旅行以外に就活で特に語ることのない大学生:就職活動が始まってしまった。真面目に大学生活を過ごしてはきたけど、ユニークなことも、すごいこともやっていない。あえて話せるとしたら、趣味の海外旅行だけど、旅行なんてみんなやってるし。このままじゃどこにも受かる気がしないんだけど、どうしたらいい?
という質問に答えるために、僕が世界一周前に新卒採用を受けたら予想外な評価をされて、内定が出た話を紹介します。内定先は上場一部の大手企業でして、採用されるまでは旅行好きと一番相性悪い気がしてた業界なので、他業界にも汎用性があります。それでは、本題です。
そもそも、日本で就活できなかった
僕は大学3年生から4年生にかけてニューヨーク留学&世界一周していました。就職活動については、世界一周と日本での就職活動とタイミングが重なってしまいどうにもなりません。
そこで、世界一周前にボストンで開催される「ボストンキャリアフォーラム」という合同説明会&面接に参加することにしました。
ボストンキャリアフォーラムってなに?
ボストンキャリアフォーラムはボスキャリの通称で呼ばれ、例年10月の第3週に開始される、海外留学中の日本人学生向け就活フォーラムです。全3日間の日程で内定まで出すのが特徴で、僕が参加した時は約200社の採用チームが日本から採用活動に来ていました。
当時の参加条件は、日英バイリンガルで大卒予定であることだったので、留学中ではない日本在住の学生も就職活動の一環としてわざわざ日本からボスキャリに来ている人がいて驚きました。
» 2018年度ボストンキャリアフォーラム | CFN (CareerForum.Net)
エントリーシートは正直に書きました
ニューヨークから調べられる就職活動の情報はとても限られていて、正直エントリーシートって何だ?という状態です。初めての自己分析、業界研究などしてみたものの、日本の就活生と比べたらかなり出来が悪かったと思います。
ボストンキャリアフォーラムに出展していた約200社から5社を選びエントリーシートを送りました。通過したのは3社でした。
面接が始まる
エントリーシートが通過すると、次に人事部と1対1での面接が始まります。グループワークや集団面接はありません。でも、僕は世界一周をする前、留学も始まったばかりでした。旅への想いや、世界一周中にやりたいことは語れても、面接の目玉となるはずの「世界一周を通して感じたこと、経験したこと」などは全く分からないわけです。
「すごい話」は1つもできなかった
サークルやアルバイトの話も多少はできますが、大学一年生の時から念願だった世界一周の話が自分のことを伝える一番の話だ!と確信していたため、とりえあず準備や計画段階の話をしました。
世界一周をより面白くするために英語を勉強したり、旅に必要なお金を貯めたり、ゼミの教授を説得して卒業論文のスタートを遅くしてもらったり、両親に説明したりと、協力してもらったこと、準備したことを話しました。
もちろん、企業の話や業界の話もしましたが、正直インターネットで調べた以上のことは分からず、チグハグだったと思います。それでも、面接官の方はうまく僕の話を引き出してくれて、4回にわたる面接が終了しました。ちなみに3社中2社は1回目の面接で不合格でした。
「キミの計画力を評価しました」
結果は、なんと内々定。ボストンキャリアフォーラムに参加していた沢山の学生は、みな優秀そうに見えていたので、思わず「僕のどこを評価してくれたのですか?」と聞きました。
すると、「キミの計画力を評価しました」と。世界一周を実現させるまでの過程や、たくさんの人に協力を取り付けたことを買ってくれたそうです。
自分が考えもしないところを、採用担当は見ている
当時の僕は就職活動に対して「世界一周前に面接しても何も面白い話無いし、他の学生より抜きん出ることって出来そうにないよな」って悲観していました。でも、相手が自分の何を評価するかという視点はとても浅く、せめて就職を希望する会社のことを調べようとするのが精一杯。
しかし、採用担当は僕の背後にあることを見てくれていました。ちなみに、内定先は大阪ガスです。まさか超大企業である大阪ガスが「世界一周したいっす!」な男子を採用してくれるとは、ぶっちゃけ思ってませんでした。
でも、『大阪ガスがなぜボストンキャリアフォーラムに出展?大阪じゃないの?海外関係あるの?』という疑問がエントリーのきっかけなので、意外と相性は良かったのかもしれません。
旅人って、本人が気づいていない価値があるのかもしれない
そして、世界一周や長期のバックパッカーの経験者には、本人がまだ気づいていない価値や活躍があるのかもしれないと思いました。世界一周に行く前の僕ですら、これまでの人生では指摘されることのなかった新しい点を評価してもらったぐらいです。
他の旅人たちも、世の中で活かせる力がたくさんある。旅人が評価されて、ぴったりな仕事が見つかればすごくポジティブだし、旅が広まるキッカケになるかもしれない。そう感じてから4年経ち、ようやく旅人向けの就職支援サービス「旅人採用」を開始することができました。
旅人採用を使うメリットとデメリット
メリット
・旅行好き、海外経験を評価する企業を受けられるので、ミスマッチが少ない
・キャリアカウンセラーも旅行好きなので、強みや弱みの理解が深い
・バックパッカー、留学、ワーホリなどの経験を活かした就職活動ができる
デメリット
・紹介できる企業数に限りがある
・エントリーや登録、面談などにある程度の時間がかかる
・正社員の採用のみ
旅人採用に限らず、就職支援はサービスの特徴にマッチするかが大切です。思っていたのと違った!となると、お互いの時間がもったいないので、ぶっちゃけてメリットとデメリットをまとめました。
今回の記事は以上です。旅人採用に限らず、就職支援サービスを使うデメリットを考えていて気づいたのですが、利用者にお金がかかることはありません。そうなると、旅行や海外経験を大切にしていて、正社員として働くことを目指している場合は、時間を確保するのが第一歩ですね。