ノマドになる自信がないんだけど、まず何をすればいい?現役の海外ノマド10人に相談しました

  • 2023.04.18

世界中を旅する海外ノマド56人が執筆した「海外ノマド入門」を発売しました。Googleで調べても載っていない、場所にとらわれずに働くノウハウが詰まっています。

辛いことも、泥臭いことも、海外ノマドの現実を正直に書きました。ぜひ、手に取っていただけたら嬉しいです。

 

さて、本記事ではここからが本番です。紙面の関係で、海外ノマド入門にどうしても載せきれなかった原稿がたくさんあります。

このまま、Google Driveに眠らせておくにはあまりにもったいないので、無料版「海外ノマド入門」として掲載します。

 

Webメディアだとスペースに制限がないので、原稿はできるだけ無修正です。ありのままの海外ノマドたちの想いや経験、知恵をお楽しみくださいー!はい、ここまでで導入は終わりです。

 

今回のテーマは「ノマドになる自信がない」

今回は10人の海外ノマドに「ノマドになる自信がないんだけど、まず何をすればいい?」か相談しました。ちなみに、僕からのアドバイスは「自信がないなら、自信がある人と一緒にいる時間を増やしましょう。自信は借りてくることができて、しかも貸し手の自信は減りません。自信がないのは、あなたのマインドではなく、環境の問題です」

 

新卒から13年勤めた大手メーカーを退職した、大澤あつみさん

まず、自信がない理由や、不安に思っていることを全部紙に書き出してみましょう。そして、書き出した内容が客観的な事実なのか、自分の思い込みなのか、自問自答してみてください。

自分の中にある「ノマドにならない方がいい理由」が見えてきたら、あとは自分がどうしたいかです。ノマドになるのも、ならないのも、決めるのは自分です。ノマドになりたいなら「ノマドになれる理由」を同じだけ探してみるといいと思います。

大澤あつみ
新卒から13年間働いた大企業を退職してノマドに。 広告宣伝の経験を活かし、 企業のマーケティング戦略コンサルティングやPR支
援を行う。誰かに話したくなる面白い経験が好きで、会社員時代は月イチで海外を旅行していた。「好きな場所で好きなことをする」を叶えるべく世界を飛び回る。Twitter:@atsumiee

 

映画やテレビドラマなどの特殊効果を扱う、Ricoさん

あまり深く考えずに、興味のある事から勉強し、実践するといいと思います。

自身の過去の経験を振り返ると、すでに組織が出来上がっていて、何年も運営されている会社は、どのような職種であれ、ある程度のルールが出来上がっているので、中々それを一人の為に柔軟に変える事が出来ませんでした。

よくある求人に応募せず、様々な人と会い、対話して、そこから新たな仕事を生み出す事ができれば良いと思います。

Rico
海外リエゾン兼VFXプロデューサー。外国企業と日本企業の国際共同プロジェクトのコーディネートやプロデュースをしている。コロナをきっかけにほとんどの仕事がリモート化したので、クラウドツールを駆使しながら働いて いる。のんびり大好きな楽天家。Twitter:@PpyRico

 

PR会社を運営する塚田エレナさん

収入面で自信が持てない人が多いので、PC1台で稼げる手段を身に着ける。ひとりでやっていける自信をつけて、仕事の面で自分を信頼してくれる人や会社が複数人がいてくれる関係性の構築を目指す。

ある程度稼げるようになれば、自信で悩まなくなるのでは?と思います。そこまで来たらあとはやるかやらないかだけ。とりあえずいろんな街に行って、いろんなものを見て、いろんなものに触れてみてください!

塚田エレナ
自分に合った生き方と働き方を求め、外資系広告とPR代理店を経て2019年に独立。ワーホリ×フリーランスのデジタルノマドとしてドイツを拠点に活動後帰国し、2020年にPR会社を設立。現在はグローバルに事業を展開中。2022年より海外ノマドも復活。どこでも誘われたらなるべく行く。Twitter:@Elenaaa10t

 

イタリアのスロードフードを広めている、西村千恵さん

自信がないならまだタイミングではないと思います。どうしてもやりたい!やってみよう!と思える時がやってきます。もしその時期を早めたければ、何を望んでいるのか、そして何に不安を持っていて、なぜ自信がないのかを書き出して言語化してみると良いです。

そして同時に自分の持っているスキル、得意なこと、チャームポイントなど自分の強みがどう活かせるのかを把握することも自信を深めて一歩踏み出すのに有効です。あらゆる手立てをしてでもノマドになるんだと決意をすることから始まります!

西村千恵
東京生まれ、神奈川県在住の3児の母。高校時代のドイツ留学で、ベジタリアンなホストマザーの生き方に影響を受ける。次男の出産を機に都内から葉山へ移住し、循環型農業をサポートすべく合同会社を設立。イタリアスローフード協会との出会いでイタリアや周辺国へ視察に赴く。Instagram:@chie.farmcanning

 

ドローンパイロットで旅作家のとまこさん

自信は動かないとつかないものなので、動き出したくなる動機をつくるのはいかがですか?

例えば、ノマドになったら「世界中のパンダに会える!」「世界各国のいろんなタイプの宿レポートを発信しちゃお」など、なんでもいいのですが、自信は後からついてくるものと諦め(笑)、まずは自分を熱く駆り立てるうれしい未来を見てください。

とまこ
小学5年の時にカムチャツカ半島に行く夢を見て旅に憧れる。バックパッカー、 秘境ツアーコンダクターを経て作家活動。突然ドローンにはまり国内外で延々飛ばし続け、各地・各企業のPRやPVなどを手掛ける。『離婚して、インド』(幻冬舎文庫)『世界の国で美しくなる!』(幻冬舎)など著書12冊。Twitter:@h723_

 

蔦屋書店で働き、世界131ヶ国を旅する森卓也さん

自信がないのは「稼げるかどうか」の心配も大きいと思います。解決方法はプロになることでしょうか。リモートでの業務が可能な職種をリストアップし、そこから自分が最も興味をあるもの、得意そうなものをピックしてその技術を磨く。そして自分の技能を周囲にアピールする。

自分が何者か知ってもらうことが仕事につながります。あと案件の決定権がある人と積極的に接することが大切です。

森卓也
世界3周131ヶ国を旅する 六本松蔦屋書店旅のコンシェルジュ。「旅と本は世界を健やかにする」と蔦屋書店の各メディアで旅の素晴らしさを発信中。旅の書籍ライブラリ構築 やイベントと観光と地域のPR案件、最近はエシカル領域も担当。月に一度は海外を旅して業務に落とし込む旅マニア。Instagram:@mori_concierge_travelbooks

 

広告代理店勤務で、会社員ノマドのすぎやまさん

「なぜノマドになりたいか」を改めて考えてみてください。手段が目的化していませんか?ノマドは手段の1つでしかなく、本当にあなたの求めていることは「ノマドになった先」にあると考えています。

ノマドワーカーになることで「あなたの叶えたい未来像」はどのようなものでしょうか。それが明確になればノマドになる自信がない……という不安もなくなるはずです。

すぎやま
広告代理店に勤務しながら、メディア編集長を兼務する会社員。リモート勤務をいいことに各地を飛び回り、面白い人を探している。ヨーロッパ留学経験を基に各国の友人に会いに行っているので日本にいたりいなかったり。「場所にとらわれない働き方」 や「暮らしながら旅をする」がモットー。Twitter:@tabi_macska

 

家族でノマド生活を実現している、清野奨さん

はじめは誰でも自信はないと思います。どうやって自信を持つかよりも「何を不安に思っているのか」という方が重要であると考えています。

想像する悪い未来(収入がなくなったら、友達ができなかったら、生活が合わなかったら等)をイメージして「So What?(だからなに?)」をぶつけてみると意外と大したことない問題だったり、改善策が見つかったりします。逆説的にはなりますが、自信を持つには不安と向きあう事ではないでしょうか。

清野奨
1歳になるノマドベイビーと奥さんの家族3人でノマドライフをしている。「生きる場所と働く場所の自由と民主化」をするためにデジタルプロダクト受託開発を行う会社 「aniuma OÜ」をエストニアで設立。新しいアイデアを得るために世界各地のコワーキング&コリビングスペースに訪れている。Twitter:@susumu1127

 

タイのプーケットに住む夫婦ノマド、chinamiさん

ロックダウン中に夫婦でもがいていたら、月20万円くらいはお互い稼げるようになったので、これならまずは生活費安い国で生きていけるのでは?と思ったのがきっかけです。

その時点でオーストラリアにいて、都市や家を転々としていたので、気がついたらノマドになっていました。夫婦ともども海外旅行がすごく好きだったので、自然な流れで生活がノマド化した、という感じです。

chinami
現在は動画制作や翻訳、コンテンツ制作をしながら、 アメリカ人の旦那とノマド生活中。上智大学を卒業した後、オーストラリアに飛んだが、コロナで失業。一念発起し、大学在学中に習得した動画編集のスキルを活かして、PC1台で稼げるように。気がつけば夢のデジタルノマド的生き方を実現した。 現在はタイのプーケットでゆるく働きなが ら、のびのびと暮らしている。

 

ふじさわあつしさん

在学時に、就職した先輩方と食事に行く機会があったのですが、その際に皆さんとてもつまらなさそうで、「あ、自分はこうはなりたくないな」と思い、個の力で収入を得られるようになろうと決意しました。

加えて大学のレベルも高くなく、普通に就職しても就職先が限られてしまうという背景があった点も理由のひとつです。転々としながら生活をしたいという願望はまったくありませんでしたが、通勤したくないという思いは強かったです。

ふじさわあつし
2013年にブログで独立。以降はアフィリエイト、 YouTube、電子書籍出版、 書籍出版、講師、ライター など様々な仕事をしながら生きている。過去に、6ヶ月の東南アジアノマドや2週間の東欧旅をしていた。フリー素材サイト 「ぱくたそ」でモデルもしている。Twitter:@Takuya_3003

 

連載「海外ノマド入門」の続き

海外ノマド入門」に載せきれなかった海外ノマド56人の原稿は今後も「海外ノマド」カテゴリーで定期的に更新します。好きな場所で暮らしたいすべての人へ届きますように。

スキルと仕事を組み合わせて「何者か」になるスラッシュワーカーズ

slash-workers

自由に自分らしく働くためには「スペシャリストになるしかない」と思っていませんか?それは間違いです。会社の寿命が短く、人間の寿命が長くなる中、1つの仕事だけで人生を支えることは難しくなりました。

これからは好奇心旺盛で飽きっぽく、器用貧乏でゼネラリストが必要とされる時代です。複数の職種を同時並行するスラッシュワーカーが増えています。

仕事の数が多いことはコロナ禍のような危機に強く、嫌になったら辞められる自由が手に入ります。これからの働き方を先取りしてみませんか?