フリーランスと個人事業主の違いとは? 開業方法や税務制度などを初心者向けに解説

フリーランスと個人事業主の違い
  • 2024.05.26

近年「フリーランス」や「個人事業主」が増加傾向にありますが、フリーランスと個人事業主の違いを明確に知らない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。両方の違いを明確に理解しないと、働き方や税法上で不利に働くことがあるかもしれません。

本記事では、フリーランスと個人事業主の違いや開業方法、税務制度について解説します。平均収入や働き方の違いなども解説しているため、これからフリーランスや個人事業主を目指している方は、ぜひ参考にしてください。

 

ノマドニア編集部
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目次

フリーランスと個人事業主の定義の違い

フリーランス 個人事業主 定義

フリーランスと個人事業主は、それぞれの定義に違いがあり、対等に比較できるものではありません。定義の違いに着目してご覧ください。

 

フリーランスの定義

フリーランスの定義は、「特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、 自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人」です。個人事業主を含む独立して仕事をする働き方を意味しています。

引用元:フリーランスの現状認識と課題 | 一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会

 

個人事業主の定義

個人事業主の定義は「開業届を提出して個人で事業を行っている人」です。フリーランスは働き方を意味する言葉ですが、個人事業主は税法上の区分を意味する言葉になります。

 

会社員や法人との違い

会社員は、会社と雇用契約を結び、就業規則に従って働きますが、フリーランスや個人事業主は、働く時間や仕事内容など、個人の裁量にゆだねられています。

また、フリーランスや個人事業主と法人の違いは、税金の種類や税率が異なることです。個人事業主は利益が「所得税」、法人は利益が「法人税」となり、一定の所得を超えると法人税の方が税率が低くなります。

手続きも異なり、個人事業主は開業届けの提出のみ、法人設立には役所での手続きとそれに伴った費用がかかります。

 

フリーランスと個人事業主の違いを徹底比較

フリーランス 個人事業主 違い 比較

定義は理解できましたが、フリーランスと個人事業主はどのくらいの収入があって、どんな働き方をしているのか気になる方もいらっしゃるでしょう。

以下では、フリーランスと個人事業主を6つの視線から比較して解説します。フリーランスと個人事業主のそれぞれの違いを理解して、仕事をする際に困らないようにしましょう。

 

フリーランスと個人事業主の平均収入の違い

国税庁によると、令和2年度の個人事業主(事業所得者)の平均所得は約420万円とされています。

一方で、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の「フリーランス白書2023」によるとフリーランスの平均収入は、200万円以上400万円未の方が27.9%と最も多い割合を占めています。

 

フリーランスと個人事業主の働き方の違い

フリーランスは案件ごとに契約を結び、業務を行う働き方が多いです。案件を自分で選択することができるので、好きな場所で好きな時間に働くことができます。そのため、旅行しながら仕事をする「ノマド」という働き方を実現できるでしょう。

一方で、個人事業主は事務所や店舗を持つ方もいるため、働く場所と時間に制限がかかる場合があります。

 

税金の違い

フリーランスと個人事業主で、税金の種類や税率も変わるのでしょうか。以下で4つの税金について解説します。

 

所得税

所得税は、個人の所得(収入から経費を差し引いた金額)に対してかかる税金です。

1月1日から12月31日までの1年間の所得が48万円以上の方は確定申告を行い、所得税を支払う義務があります。所得税においては、「累進課税制度」が採用されており、所得が大きければ大きいほど税率が高くなります。

フリーランスと個人事業主による所得税の違いはありません。

課税対象の所得金額税率控除額
1,000〜1,949,000円5%0円
1,950,000円〜3,299,000円10%97,500円
3,300,000円〜6,949,000円20%427,500円
6,950,000円〜8,999,000円23%636,000円
9,000,000円〜17,999,000円33%1,536,000円
18,000,000円〜39,999,000円40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円

引用元:国税庁「No.2260 所得税の税率」

住民税

住民税は、フリーランスや個人事業主などの個人が都道府県と市区町村に支払う税金です。

所得に対して支払う「所得割」と、その都市に住んでいることでかかる「均等割」の2つで構成されています。  注意すべきポイントは、所得税が0円でも、住民税がかかるケースがあることです。

確定申告後に市町村から送られてくる請求書に従い、納税しましょう。

 

個人事業税

個人事業税は、各都道府県に支払うフリーランスや個人事業主、特有の地方税です。 所得が290万円を超えた部分に対して、事業の種類ごとに第1~3種まで定められた3〜5%の税率を課せられます。

個人事業税は業種によって税率が変わるだけではなく、作家や文筆業など、税率0%の業種もあります。

 

消費税

​​原則、以下のフリーランスや個人事業主は消費税の納税義務があります。

課税売上とは、消費税のかかる売上のことで、消費税の課税義務の有無の判定対象となるのは「2年前の課税売上」です。

したがって、起業後の2年間は原則「免税事業者」となるため、消費税の支払い義務はありません。ただし、前年の1月1日から6月30日までの課税売上が1,000万円以上の場合は、例外として消費税の納付義務が発生するので注意が必要です。

また、2023年10月1日から始まったインボイス(適格請求書発行事業者)に登録している方は、1,000万円を超えなくとも課税所得者になることが増えました。

年金の違い

フリーランスも個人事業主も国民年金に加入する必要があります。会社員の方は、厚生年金に加入しているため、フリーランスや個人事業主になる際は国民年金の加入手続きが必要となります。

 

確定申告方法の違い

年間所得が48万円を超えるフリーランスや個人事業主は確定申告が必要です。しかし、1年間の所得が48万円以下であれば、確定申告は不要です。確定申告に備えて、収入や経費の計算を毎月行いましょう。

所得が多くなってきた方は、Googleスプレットシートや、会計ソフトを使用することで効率化できます。

 

保険の違い

フリーランスや個人事業主は、加入していた健康保険(組合保険など)から国民健康保険へ切り替える必要があります。会社を退職したら、原則として退職日の翌日から14日以内に手続きを行うようにしましょう。

国民健康保険は、収入や地域により変動があるため、自身が納税する地域の保険料を事前に確認すると良いです。

 

フリーランスとして働くメリット・デメリット

個人事業主 メリット デメリット

上記で、フリーランスや個人事業主の定義の違いや税金の違いが明確になったかと思いますが、どちらが自身に向いているかわからない方もいらっしゃるでしょう。そこで以下では、フリーランスと個人事業主として働くメリット・デメリットを解説します。

 

フリーランスとして働くメリット

まずは、フリーランスで働くメリットを解説します。

メリット①仕事をする場所や時間が自由

会社に属さず個人で仕事をするため、好きな場所で好きな時間に働けます。海外からでも働きやすいため、ワーケーションやノマドなどの働き方も容易にできるでしょう。

 

メリット②自分次第で収入を上げられる

会社員などの給与所得者の多くは、仕事の成果が全て給与に直結するわけではありませんが、フリーランスは頑張り次第で収入アップが見込めます。

 

メリット③得意な領域に集中して仕事をできる

フリーランスは案件を個人で受注するため、得意なジャンル、仕事だけを選び、集中して働くことが可能です。ある程度のスキルを持っていることで、企業から重宝され、長期契約になる場合もあります。

 

フリーランスとして働くデメリット

次にフリーランスとして働くデメリットについて解説します。

デメリット①収入が安定しづらい

仕事の獲得ができなかったり、突然契約が打ち切られたりすることがあるため、収入が安定しづらいケースがあります。職業スキルや営業力により賄えるため、スクールや動画などで学んでからフリーランスになると良いでしょう。

 

デメリット②生活が不規則になりやすい

フリーランスは労働時間が決まっていないため、生活が不規則になりやすいです。また、納期に追われて徹夜を強いられることもあるかもしれません。自己管理を徹底したり、フリーランス仲間と切磋琢磨したりして、成果を出せる環境作りをしていきましょう。

 

デメリット③社会的信用が低くなる場合がある

フリーランスは、給与所得者に比べて社会的信用が低い傾向があり、住宅ローンの契約やクレジットカードの発行など、金融に関する審査で困ることがあります。

そのため、フリーランスになる前にローンやクレジットカードの発行をすることをおすすめします。

 

個人事業主として開業するメリット・デメリット

個人事業主 メリット デメリット

フリーランスにメリット・デメリットに続いて、個人事業主も解説します。

 

個人事業主として開業するメリット

個人事業主として開業するメリットは以下があります。

メリット①青色申告で最大65万円の節税が可能

開業届と青色申告承認申請書を提出すると、確定申告で青色申告ができ、「青色申告特別控除(10万円、55万円、65万)」と「青色事業専従者給与控除」で節税できます。

会社員の場合、節税するのは難しいため、個人事業主の大きなメリットと言えます。

メリット②事業用の銀行口座とクレジットカードを作れる

屋号を使用して事業用口座やクレジットカードを作成し、プライベート用と事業用のお金の区別をつけることができます。区別をつけることで、所得や経費の税務申告が簡単になります。

 

メリット③補助金や助成金を受けられる

個人事業主として事業を継続する際に資金調達が必要なケースがあります。開業届を提出し、個人事業主として活動していると下記のような、補助金や助成金を受けられることがあるでしょう。

 

個人事業主として開業するデメリット

続いてデメリットを解説します。

デメリット①扶養に入れなくなる場合がある

配偶者の扶養に入っている場合、会社の健康保険組合により「開業した時点で扶養から外れる」こともあれば「一定の収入を超えると外れる」こともあります。

扶養から外れると保険が自己負担になってしまうので注意が必要です。

 

デメリット②失業給付を受けられない場合がある

失業者として手当を受けている場合、開業届を提出することで事業主として事業を開始したことになり、給付の対象とならない可能性が高いです。開業届を出したにもかかわらず、失業給付を受けていると不正受給になりかねないため注意が必要です。

 

デメリット③確定申告を行う必要がある

確定申告の方法を学んだり、必要な書類を作成したりする必要があるため、仕事とは別で事務作業を行う必要があります。しかし、税務について学べるため実質的に金銭面や知識面でプラスになることも少なくありません。

 

個人事業主になるには

個人事業主 なるには

定義上、フリーランスと個人事業主は違いますが、税務上は同じことが理解できたかと思います。以下では、これからフリーランスや個人事業主を目指す人に向けて、仕事を始める方法を解説します。

 

開業届の提出をする

個人事業主になる必要な書類は「個人事業の開業届出書」のみです。開業届に必要事項を記入して、税務署に提出すると個人事業主になれます。

開業届は、最寄りの税務署で受け取るか、国税庁のサイトからダウンロードすることで取得可能です。

 

健康保険と年金の手続きを行う

健康保険(組合保険など)は国民健康保険へ切り替え手続きする必要があり、年金は国民年金への加入手続きが必要になります。原則として会社退職日の翌日から14日以内に最寄りの市区町村役場で手続きを行いましょう。

 

「フリーランス」は働き方、「個人事業主」は税法上の区分を意味する

本記事では、フリーランスと個人事業主の違いや税務制度、開業方法などについて解説しました。フリーランスは働き方、個人事業主は税法上の区分を意味するという違いを理解できたかと思います。

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