Web系の広告代理店で叩き込まれた計算式を解説します。広告代理店って、CM作ったりとか、キャンペーンやったりとか、さぞやすごいことやってると思って入社したら、向き合っている数式・数字はとてもシンプルでした。
売上: サイト訪問者数 × クリック率 × 購入率 × 購入単価
総売上:サイト訪問者数 × クリック率 × 購入率 × 購入単価 × 購入回数 × 継続率
この3式だけです。登場する数字は最大でも6つ。これらを最大化するために、日夜さまざまなマーケティングを実施していて、この式は本質なのでインターネットがどれだけ発達しても変わりません。
伝えるべきことはほぼ終わりですが、Webマーケティングの業界では専門用語が使われることがあるので、補足します。
Webマーケティングの計算式でよく使われる専門用語
impressinon
インターネット広告の表示回数のことです。人をベースに考えると、サイト訪問者数 × クリック率 × 購入率 = 購入者数となりますが、
広告をベースに考えると、インターネット広告の表示回数 × クリック率 × 購入率 = 購入数とも計算できます。
CTR
Click Through Rateの略で、クリック率のこと。広告ベースでの考え方なので、クリック数 / impression数で求めます。
CVR
Conversion Rateの略で、購入率のこと。Conversionは「変換」の意味で、CVとも略されます。こちらも広告ベースでの考え方で、CV数 / クリック数で求めます。
LTV
Life Time Valueの略で、1人の顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益のこと。例えば、Netflixの初月無料キャンペーンは、1ヶ月目だけを見るとNetflixが損をするだけですが、2ヶ月目、3ヶ月目と継続して利用されれば売り上げが生まれる、というLTVの視点が入っています。
3つの計算式の使い方
計算式に入る要素が購入数や売上を左右するので、広告やキャンペーン、サイトの改善などのマーケティング活動で、それぞれの数字がどのように変わったかを計測して、時には見極めながら改善していきます。
例えば、テレビCMが話題となって、サイト訪問者が10倍に伸びたとします。売上の計算式はこちらですから、
サイト訪問者数が10倍になって他の数字が変わらなければ、売上も10倍になるはずです。しかし、実際はCMを見てサイトを訪れた人は「CMで見たから何となくサイトを訪れたという人」から「CMで見て購入するつもりでサイトを訪れた人」まで多様です。
そのため、サイト訪問者数が10倍に増えても、クリック率や購入率、購入単価は通常時よりも下がる傾向にあるので、そのまま売上が10倍にはなりません。
さらに、この式で計算できるのは売上ですが、CMの放送にお金がかかっているので、利益を考えるとCMを放送しないほうが良いかもしれない、とも考えられます。
インターネットで売り上げを計算し最大化する式は3つだけ
このように数式は簡単でも本当にさまざまな要因が絡み合う中で、予想や経験や実績などをかき集めて、頭を振り絞ってベストな答えを考え続ける、というのがマーケティングの楽しいところで、大変なところです。