PEACEDAY2019で予防医学研究者の石川善樹さんと、石川さんの共同研究者である北川拓也さんと対談しました。
石川善樹さんプロフィール
広島県生まれ。東京大学医学部卒業後、ハーバード大学公衆衛生大学院修了。「人がより良く生きるとは何か(WELL-BEING)」をテーマとして研究し、常に「最新」かつ「最善」の健康情報を提供している。専門分野は、行動科学、計算創造学、マーケティング、データ解析等。
北川拓也プロフィール
1985年生まれ。高校時代に化学オリンピックで国内最優秀賞を受賞し、ハーバード大学に現役で進学。数学、物理学をダブルメジャーで専攻して最優等の成績で卒業。理論物理学者。現在の役職は、楽天株式会社執行役員、データインテリジェンス統括部 ディレクター、ECカンパニー CDO(チーフデータストラテジーオフィサー)&ディレクター
石川さんが日本におけるウェルビーイングの第一人者なので「WELL-BEINGで幸せな日本に」がトークテーマでした。
覚えている範囲での石川さんの発言と僕の解釈をもとに「ウェルビーイングでいるためにも努力と工夫が必要」と感じた話を紹介します。
ウェルビーイングとは?
対談前にウェルビーイングについて調べたり、石川さんのインタビューを読んだりしましたが、ウェルビーイングの定義は中々難しい。僕のウェルビーイングの定義は心身と社会的に健康であること、でした。
それ以上はわからなくて石川さんに直接お聞きしたら「人がありのままでいることを認めること、ですね。存在するだけで素晴らしい。そんな感じです」と。
自分を自分として認めてあげられる、そんな状態でしょうか。
ウェルビーイングの対義語はウェルドゥーイング
「言葉を理解するための方法としてオススメなのは、語源や対義語を考えることです。ウェルビーイング(WELL-BEING)の対義語はウェルドーイング(WELL-DOING)です。」と石川さん。
北川さんによると「僕も石川もどちらかというと、ウェルドーイング側の人間なんですよね。」と。
何となく分かる気がしました。僕もそのままであることを認める(ウェルビーイング)より、よりよく行動しようとする(ウェルドーイング)を続けてきたタイプです。
ウェルドゥーイングとウェルビーイングは両立しないのか?
対談中には分かりませんでしたが、ウェルドゥーイングな僕はウェルビーイングであることはできないのでしょうか。
両者は対義語ではあるものの、恐らくは両立するはずです。理由はこの後の話から。
成功すれば幸せになるわけではない
対談中で僕はお二人に相談しました。内容は「憧れていた旅行をしながら仕事をするというライフスタイルを確立した。直近はバンコクに3ヶ月ほど滞在して、充実もしていた。けれど、どこか満たされない」というもの。
石川さんから提案されたのは
・誰かと何かやってみること
・プラスではなくマイナスなこともしてみること
この2つでした。
提案の具体例
僕の専門は旅行です、という話を打ち合わせでしていたので、石川さんから提案の具体例として話していただいたのは
・それほど仲良くない40代・50代と天草に旅行した話
・極寒のモンゴルへ旅行する話
でした。
どちらもグループで、かつ緊張や過酷さを伴う旅行です。
天草やモンゴルへの旅行はウェルドゥーイングな行為ですが、それらをフックにウェルビーイングな状態が作れる。石川さんの例からはそのように感じました。
ウェルビーイングになるためには工夫が必要
あるがままを大切にするウェルビーイングを実現するために何かをすることは、矛盾するようにも感じますが、ウェルビーイングとウェルドゥーイングは表と裏なのかもしれません。
少なくとも、これまでの僕の考えでは自分の夢や目標を達成したら、幸せに(ウェルビーイングに)なると思っていましたが、どうやらそうではない。どちらかというと、達成までの過程の方がウェルビーイングだった気がしました。
何か物足りない人へ
僕のように目標を達成したけれど、何か物足りない人へ。僕からできるアドバイスをまとめました。
・目標を達成するだけではウェルビーイングにならない
・次の目標やゴールを見つけること(見つかれば)
・プラスとマイナスの両面に取り組むこと
・常に変化し続けること
こんなところです。年末にカリブ海へのクルージングを予定していて、僕的にはウェルビーイングになるかと思いましたが、プラス側でちょっとした変化にならなそうです。
緊張感のあることもやるべきかと考えたので、NexSeedさんと旅人向けのエンジニア留学を企画してみました。ストレスかかるのですが、実現までに取り組んでいる間はウェルビーイングに良い影響がありそうです。
・理想の1日を考える機会は意外とない
・最中の認識と振り返りの認識は差がでる(Netflixを見てる間は楽しいけど、あとで後悔)
最後に、石川さんと北川さんのオススメなインタビューを紹介します。
スキルと仕事を組み合わせて「何者か」になるスラッシュワーカーズ
自由に自分らしく働くためには「スペシャリストになるしかない」と思っていませんか?それは間違いです。会社の寿命が短く、人間の寿命が長くなる中、1つの仕事だけで人生を支えることは難しくなりました。
これからは好奇心旺盛で飽きっぽく、器用貧乏でゼネラリストが必要とされる時代です。複数の職種を同時並行するスラッシュワーカーが増えています。
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