ロジックツリーを作る手順とうまく作れない時の対策

を作る手順とうまく作れない時の対策
  • 2019.12.07

ロジックツリーはアイデアが出ない人の問題を解決できる方法です。「仕事でアイデアや施策がまったく思いつかない」という人の問題点は2つあります。

  1. アイデアや施策の元となる事例、実例を知らない
  2. アイデアや施策の元となるロジックツリーがない

 

本記事ではロジックツリーについて扱いますが、事例や実例については下記の3点に合わせて調べればOKです。

  • 自分が担当している領域(人事や広報、営業など)で書籍を5冊くらい読む
    ※古典や名著ではなく、新しい事例を扱っている2-3年以内の本がベター
  • 業界紙や専門雑誌を購読する
  • 最後にWebで調べたり、人に聞いたりする

 

いきなりWebで調べようとするのではなく、書籍や専門誌に当たった方が短い時間でまとまった情報を得られるのでコスパが良いです。専門誌は意識して調べないと見かけることがありませんが、こんなにいろいろあります。

カードビジネス専門誌:CardWave(カード・ウェーブ)
アミューズメントビジネス専門誌:アミューズメント産業
コールセンター専門誌:月刊コールセンタージャパン
旅行業界専門誌:週刊トラベルジャーナル

 

そんなにお金かけたくない!という場合は、図書館で借りたり、TSUTAYA書店で読んでもOKですが、チビチビ読むのではなくまとまった時間でドバッと調べましょう。

複数の書籍や専門誌を読むことで、業界のトレンドや施策の共通点を見つけるのが目的です。また、事例をずらっと知っているだけでも、打ち手の幅を出すことができるので、最初は浅く広くでOKです。

 

アイデアや施策の元となるロジックツリー

本題のロジックツリーについて、です。アイデアが出ないというのは、問題から課題を導き出すロジックが不足しているという状態です。アイデアは思いつきやユニークな発想からいきなり生まれるわけではなく、まずは課題を特定できていないと生まれません。

 

課題とは問題を解決するための行動

現状・理想・問題・課題についてはフレームワーク「As is / To be」の解説で説明していますが、現状と理想とのギャップが問題で、その問題を解決するための行動が課題です。

 

AsisTobeのフレームワーク

「As is / To be」の図式です。理想の具体化、現実の把握、そこから問題となるギャップを考える。問題から解決すべき行動である課題を考えて、課題を達成するために施策やアイデアが必要とされる。

という流れなので、課題が特定されていないのと「何に対してのアイデアが必要なのか?」がわからず、アイデアのキレも出ません。

 

ロジックツリーは原因や解決策を探すツール

ロジックツリーは物事を樹木(ツリー)上に分析して、原因や解決策を探すツールです。

  • Whyツリー(原因追求型のロジックツリー)
  • Howツリー(問題解決型のロジックツリー)
  • Whatツリー(要素分解型のロジックツリー)

という3種類がありますが、ロジックツリーを使う目的が違うだけで使い方は同じです。

 

樹木(ツリー)は1本の幹からたくさんの枝に分かれて、小枝に分岐して葉や実をつけて、植物としての機能を発揮しています。世の中にある様々な問題は色々な要素に影響され、大きな問題はいくつかの小さな問題から引き起こされています。

そのため、問題を樹木状の構造で書き出して、図式化することで抽象的なものを具体化して整理しようというのがロジックツリーの発想です。

 

ロジックツリーを作る手順

では、実際にロジックツリーを作ってみます。

  1. 一番左に書くツリーのテーマを決める
  2. 左から右に、抽象的なものを具体的な内容にしていく
  3. 漏れてそうだけど分からない時は「???」で埋めておく
  4. 右端が十分に具体的な行動・原因になったかを確認する

という4ステップで制作できます。ひとまず作るだけなら10分ほどで、できます。

 

ロジックツリー作りの基本

  • それぞれの階層をMECEにするよう心がける
  • ツリーの最後が明らかな原因や行動に結びつくまで伸ばしていく
  • ツリーの最後(原因や行動)がスタートとなっている問題や物事と論理的に関連しているか確認する

ロジックツリーを作る際の基本は上記ですが、MECEができているかが最も大切です。

 

MECEとは「漏れなくダブりなく」

ロジックツリーの話題でよく出てくる「MECE」とは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取ったもの。それぞれの英単語は

Mutually:相互に
Exclusive:重複せず
and Collectively:全体として
Exhaustive:漏れがない

という意味なので、全体で「漏れなくダブりなく」を意味します。漏れがあるより、ダブりがある方が良いロジックツリーなので、最初は書きすぎる、ぐらいの意気込みで作りましょう。

 

ロジックツリーの実例(筆者が作成)

筆者が実際に作ったロジックツリーの実例を紹介します。

 

PV増加に向けて効果のある施策のロジックツリー

PV増加に向けて効果のある施策

ロジックツリーの枝が多すぎて左にも伸ばしていますが、ブログやWebメディアのPV(閲覧数)が増加する打ち手を考えたロジックツリーです。種類はHowツリー(問題解決型のロジックツリー)ですね。

広範囲に広がったロジックツリーですが、最大でも5階層目で施策にたどり着いています。

仕事効率化のロジックツリー

仕事効率化のロジックツリー

こちらは仕事を効率化する方法について書いたロジックツリーです。ロジックツリーを書き始めた頃のツリーなので、PV増加のツリーと比べると階層が浅めでやや未熟です。

本来であれば、例えば「筋トレをする」の先に「ジムに入る」「目標の体脂肪率を決める」「トレーニングの時間を確保する」など、深堀が必要ですね。

 

ロジックツリー作成のツールは「Coggle」

ロジックツリーを作成する際は「Coggle」というツールを使っています。
» Coggle

ロジックツリーというよりは、マインドマップ(頭の中で起こっていることを見える化した思考ツールのこと)用のツールとして開発されていますが、枝の付け替えや色分け、削除などがスムーズなので、ロジックツリーに使っても便利です。

 

ロジックツリーをうまく作れないとき

ロジックツリーをうまく作れない時は、下記の5点が原因かもしれません。

  1. ツリーのテーマ設定が間違っている
  2. 枝の切り口が曖昧
  3. 深堀が足りない(目安は5回)
  4. 因果関係や含有関係が間違っている
  5. 異なるものを同じにしている

 

ツリーのテーマ設定が間違っている

ロジックツリーのスタートとなる問題設定が間違っていると、うまくツリーが作れません。例えば、「どうすれば会社が儲かるのか?」という問題があった時に「売上」か「利益」のどちらをテーマとするかで、ツリーの内容が変わります。

「利益」を増やすためのツリーなら社内の人件費削減についても含まれますが、「売上」の場合はむしろ人件費をかけて人を増やすという選択肢になるでしょう。

 

枝の切り口が曖昧、MECEになっていない

MECE(漏れなくダブりなく)ができていない時も、ロジックツリーの広がり方が不十分になります。10代、20代、30代と年齢を数字で区切ればMECEになりますが、若者と老人はMECEではありません。

ロジックツリーがスカスカな場合は、漏れがないか?を検討しましょう。

 

深堀が足りない(目安は5回)

Whyツリー(原因追求型のロジックツリー)にしろ、Howツリー(問題解決型のロジックツリー)にしろ、深堀(枝の長さ)が足りないと浅いロジックツリーになります。

深堀の目安は、僕の経験上最大で5回。なぜ?どうやって?を5回繰り返せば、充実したロジックツリーになります。

 

因果関係や含有関係が間違っている

枝の前後関係が間違っていると、ロジックツリーが破綻します。因果関係とは「原因」と「結果」の関係のことですが、一見して因果関係がありそうな事柄も、実は無関係だったりします。

また、思い込みやデータの切り出し、古いデータから更新されていないことによって、事実と異なる解釈をしていることもあります。例えば、「若者の旅行離れ」について直近のデータではむしろ積極的に旅行をしている、ということが分かっています。

 

異なるものを同じにしている

「地方の20代」というくくりがあっても、都市圏から遠く離れた離島に住む若者と都市圏から60分以内の地方に住む若者では、状況が異なります。このように本来は異なるものを同じものとして扱うと、ツリーが先に進まなくなります。

 

ロジックツリーはアイデアが出ない人の問題を解決できる方法

本記事ではアイデアが出ない人の問題を解決できる方法として、ロジックツリーを作る手順とうまく作れない時の対策などを解説しました。ロジカルシンキングについて勉強したいなら、「入門 考える技術・書く技術」でロジカルに書くトレーニングをすると良いです。

ロジカルに書ければロジカルに話すことができます。いきなりロジカルに話すことを目指すよりも、まずは時間をかけて書けるようになるのが第一歩です。

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