日本だけでなく、世界的なWebマーケティングにおいて、すべてのWeb集客は「トリプルメディア」のいずれかに分類されます。
トリプルメディアとは
「トリプルメディア」は、Web広告業界やWebマーケティング業界で使われる言葉。企業が消費者と接する媒体(メディア)を、ペイドメディア、オウンドメディア、アーンドメディアの3つに分類したフレームワークです。
ペイドメディアはお金を払う(Paid)メディア。オウンドメディアは所有して(Owned)運営するメディア。アーンドメディアはユーザーから評判や言及を得る(Earned)メディアを意味します。
よく使われるWeb集客の手法をトリプルメディアで整理すると、こうなります。
- ペイドメディア(買うメディア):リスティング広告やSNS広告など
- オウンドメディア(所有するメディア):自社サイトや自社メディア、メールマガジンなど
- アーンドメディア(評判を得るメディア):SNSやブログ、YouTubeなど
SNS広告は、自社サイトは、Twitterは、と小さな手法で考えるのではなく、ペイドメディアとオウンドメディアとアーンドメディアをWeb集客にどう活かすのかを考えれば、それぞれの手法でやるべきことも決まります。
また、新たなWeb集客の手法が出てきても、トリプルメディアが理解できていれば、これまでの実績やノウハウを活かすことができます。技術の進歩や流行の動きが早いWeb集客の分野では、根本的な理解こそが大切です。場当たり的に対策すると、結果は出ません。
ペイドメディアでWeb集客する
ペイドメディアでのWeb集客=Web広告です。よく使われるペイドメディアの手法はGoogleやYahooが提供している「リスティング広告」や「リマーケティング広告」、次いで使われるのは各SNSが提供する「Facebook広告」や「Twitter広告」などがあります。
他にも「LINE広告」や「YouTube広告」など、ユーザーが集まるWebサービスやアプリには必ず広告が用意されています。
ペイドメディアでWeb集客をするメリット
ペイドメディアでWeb集客をするメリットは、すぐに効果が出ることです。お金さえあれば、オウンドメディアやアーンドメディアより簡単です。また、大量にWeb集客をすることができます。Amazonや楽天をはじめとした大きなWebサービスは必ずペイドメディアを活用しています。
ペイドメディアでWeb集客をするデメリット
デメリットは費用がかかり続けることです。ペイドメディアに支払うお金がなくなれば、Web集客の結果はゼロになります。
ペイドメディアの具体例
- リスティング広告
- リマーケティング広告
- ディスプレイ広告
- アドネットワーク広告
- Facebook広告
- Twitter広告
- Instagram広告
- LINE広告
- YouTube広告
飲食店ならぐるなびの有料掲載や、自分が運営していないWebメディア上での記事広告などもペイドメディアです。
オウンドメディアでWeb集客する
オウンドメディアでWeb集客=自社サイト運営です。自社サイトの中には、会社サイトやECサイトや社長ブログなども含まれます。オウンドメディアがペイドメディアと異なる点は、コンテンツの掲載や露出自体にはお金がかからないことですが、コンテンツを作る費用や手間はかかります。
2010年から2015年あたりのオウンドメディアブームの頃は、オウンドメディアが魔法の杖のように扱われていましたが、そんなことはないです。お金や手間があまりかからなく見えるだけで、結果を出すためにはそれなりに大変です。
オウンドメディアでWeb集客をするメリット
自社で運営しているサイトを利用するため、Web集客をコントロールできるのが魅力です。また、ペイドメディアはお金がなくなれば終わりですが、オウンドメディアの場合は自分たちで作ったコンテンツは資産として残り続けます。
オウンドメディアでWeb集客をするデメリット
サイト制作やコンテンツの作成には時間がかかります。また、頑張って作成したコンテンツが顧客に閲覧されるかどうかは不確定です。ペイドメディア(Web広告)も不確定な部分はありますが、ある程度の結果は出ます。オウンドメディアは頑張ったのに、マジで結果でない!って悲劇もあります。
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オウンドメディアの具体例
- コーポレートサイト(会社サイト)
- 特設サイト
- 自社のWebメディア
- 自社のブログ
- 自社のECサイト
- メールマガジン
以前はペイドメディアとオウンドメディアの2種類しかWeb集客の手法はありませんでしたが、2010年頃から第3のメディア「アーンドメディア」が急速に発達しました。
アーンドメディアでWeb集客する
アーンドメディアでWeb集客=口コミの創出です。SNSや口コミサイトや個人のブログなどに、ポジティブな評価や感想が掲載されるように働きかけます。
ペイドメディアやオウンドメディアと大きく異なる点は、コントロールできる範囲がごくわずかな点。ただし、現代は「広告やCMよりも、友人が勧めている商品を買いたい」と考える人も多く、上手に働きかけることができれば、少ない力で大きな結果を得ることが可能です。
アーンドメディアでWeb集客をするメリット
アーンドメディアでの発信内容はとてもリアル。良い評価を得ることができれば、自然な形で商品やサービスがPRされます。
また、SNS上での口コミの場合は、発信者の友人や家族、知人など、通常では接触することが難しい人たちにも情報が届くのがメリットです。
アーンドメディアでWeb集客をするデメリット
企業側がコントロールできずに、炎上や誤解を招いた表現が拡散されていくのがアーンドメディアのデメリットです。
ただ、炎上したくないからとアーンドメディアの利用を避けていても、日本人の35%がTwitterを利用し、26%がInstagramを利用しているので(*1)、企業から働きかけが無くても、ユーザーたちの発信は止められません。
どうせ止められないのであれば、少しでもポジティブな方向に企業努力をした方がWeb集客には有利です。
*1 【最新版】2020年3月更新。12のソーシャルメディア最新動向データまとめ
アーンドメディアの具体例
- LINE
- YouTube
- 口コミサイト
- (自社運営ではない)ブログ
- (自社運営ではない)Webメディア
- 掲示板
Amazonや楽天の購入者レビュー欄もアーンドメディアです。Google Map上での評価も飲食店や観光地にとって重要になってきました。
3種類のWeb集客 | まとめ
記事は以上です。Web集客について、より詳しく学びたい方向けにまとめ記事「Web集客を成功させる方法、メリット・デメリットを具体案を含めて解説」も公開しました。
ビジネスの成功にWeb集客は欠かせません。20代は98.7%、30代は97.8%、60代でも73.9%の人がスマートフォンを使い(*1)、全世代でのインターネット利用率は80.9%(*2)という数字を踏まえると、インターネットを使えば日本人[…]
担当者の知識で大きく結果が変わってしまうのがWeb集客なので、学びと実践を繰り返して成長するのが、Web集客の最大の攻略法です。覚えることが膨大なように見えますが、1つ1つ理解すれば大丈夫。