世界中を旅する海外ノマド56人が執筆した「海外ノマド入門」を発売しました。Googleで調べても載っていない、場所にとらわれずに働くノウハウが詰まっています。
辛いことも、泥臭いことも、海外ノマドの現実を正直に書きました。ぜひ、手に取っていただけたら嬉しいです。
さて、本記事ではここからが本番です。紙面の関係で、海外ノマド入門にどうしても載せきれなかった原稿がたくさんあります。
このまま、Google Driveに眠らせておくにはあまりにもったいないので、無料版「海外ノマド入門」として掲載します。
Webメディアだとスペースに制限がないので、原稿はできるだけ無修正です。ありのままの海外ノマドたちの想いや経験、知恵をお楽しみくださいー!はい、ここまでで導入は終わりです。
- 1 今回のテーマは「ノマドワークする上で困ったこと」
- 2 125ヶ国を訪れた女性ノマドのマリーシャさん
- 3 世界一周中のライターノマド、はっちーさん
- 4 ジョージア拠点のノマド女子大生、夢野さん
- 5 就職経験ゼロの新卒ノマド、木村拓也さん
- 6 広告用のショート動画を制作する、RYOMAさん
- 7 アートディレクター、料理研究家の市角壮玄さん
- 8 新卒NTTデータからノマドになった、岡村龍弥(シャンディ)
- 9 120ヶ国に訪問した、旅丸shoさん
- 10 Vyondアニメクリエイターで元車夫の飯田さん
- 11 夫婦で世界中を旅している山田裕貴さん
- 12 書籍「海外ノマド入門」の中身を覗き見できます
- 13 連載「海外ノマド入門」の続き
今回のテーマは「ノマドワークする上で困ったこと」
僕がいつも困っているのは「SMS認証」です。海外でノマド生活をしていると、普段使いのオンラインバンクや送金サービスなどの他に、バスや電車などの支払い用アプリなどで「SMS認証をしないと登録できない」という場合がよくあります。今日もアメリカのダラスで地元バスの支払いアプリに登録しようと思ったら、SMS認証のみでした。
「それなら海外の電話番号で登録すればええやんー!」と詳しい方は思ったかもしれませんが、SIMカードを使わずに現地SIMを使えるeSIMだと電話番号がついていないのが基本です。
そのため、eSIMの場合は日本の電話番号でSMS認証を突破しようとしますが、国によってはSMSが受信できない場合もあって、そうなると詰みです。どうかメール認証など電話番号を使わない方法が主流になってくれたらいいなぁと願うばかりです。
みなさんも長期の海外滞在をする場合は「SMS認証が残されていないか」「滞在先でSMSを受信できそうか」の確認をお忘れなく。
それでは、他にもさまざまな経験をしている10人の海外ノマドに「ノマドワークをする上で困ったこと」について聞いていきましょう。
125ヶ国を訪れた女性ノマドのマリーシャさん
圧倒的にWifi環境!世界一周となると島や村はもちろん、街でもWifiの弱い国はいっぱいありました。
旅をしに来たはずなのに一日中Wifiスポットを探していたり、節約したいのに高い宿に泊まったり、画像を15分かけてアップロードしてあと一歩のところで電波が切れたり。ブラジルで40時間のバス移動中に執筆しておき、やっとWifiを見つけたタイミングで原稿を送ったりしたことも。
あとは貴重品の管理!「安宿に置いておいて盗難されるか、持ち歩いて強盗に遭うか」などと、いつもビクビクしていました。
マリーシャ
「やらない後悔」をしないために、30歳過ぎにして世界一周を始め125ヶ国訪問。2014年旅の出発と同時に「週プレNews」で旅の連載をスタート。コロナで世界の旅は中断し、結婚という人生の旅へ。現在は今後の旅やライフイベントとキャリアのバランスなど、人生の歩み方を模索中。Twitter:@marysha9898
世界一周中のライターノマド、はっちーさん
快適な仕事場所を見つけることですね。早くて安定したWi-Fiが通っていても机がなかったり、パソコン作業しやすいスペースがあってもWi-Fiが不安定だったり、安定した通信環境と快適な作業スペースを確保するのがとても大変でした。
特に僕はがっつり旅をしながら働いていたので、移動するたびに作業場所を探すのがストレスになることもありました。カフェやコワーキングスペースもいいですが、おすすめは働きやすい宿に泊まること。周りを気にせず仕事ができるので、集中力が長続きします。
はっちー
世界一周中のフリーランスノマド。Webライターとして取材記事やSEO記事を執筆している。学生時代に女性不信に陥り、人生の目標だった結婚を諦めて旅に出る。アメリカ横断をきっかけに長期の海外旅行に目覚め、’22年8月から世界一周を始める。モットーは「人生大体何とかなる」。Twitter:@shuntech88
ジョージア拠点のノマド女子大生、夢野さん
1つ目はタスクとスケジュール管理の難しさです。納期が重なって仕事に追われたり、逆に何も仕事がない暇な日ができるなんてこともしばしば。自分で納期をコントロールできない場合が多いので、文字通り寝る間を惜しんで仕事をすることもありました。
2つ目はパソコンのスペックです。今までパソコンは大学のレポートを書く時くらいしか使っていなかったので、パソコンのスペックは気にしていませんでした。仕事で使うようになってからは容量が大きい動画を書き出すのに時間がかかって大変不便なので、日本に帰ったらまずはパソコンを買い替えたいです。
夢野
大学を休学して「ノマドニア」を卒業後、東欧ジョージアでノマド修業中の青学生。国内外問わず旅行が大好きだったため、旅しながら稼げるようになりたくて就活をやめる。学生をしながらフリーランス兼ノマドワーカーを目指している。時間にも場所にもとらわれない生き方を目指して模索中。Twitter:@07yum1
就職経験ゼロの新卒ノマド、木村拓也さん
仕事を受けすぎてキャパオーバーしてしまったことです。ノマドワーカーは、受ける仕事の量や労働時間をすべて自分で決める必要があるため、自分の能力を過信して手が回らなくなってしまったことがありました。
若いうちはそのような働き方でも良いと思いますが、ノマドワークとワークライフバランスを両立するためには、仕事の量をコントロールする能力も必要になってきます。いまではそれぞれの仕事にかかる時間の見積もりがだいぶ正確になったので、パンクすることは滅多になくなりました。
木村拓也
新卒でフリーランスになった就職経験ゼロ系ノマド。Webメディアのコンテンツマーケティングをしていたが、YouTubeマーケターに移り変わりつつある。40歳までにNPO法人を設立したいので自己研鑽に励んでいる。特に旅行が好きというわけではないので、海外に行っても引きこもりがち。Twitter:@Takuya_3003
広告用のショート動画を制作する、RYOMAさん
会社員を辞めていざ、ノマドワークをしようという決断をするまでが1番悩み困っていたことです。会社員を続けていれば辛くストレスも多いが、安定した生活ができるという環境がありました。それを捨てることに対してや、本当に自分が海外でノマド生活を続けられることができるのかという不安がありました。
ただ結果として、決断は間違っていませんでした。今の生活の方がよっぽど幸せに感じてます。
RYOMA
広告運用と映像制作をしている元サラリーマンノマド。大学卒業後、大手日用品メーカー営業職に就職。約3年間の勤務後、鬱状態になり休職・退職。その後ジョージアにてメインの職を変えながらノマド生活中。趣味は1人旅と、サッカー観戦。カタールW杯で現地観戦デビュー。Twitter:@otaryo14
アートディレクター、料理研究家の市角壮玄さん
時差。ヨーロッパでノマドしてると会議は深夜か早朝が多いので毎日のように会議をする案件の場合、体調管理が大変です。反対に日本のみなさんが寝ている間に作業して朝出来上がっているということが出来るので、作業系の仕事では時差が大きい地域は向いてるように思います。
大学の仕事で社会人学生に教えていますが、その場合はみんな仕事終わりからミーティングなので、むしろ時差があるほうが夜友達に会うことが出来るので便利。予め時差を考慮にいれてスケジュールを組むと良さそうです。
市角壮玄
世界を旅しながら、複数の仕事をして暮らす。HOXAI という名義でアートディレクターとして企業や自治体のデザインや映像制作をしたり、デザイン思考の講師をしたり。料理研究家や東京都の起業支援施設「SHT」の講師としても活動。BBT大学経営学部准教授。著書に『VEGESUSHI』。Twitter&Instagram:@hoxai
新卒NTTデータからノマドになった、岡村龍弥(シャンディ)
コワーキングスペースの営業時間が夕方までで夜あいていない場所が多いことには困ることが多いです。最近は24時間営業の無人店舗などもでてきましたが、夜の打ち合わせで静かで電源とWi-Fiがある場所を探すのには苦労することがあります。
またイベント登壇時など、カフェやコワーキングスペースはBGMがかかっていることも多いため、新しい土地で静かな条件がそろった場所を探すのにも苦労することがしばしば。
岡村龍弥(シャンディ)
合同会社ギルド代表。新卒で大手IT企業に入社後、2018年に世界一周。これまでに訪れた国は50ヶ国。「場所にとらわれずどこでも働ける人材の創造」を実現するためにオンラインでの業務を得意としたなんでも屋を起業。東京と大阪で旅人やノマドワーカーが集まるシェアハウスを運営している。Twitter:@Shandy_Life
120ヶ国に訪問した、旅丸shoさん
基本的に日本にいないので、何か書類を受け取ったりPR商材を受け取れなかったりすることが頻繁にあります。日本ではサインではなく捺印を希望されるクライアントも多く、日本に滞在していない場合はどうしても押印することができません。
そのため、本来であれば個人で受ける仕事も会社で受けるしかないという場合もありました。インフルエンサーとしてPR商材が受け取れずに契約に結びつかないというのも困りますね。
旅丸sho
2013年から世界一周の旅を開始し、旅中の記録を綴ったブログをきっかけにライターを開始。自由な生き方を求め、今も旅をしながらノマド生活をしている。地球5周、渡航国数は120ヶ国を超え、現在は貿易や旅行、マーケティングの会社を複数経営しながら旅を継続する「旅する経営者」として活動中。Twitter:@tabimarusho
Vyondアニメクリエイターで元車夫の飯田さん
私が大手企業との仕事を逃したエピソードです。企業から直接お仕事の依頼をいただき、ビデオチャットでミーティングをし、依頼が決まるタイミングでした。「秘密保持契約書を印刷して郵送で送ってほしい」との先方からメールが届きました。
私は海外におり時間がかかるため、できれば電子契約書にしてほしいと提案をしました。しかし会社のルールで無理とのこと。結果、依頼は流れてしまいました。
後日知ったのですが、契約書は日本郵便の『Webゆうびん』を使えば、海外から日本の企業へ紙の契約書を送ることができるのです。
飯田
世界を旅するVyondアニメクリエイター。高校3年間は動画制作と芝居に明け暮れていた。その後、嵐山と小樽で人力車の俥夫→バックエンドエンジニア→Vyondクリエイターへと転身。現在はバックパック1つで海外ノマドをしている。モットーは「未来の自分の感謝される」。Twitter:@iida_shi
夫婦で世界中を旅している山田裕貴さん
お客さんとのオンライン会議の途中でアザーン(イスラム教のお祈りタイムのお知らせ)が爆音で鳴り響いた時です。一通り資料の説明を終えた後に「後ろで男の人が大声で歌ってませんでしたか?気になりすぎて話が全く入ってきませんでした。」と言われました。
寛容なお客さんだったので笑い話で終えることができましたが、アザーンからは室内にいても逃れることはできないので解決法は今だにわかりません。
山田裕貴
観光業界に4年間勤務。結婚を機に退職し、夫婦でノマドに。元々旅が好きで学生時代はアフリカ縦断、会社員時代は有休を使ってパプアニューギニアやチベットへ。将来の移住先を探すために世界中を「試住」している。現在はトルコやジョージアに滞在し、広告制作やSNSプロデュースを行う。Twitter:@yama3_local
書籍「海外ノマド入門」の中身を覗き見できます
株式会社スラッシュワーカーズ(以下、スラッシュワーカーズ)代表取締役 ルイス前田の著書『海外ノマド入門』が、2023年2月中旬より全国書店・Kindleなどの電子書籍にて販売されました。「好きな場所で暮らせるようになりたい」と思って[…]
連載「海外ノマド入門」の続き
「海外ノマド入門」に載せきれなかった海外ノマド56人の原稿は今後も「海外ノマド」カテゴリーで定期的に更新します。好きな場所で暮らしたいすべての人へ届きますように。
・なぜ、海外ノマドになりたいと思いましたか?
・海外ノマドになることを決めたきっかけは?
・ノマドになる自信がないんだけど、まず何をすればいい?
・海外ノマドを親に反対されましたか?どうやって説得しましたか?
・海外ノマド8人が実践した「英語の勉強方法」
・海外ノマドになる前に絶対に身につけるべき「スキル」
・海外ノマドとして食べていくために「どんなスキルをどれくらい」磨くべきか?
・海外ノマドって「会社を退職してから出発まで何してた?」7人の体験談
・海外ノマドが仕事やプライベートで「退職前にやったほうが良かったことは?」
・ノマドになって生活費が稼げない間のメンタルはどうやって維持していた?
・海外ノマドが収入を増やすためにやっている8種類の「工夫や努力」
・海外ノマドになって「会社員またはバイトの収入を超えたのはいつ」?
・海外ノマドになって収入が減ることへの不安は?どう受け止める?
・ノマドになって最初の仕事はいくらもらえた?その金額に対してどう感じた?
・海外ノマドは毎月どれくらい貯金している?その目的や目標金額は?
・海外ノマドはどんな投資をしている?投資の目的や目標は?
・海外ノマドになって、最も収入の多かった月と少なかった月の差はどれくらい?
・海外ノマドになって一番大きな買い物はどんなもの?
・7人の海外ノマドが滞在先でのリアルな生活費を大公開!
・海外ノマドならでは!?盲点になりがちな意外と痛いノマドの出費
・大小さまざま。海外ノマド6人が教える「支出を減らす工夫」
・海外ノマド5人が気をつけている「お金との向き合い方」
・海外ノマド中の保険はどうしている?ノマド9人の実例
・0からのスタート。海外ノマドはどうやって仕事を得られる人脈を広げるの?
・仕事を得るのにSNSのフォロワー数は大事?海外ノマド7人の体験談
・海外ノマドとしての最初の仕事は?その後仕事の幅を広げるコツは?
・急に仕事が無くなった……その「理由」と「対処法」は?
・実は孤独!?海外ノマド8人が感じた「イメージとのギャップ」
・海外ノマドになって一番精神的に辛かったことは?7人の経験談
1ヶ月で10種類のリモートワークを海外に住みながら体験する「ノマドニア」
ちいさい子どもは習い事や遊びなど、さまざまな経験を経て自分の好きや得意を発見します。しかし、大人になるとそのような機会は失われてしまいます。
ノマドニアは「リモートワークで好きな場所で働きたい」という理想を叶える手段を見つけるための職業体験と、海外移住の体験をみなさまに提供します。