ります。大変です。一方で、簡単に素早くWebサイトを作れるのがStudioの強みですが、機能面ではWordPressの方が優秀です。

 

Shopifyエンジニア

ShopifyはStudioと同じくノーコードツールで、ECサイトを作れます。Shopifyの他にもノーコードのECサイト制作ツールはありますが、Shopifyは使いやすいため人気です。

通常のECサイトエンジニアと異なり、Shopifyを使ってできることだけを把握すればいいため、エンジニア初心者でも勉強しやすく始めやすいのが特徴です。

 

DXエンジニア

DXエンジニアとは、ITエンジニアの中でも特にDX(デジタルトランスフォーメーション))の推進を仕事にする人を指します。

例えば、紙やFAXといったアナログツールでの情報管理をデジタル化して、業務の改善を進めます。地方や中小企業などを中心にDX化が大きな課題となっていますので、ニーズはありますが会社ごとに課題が異なるためエンジニアとコンサルタントの役割を持ちます。

業務の効率化に情熱を持てる人が向いている職種です。

 

その他の職種

起業家

サービスや商品をつくり、事業を起こす人のことを起業家と呼びます。定義が広いので、フリーランス起業家、会社員起業家、主婦で起業家の人もいます。筆者の場合は、海外ノマド体験「ノマドニア」複業実現コミュニティ「スラッシュワーカーズ」などの事業を運営しています。

 

起業家の良い点は、売れた分だけ自身の収入が伸びるため、時給に縛られずに働ける点です。夢があります。悪い点は売れなかった場合、1円にもならないこと。タダ働きです。

ノマドワーカーの初期ではクライアントワークで生活費を黒字にし、余裕が出てきてから徐々に事業を立ち上げるのが王道です。

 

不動産オーナー

筆者が知っているノマドの不動産投資家は、自分で物件を購入し、Airbnbやシェアハウスとして貸し出している人です。現場での対応は難しいので、マネージャーを雇っていることが多いです。

賃貸物件だと民泊や又貸しがNGでオーナーの許可が下りない場合が多いため注意が必要です。日本に持ち家があるが、実際はあまり住んでいないノマドワーカーにとっても非常に相性の良い職種になります。

 

初心者ノマドワーカーが仕事を探す方法

これまではノマドワーカーに向いている職種を紹介してきました。それでは、職種を決めた上で、実績ゼロからどうやって新しい仕事を探せば良いのか。初心者ノマドワーカーが仕事を探す3つの代表的な方法を紹介します。

 

クラウドソーシングを使う

1つ目の仕事獲得はクラウドソーシングの利用です。クラウドソーシングとは、Web上で仕事を見つけられる場所のことで、仕事を依頼したい人とと仕事を受けたい人繋ぐ仲介業者の役割を果たします。

「ランサーズ」と「クラウドワークス」が二大クラウドソーシングなので、まずは登録して、どんな仕事があるのかを検索するのが第一歩です。

 

クラウドソーシングを使って仕事を取るための詳しいノウハウはこちらの動画講座でたくさん解説しています。

複業実現の「スラッシュワーカーズ」と海外ノマド体験「ノマドニア」

 

求人サイトから探す

2つ目の仕事を探す方法は求人サイトです。ベンチャーやIT企業ならWantedly、中小や地方ならIndeedに多くの仕事募集が掲載されています。検索条件で「未経験OK」や「リモートワーク可」などを絞り込めます。

 

また、クラウドソーシングとの大きな違いは「交渉できること」です。クラウドソーシングにおける募集は、仕事が細分化されて内容がガチっと決まっています。あくまでも仕事の募集。一方で、求人サイトはこんな仕事をできる人の募集なので、条件については依頼主が検討してくれる余地があります。

筆者の友人では最初は週3日の仕事をこなしつつ、少しずつ交渉して最終的にはリモートワークOKになった人もいます。

 

Facebookで決裁者にアプローチする

SNSを使って仕事を探しならFacebookがおすすめです。実践している人が少ないので狙い目です。仕事を見つけるためには、仕事を依頼する権限を持っている人と出会う必要があります。現代の日本においては男性、30代〜50代、会社の課長や部長クラスが決裁者です。主要SNSのユーザー属性を見ると、Facebookが最も決裁者の割合が多いです。

Facebookで最近の仕事を報告したり、興味がある仕事について投稿をしておくと、決裁者が仕事の依頼先を探すときに思い出してもらえます。未経験でも、熱意や人柄を理由に声がかかることも多いので、仕事を探すならFacebookを使わないと損します。

 

未経験から仕事を見つける営業手法について、より詳しく知りたい方はこちらでも解説しています。

複業実現の「スラッシュワーカーズ」と海外ノマド体験「ノマドニア」

 

ノマドワーカーに関するよくある質問

フリーランスとノマドワーカーの違いは何ですか?

よく混同されやすいフリーランスとノマドワーカーですが、言葉の定義が異なります。フリーランスと対比になるのは、会社員です。会社に雇われて給料をもらうのが会社員。自分で稼ぐ個人事業主のフリーランスです。

一方で、ノマドワーカーは働き方だけてなく、生き方(ライフスタイル)までを意味します。場所に縛られず働いている人の全員をノマドワーカーと呼びます。
そのためフリーランスのノマドワーカーもいれば、会社員のノマドワーカーもいます。

 

ノマドワーカーの現実は?

ノマドワーカーの暮らしぶりついて気になると思いますが、一言でいうとノマドワーカーは「在宅ワーカー」と同じです。

多くの会社員やフリーランスがコロナ禍では会社や仕事場に行かずに自宅でリモートワークをしていました。リモートワークをする場所が自宅なら在宅ワーカー。国内外のホテルやコワーキングスペースなどを拠点にすればノマドワーカーになります。

 

生活費についても必ず安くなるわけではありません。ヨーロッパやアメリカなど物価が高い国で、外食や観光を続ければ日本で暮らすより高くなることもあります。

 

ノマドワーカーのデメリットは?

孤独を感じやすい

ノマドワーカーのデメリット、1つ目は孤独です。友人知人となかなか会えなくなったり、仕事仲間とのコミュニケーションがオンラインになるため、ノマドワーカーの人間関係はコンパクトです。そのため、人間関係のトラブルは確実に減りますが、なんだか寂しいなーと言う孤独を感じやすくなります。

仕事終わりに同僚と飲みにいったり、職場で何気ない会話を楽しむことができません。筆者はあまり気になりませんが、ワイワイと仕事を進めるのが活力になるタイプの人は辛いかもです。

 

時差が辛い

海外で暮らすノマドワーカーは時差に悩まされます。ノマドの聖地ジョージアと日本の時差が-5時間。日本の10時がジョージアの5時ですので、日本に合わせて仕事をする時差としては-5時間がギリギリです。

筆者は現在ボリビアのスクレという街にいますが、日本との時差は-13時間。日本の10時はスクレだと前日の21時ですので、ほぼ真裏です。日本との打ち合わせは早朝や深夜になってしまいます。

どれほど技術が進化しても、時差の存在を否定することはできないため、工夫を重ね、負担にならないように対応するしかありません。

 

体調管理が大変

ノマドワーカーが暮らす場所を変えると、気温や気圧、天候や食べ物などの環境が変わります。特に赤道を超えた北半球から南半球への移動、またはその逆をすると季節が真逆になるので、身体に負荷がかかります。

渡航先の気温や天気を調べながら、心配な場合は余裕をもったスケジュールで無理せずに仕事と観光を楽しむことにしています。

 

まとめ

ここまで14,000文字!最後までご覧いただき、ありがとうございました。今回はノマドワーカーに向いている職種を紹介しましたが、仕事は知っていないと選べないので知識だけでも有利にはなります。

ただ、「さあ、ノマドワーカーを目指そう!」と思った時にに「自分にどの職種があっているか」確信を持って選べる人は少ないと思います。1ヶ月で10種類のノマドワークを体験できる「ノマドニア」では、海外でノマド暮らしをしながら、職業を体験することで、自分に合った職種を体験から見つけることができます。

やってみないとわからない。なら、やってみましょう!ノマドニアで。

1ヶ月で10職種を体験する海外ワークショップ「ノマドニア」

ノマドニアは世界6都市で開催している海外ノマド体験です。1ヶ月で10種類のノマド向け職業を経験することで、想像ではなく手…

スキルと仕事を組み合わせて「何者か」になるスラッシュワーカーズ

slash-workers

自由に自分らしく働くためには「スペシャリストになるしかない」と思っていませんか?それは間違いです。会社の寿命が短く、人間の寿命が長くなる中、1つの仕事だけで人生を支えることは難しくなりました。

これからは好奇心旺盛で飽きっぽく、器用貧乏でゼネラリストが必要とされる時代です。複数の職種を同時並行するスラッシュワーカーが増えています。

仕事の数が多いことはコロナ禍のような危機に強く、嫌になったら辞められる自由が手に入ります。これからの働き方を先取りしてみませんか?