ノマドワークを成立させるために、時間管理で工夫していることや心がけていること

  • 2023.09.26

海外ノマドとして毎月違う国で暮らしているルイス前田です。この度、世界中を旅する海外ノマド56人と「海外ノマド入門」を執筆しました。Googleで調べても載っていない、場所にとらわれずに働くノウハウが詰まっています。

辛いことも、泥臭いことも、海外ノマドの現実を正直に書きました。ぜひ、手に取っていただけたら嬉しいです。

 

さて、本記事ではここからが本番です。紙面の関係で、海外ノマド入門にどうしても載せきれなかった原稿がたくさんあります。

このまま、Google Driveに眠らせておくにはあまりにもったいないので、無料版「海外ノマド入門」として掲載します。

 

Webメディアだとスペースに制限がないので、原稿はできるだけ無修正です。ありのままの海外ノマドたちの想いや経験、知恵をお楽しみくださいー!はい、ここまでで導入は終わりです。

 

今回のテーマは「ノマドワーカーの時間管理の工夫」

海外や国内を飛び回りながら仕事をしているノマドワーカー。スケジュールが不規則になりがちだったり、日本と時差があったり、ノマドワーカーとして信頼してもらうには、時間管理がとても大事になってきます。

そこで、今回は海外ノマドも経験したことのある12人に「時間管理で工夫していることや心がけていること」を聞きました。

 

海外ノマド本の筆者、ルイス前田の場合

時間管理には①リソースとしての時間管理と②時差の管理が含まれると思っています。

①で課題になるのは、ノマドワーカーの場合は日ごとや週ごとに稼働できる時間がかなり違うことです。会社員のように月金で毎日9時間労働のような規則性が無いので、極端な時は1週間のアマゾンツアーに参加してずっと仕事ができないこともありえます。

対応としては締切が厳しい、短い仕事は受けないようにしています。「⚫️月⚫️日までに絶対に完了しないと関係者が困る仕事」ではなく「来月中に完了しておけばOKな仕事」を選びます。

例えば、Webサイトのリニューアルなどは期日がとても重要で遅れると致命的なので、受けません。受けられません。一方で、マーケティング戦略の策定などは期日よりも中身が重要なので、受けられそうです。

②の時差については、定期的な打ち合わせを減らして、チャットベースや報告書ベースにしてもらうことで乗り切っています。時差によって、打ち合わせの時間を調整してもらっていた頃もあったのですが、頻繁に時差が変わるたびに調整をお願いするのが気まずかったので、打ち合わせ自体を減らすという方向になりました。

ルイス前田
1人10職で83ヶ国を旅しているノマドワーカー。大学時にニューヨーク留学と世界一周を経験。旅仲間と一緒に株式会社TABIPPOを起業し、旅行メディアの編集長を務める。現在は株式会社スラッシュワーカーズの代表を務めながら、海外ノマド体験「ノマドニア」を世界5ヶ国で運営中。Twitter:@NY_ruisu Instagram:@louis_nomad

 

名古屋でカフェを経営するデザイナーノマドのAmiさん

現在のWebデザインの仕事も勉強も大好きで、永遠にPC作業ができてしまうのでやりすぎに気をつけています。土日や決まった休みが無いので、先に定休日を決めたり、人と会う約束を入れてオフの日を作るようにしています

日々の時間管理は、朝スケジュールを確認したり、ポモドーロタイマーで強制的に休憩を取って、簡単なストレッチをしたりします。

Ami
ジョージア拠点のWebデザイナー。その前は約3年間オランダに在住。WebデザインやWebデザイン講師、海外移住・フリーランス相談、YouTube「AMI HUIS」、地元名古屋でカフェと雑貨店経営など色々行う。観光よりもローカルな場所で暮らしながら旅をすることやカフェ巡りが好き。Twitter:@amihuis_ami

 

夫婦で世界中を旅している山田裕貴さん

全ての予定をGoogleカレンダーで管理しており、時差で対応ができないところは「時差のため対応不可」という予定をスケジュールに入れて業務委託先に共有しています。

また、スマホのカスタマイズで、ホーム画面に日本の時計を置いて今日本時間が何時かはすぐに見られるように意識しています。国を移動するときはまた時差が変わるので少し先の予定を立てるときはかなり気を遣ってスケジューリングしています。

山田裕貴
観光業界に4年間勤務。結婚を機に退職し、夫婦でノマドに。元々旅が好きで学生時代はアフリカ縦断、会社員時代は有休を使ってパプアニューギニアやチベットへ。将来の移住先を探すために世界中を「試住」している。現在はトルコやジョージアに滞在し、広告制作やSNSプロデュースを行う。Twitter:@yama3_local

 

大企業の会社員とルワンダ移住を経験した、ぴきちんさん

時差が12時間くらいある国(私が滞在したのはアメリカLA、メキシコ)では日本とミーティングの時間を調整するのが難しかったので、作業はするけどミーティングは時差の関係で難しいと伝えていました。

融通が効く仕事であれば無理をせず一定期間だけミーティング不参加という提案をしてみても良いかもしれません。

ぴきちん
国内外を旅しながら働いているフリーランス。リクルート、メルカリを経て、念願のアフリカ移住しルワンダで日本の中小企業の駐在員として働いていたが、コロナで緊急帰国しニート期間を経て旅するフリーランスに。マーケティング、営業、ドローンビデオグラフォーなど色々な仕事をしている。Twitter:@h723_

 

フォトグラファー・インスタグラマーの石井小百合さん

海外に滞在する場合は、あらかじめクライアントに伝えるようにしています。電話に出れる時間や、この日は返信が遅くなる、などを先に伝えて理解してもらっていました。

私の場合はオンラインでのミーティングなどがなかったので、メールやLINEを、返せるときに的確な返信をするという感じでした。相手もすぐに返信しなきゃ!と気負いすることがなかったようで、良い関係でいられました。

石井小百合
クリエイティブフォトグラファー。国内外のホテルや 企業のInstagramアカウ ントのディレクションや撮影に関わる。現在は、東洋医学を勉強中。著書に『太陽とハグするイビサ島ガイド』『GENIC TRIP スペイン・ コルドバ』。今後は出産フォトグラファー として海外も視野に入れて活動予定。Instagram:@sayubaby3181

 

広告代理店勤務で、会社員ノマドのすぎやまさん

会社員としてコアタイムが存在する身なので、日本との時差3時間ほどであれば朝早く起きて日本時間で仕事しています。その場合、現地時間のお昼過ぎにはコアタイムが終わるので、夕方~夜までは観光したりもしていて日本に居る時よりも時間を有効活用できている気がします。

しかし、5時間以上になると朝早く起きるのもしんどくなってくるので、日本で午前休を取得し、午後だけ稼働している勤務体系を取っていました。

最大で7時間時差で仕事していましたが、現地時間AM6:00(日本時間PM13:00)始業、現地時間AM10:00(日本時間PM17:00)退勤で2週間ほど仕事してましたが、お昼以降は自由な時間を過ごすことができていたので、仕事とそれ以外のメリハリが普段以上に意識できた気がします。

すぎやま
広告代理店に勤務しながら、メディア編集長を兼務する会社員。リモート勤務をいいことに各地を飛び回り、面白い人を探している。ヨーロッパ留学経験を基に各国の友人に会いに行っているので日本にいたりいなかったり。「場所にとらわれない働き方」 や「暮らしながら旅をする」がモットー。Twitter:@tabi_macska

 

Webエンジニアの一戸英理子さん

ミーティングがある日は移動しないようにスケジュールを組んでいます。また、どうしても移動とミーティングの日が重なった場合、事前に「遅れるかもしれないのでごめんなさい」と謝るようにしてます。

先に言っておくとだいたい許してもらえるのでおすすめです。そして、意外と遅れなかったりもするので信頼が逆に増えることもあります。他はできるだけミーティングできるように個室をとっておき時間調整がしやすい環境を整えておいたりもしますね。

一戸英理子
海外在住歴10年を経て帰国後、フリーランスを経てITの会社を立ち上げたノマド。たまたまITエンジニアとして就職した時に、周りに「どこにでも行けますね」と気づきを与えてもらい、その後は場所を選ばず働けるスキルを得ていることにメリットを感じて様々な場所で仕事をしている。Twitter:@EringoCebu

 

コミュニティマネージャーの畑山朱華さん

私の場合は夜遅くにもイベントやMTGなどの仕事が入ることがほとんどなので、毎日仮眠は必ずしています。フィジーは日本より3時間早いので、23時以降のイベントも多くあり、だいたい深夜2時近くまで仕事をしています。

次の日は朝9時から学校があるので、20分の仮眠を1日2回取るようにしています。仮眠は集中力の増強、記憶力の向上にも繋がるので、留学が終わった後も取り入れていきます。

畑山朱華
多様で複雑な「人」と「世界」を愛しているコミュニティマネージャー。「ストレス社会を軽減出来て、人が活き活きする仕事」を軸に、コミュニティ運営やコミュニティデザイン、ワークショップデザインに従事。コミュニティは平均して5つ運営し、月に10回以上のイベントを開催している。Twitter:@sshukaa

 

リクルート出身の編集&プランナーノマド、吉田恵理さん

基本的に日本時間にできるだけ合わせて働いています。ヨーロッパなら向こうの早朝〜お昼頃まで集中して仕事、午後は遊びにいくなど。あとは、ライティングのような仕事は好きな時間にできるので、そういった仕事の割合を多くすると気持ちが楽に働きながら移動できます。

あとは長時間フライトのタイミングは、クライアントにお伝えしています。あと、意外と知られていない細かいTipsですが、Googleカレンダー、メインとサブの2つのタイムゾーンを表示できるように設定ができるので日本と現地のタイムゾーンを両方表示させるようにしています

吉田恵理
フリーの編集&コンテンツプランナー、インフュージョンブランド「E CA QUI」ディレクター。リクルートで旅行やグルメ情報誌、Webの企画編集を経験した後ノマドに。今までで最も長く滞在した国はデンマーク。現在は日本文化を海外に発信するブランドを立ち上げ中。Twitter:@teri_riri

 

元公務員ノマドのあやかさん

まずは関わる人に理解を得ることが大事です。健康的な生活を送ろうとすると、どうしても日本時間でコアタイムだとしても、対応不可な時間帯も出てきます。そんなとき、説明して理解してもらう必要があります。(なんといっても健康的な生活は大事なので。笑)

他には、時差を間違えないために①スマホに複数の国の時間を常時表示させておく(ウィジット利用)②時差を含めた時間軸の表記アプリ使って時間を調整する③先方と時間調整のときには🇯🇵●時(🇬🇷●時)など間違えないように表示する

あやか
スキルゼロ、人脈ゼロ、営業経験ゼロから独立した、元公務員ノマド。現在はLINEを中心としたWebマーケティング事業を行っている。2022年2月から9ヶ月間、世界を7ヶ国ほど旅しながら仕事をしていた。旅先でのカフェ巡りが趣味で、今までに訪れた世界のカフェは約150ヶ所。Twitter:@uayk_iro

 

予備校勤務からWebデザイナーノマドになったharunaさん

できるだけミーティングを入れないよう心がけています。職業柄もありますが、ひとりで集中して作る時間が必要で、ミーティングが多いと制作の時間が削られてしまうし、時差や移動など気にすることも増えます。実際、ほとんどのことはチャットで完結できます。

また、ミーティング時間は30分や45分などで区切るようにし、話すべきこと・チャットでやりとりすることを分けるようにしています。自分の時間も相手の時間も大事にしたいです。

haruna
本業はWeb/UIデザイナー。その他、講師をやったり、文章を書いたり。新卒で予備校に就職し、21歳で独立。同時に家を手放し、アドレスホッパーに。現在はデザイン事務所や開発会社など複数の会社に所属しながら暮らしの拠点となる国を探し続けている。サウナとワインと音楽が好き。Twitter:@Haruna_F1207

 

イスラエル拠点のデザイナーノマド、しずかさん

クライアントを“少しずつ教育”することが大事だと思います。以前は、時間帯をなるべくクライアントに合わせていたので、夜中や早朝のミーティングが続いた結果、体調を崩したりしていました。

『移動や旅行のスケジュールは前もってクライアントに伝える。』『Googleカレンダーでスケジュールを共有する。』、相手も気づけば時差を気にしてコミュニケーションを取ってくれるようになりました。時差によるミスを防ぐために、スマホの世界時計とリマインダー機能は駆使しています。

しずか
キャリアも子育ても諦めない3歳児のママ。フリーのデザイナーをしながらスタートアップのCCO、イスラエルSaaS企業の日本進出の手伝いなどをやっている。パートナーはイスラエル人。フランス語と英語、日常レベルのヘブライ語が話せる。働く場所を選ばない利点を活かして、娘がもう少し大きくなったら世界旅行に行くのが目標。最近の興味はお金の管理。

 

書籍「海外ノマド入門」の中身を覗き見できます

書籍の詳細とサンプル

株式会社スラッシュワーカーズ(以下、スラッシュワーカーズ)代表取締役 ルイス前田の著書『海外ノマド入門』が、2023年2月中旬より全国書店・Kindleなどの電子書籍にて販売されました。「好きな場所で暮らせるようになりたい」と思って[…]

 

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