Webメディアの編集長をいきなり任された方:会社で新しくWebメディアを始めることになり、いきなり編集長として指名された!Webメディアの運営に詳しいわけではなく、不安でいっぱいだけど任されたからには頑張りたいと思う。編集長の知り合いもいないので、編集長ってどんな役割で何をすべきなのか知りたい。
という疑問にお答えします。
記事を読むと
・編集長が迷わずに動き出すことができる
・編集長にしかできない仕事を見落とさずに済む
試行錯誤しながら改善をすることも仕事ですが、初動の精度を上げることで余計な時間を短縮することができます。編集長の時間は貴重です。長って一人しか名乗れないので。
編集長としての4年間
僕は株式会社TABIPPOの創業から4年間WebメディアTABIPPO.NETの編集長を務めています。0から500万PVまでメディアを成長させ、編集部の構築やライターの採用、マニュアルの整備などの環境を整えてきました。おかげさまで多くのクライアントやライターに支えられながら、ユーラシア大陸を横断しながらメディアを運営するところまで安定しました
けど、2年目までは本当にやるべきことが分からずに、毎日業務に追われてました。今よりも相当ピリピリしてた気がします。あの頃の自分に教えてあげる気持ちで書きました。編集長にとって大切な仕事は5つです。
1. Webメディアの顔として外に出て行く
編集長なだけで何かが優れている訳ではないのですが、「長」なのでメディアを売るにはぴったりです。「社長」も同様だと思ってるので、TABIPPO代表のしみなおにはよく「社長外交�をしてくれ」って伝えてます。
諸先輩や有識者にTABIPPOの顔だと認識されてるのってやっぱり社長だし、旅祭やBackpackFESTAなどの大物ゲストのアテンドもしみなおがやってくれてます。
編集長が裏方に徹するメディアもありますが、採用やコラボ企画、新しいファンの獲得を考えると、外へ外へ出ていくことってすごく大切です。特にTABIPPOのようなオウンドメディアだとなおさら。
2. 編集長仲間を作る
TABIPPO.NETを立ち上げて1年後にハッキリと壁にぶつかりました。順調に伸びていたPVなどの数字もぱったりと止まり、個人ブログを運営していた頃の手法が通じなくなってしまいました。
よく考えたら、編集部というチームでの運営だし、目標としている数字も個人ブログの数百倍だし、同じやり方でうまくいく訳もなかったのですが、TABIPPOのSNSなどがある程度ボリュームがあったせいで、なまじうまくいって勘違いしてたんですよね…
調べても全然わからないし、思いつくことを総当りする予算や時間も足りないので「断られるかも…」ってビクビクしながら、たまたま知り合った先輩編集長に悩みを相談してみました。
3. 新しい技術・サービスについて調べる、実行する
VRやAIなどの最先端技術ではなく、LINE@やプッシュ通知などのちょっとした新サービスを見つけて、導入してみるのは編集長の仕事です。メンバーでは推進しづらいことを進めるために「長」の肩書きはある!
ちなみに、2,3ヶ月Webエンジニアとしての勉強をすれば、コード入れるだけの簡単な開発やテストはできるようになるので、スピードはさらに加速します。あと、エンジニアにお願いしなくて良いので気が楽です。
4. 読者との接点を増やす
自分のメディアは自分が一番よくわかっている!とは限りません。TABIPPOの場合は、メインの読者が18歳〜35歳の旅行初心者ですが、すでに僕は31歳。異国や冒険にただ興奮していたあの頃とは変わってしまいました。
年齢と経験を積んだ分だけ俯瞰的にメディアを見ることはできるようになりましたが、読者の方と話す機会はとても貴重です。僕の場合は自社イベントへの出演・懇親会を接点としています。
メディアの方向性やコンテンツに行き詰まりを感じたら、読者の声に立ち返りましょう。
5. メディアが薄味になることを食い止める
紙面や文字スペースの制限がないWebメディアでは記事や特集を際限なく増やすことが可能です。そして、メディアの歴史が長くなるほど、コンテンツは広がり、そもそも何のメディアなの?とブランドは薄くなりがち。そんな時に「うちのメディアっぽい」という一線を守るのは編集長の仕事です。
TABIPPOの場合は「お出かけ」と呼ばれる1日以内のコンテンツをどう扱うかがよく議論になります。現時点では、一部の例外(海外料理を食べる!海外系のフェスに行く!)などを除いて、お出かけコンテンツは扱わないという決定をしています。
しかし、検索ボリュームが多い領域なためメディアの成長だけを優先するならばやるべき。Webメディアのブランドという目には見えづらいものを、PVやセッションなどの目に見えるものと折り合いをつけるのは編集長の仕事です。
今回の記事は以上です。他にもやるべきことはたくさんありますが、編集長にしかできない大切な仕事をまとめました。ちなみに、編集長の仕事に気づくために、他の編集長のインタビューを読みまくったり、Webマーケティングを勉強しまくりました。